クロップトパンツ、クロップトジャケットなど、ファッションで使う用語「クロップト」。その意味やクロップト丈(たけ)とショート丈の違い…今ひとつわかりにくいですよね。
さらに「クロップトとクロップド、表記はどっちが正しいの?」「最近見かける『短丈』の読み方は?」など、気になる“短め丈”の表現について調べてみました!
クロップトの意味とは。「クロップト」「クロップド」はどちらが正解?
「クロップト」の英語の意味は?
何となく「短めの丈のパンツ=クロップトパンツ…?」といったイメージのある「クロップト」という言葉。
実は、短いという意味とはちょっと違います。
cropは名詞で「収穫物」や「刈り込み」、動詞で「刈り込む、端を切る」という意味で、croppedはその過去形・過去分詞。
クロップトパンツとは「端を切った、切り取った」パンツという意味なのです。
ちなみに画像や動画の「切り抜き」も英語で「クロップ」、同じ由来ですね。
クロップト?クロップド?
「クロップト」「クロップド」は両方見かける表記ですが、どちらが正しいのでしょうか?
英語の発音通りだと、「クロップト」が正解。発音記号はkrɑpt(米国英語), krɑ:pt(英国英語)です。
しかし綴りがcroppedであることもあり、現状日本のカタカナ表記では「クロップド」の方が使用頻度が多いのだそうです!
Googleトレンドで調べたところ、Webでの検索ボリュームも「クロップド」表記の方が多いですね。
「クロップト丈」と「ショート丈」の違いは?使い方のポイント
さて、短い(short)丈といえば「ショート丈」。
「クロップト丈」と「ショート丈」は長さが違うのでしょうか?
これは、結果的には同じ長さを指す場合もあります(特にトップス)。
「クロップト」を使う場合は、言葉の意味から「本来あるべき丈をカットオフして短くした」というニュアンスがあるデザインを呼ぶことが多いです。
(天才デザイナーがハサミでぱつんと切り取る…ようなイメージでしょうか⁈)
ボトム(パンツ)の場合
パンツの場合は、「クロップト丈」と「ショート丈」の使われ方には違いがあります。
- クロップトパンツ…主に6・7・8分丈のパンツ。(正確な長さは決まっていない。フルレングスのパンツの裾をカットしたようなデザイン)
- ショートパンツ…短い丈のズボン。主にひざ上丈のパンツ。
ちなみに、英語では「ショーツ(shorts)」もショートパンツを指しますが、日本ではほとんど下着の意味にしか使われていません。
トップスの場合
トップス(上半身用のアイテム)の場合は、デザインによって使い分ける印象です。
「クロップトジャケット」とは、本来長さが腰あたりまであるジャケットをウエスト辺り(あるいはもっと上)でカットしたようなデザインジャケットのこと。
とはいえ、同じようなデザインでも「ショート丈ジャケット」と呼ばれることもあり、使い方はブランド次第といったところがありますね。
文字通り、でもトレンド?「短丈」にも注目!
リアルニーズから生まれたキーワード?「短丈」
短丈とは、文字通り短い丈のことで、ショート丈の直訳と言えます。
読み方は「たんたけ」が主流。(Googleは「たんたけ」の検索で「短丈」をサジェストしてくれます。)「タンタケ」というカタカナ表記も登場しています。
「クロップト」がデザイン側から生まれた言葉だとすれば、おそらくリアルな販売・やり取りなどのニーズから広まったと思われる「短丈」。
デザインはどうあれ、とにかくこの服が「短い丈」という情報を伝えたい。たった2文字で意味が伝わる漢字って本当に便利!
ネット販売の増加も原因かも。商品やコーデの説明を書く時、ロングTシャツ×クロップトニットレイヤード…長い…!となりがちですよね。そんな時も「短丈」は便利!
「#短丈」と、ハッシュタグにも使いやすいキーワードです。
短丈トップス、短丈セットアップ…トレンド「短丈」に注目!
上半身をボクシー(ボックス型)にまとめるトレンドから、注目が高まっている「短丈」。
今のところ「短丈スウェット」などトップスに使われることが多く、クロップトデザインも含めた短い丈の総称となっています。
ですので「短丈セットアップ」であれば、トップス:クロップト(ショート)ジャケット×ボトム:ロングパンツといったセットが主流。
今後注目の、スタイルアップ効果が高いセットアップですね!
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POINT
- 「クロップト」は「切り取る」という意味
- 「クロップト丈」と「ショート丈」、パンツに使われる場合は丈感が違う
- 「短丈」は最近よく使われるようになった、短い丈の総称
ちなみに「丈短」は…?
短丈を逆にした「丈短」は日本にもともとある言葉で、「着物を丈短(たけみじか)に着る」といった使われ方をしていました。
でも「たけみじトップス」といった表現も言いそう…言葉は時代によって変わる、生きているものなので、またみんなの使い方で変わっていくのかもしれません。ファッションの言葉、奥深いですね!
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。