63年ぶりに更新された誕生石。10石追加で29石、どんな宝石がある？

2021年12月、宝石好きの間にとても大きなニュースが駆け巡りました。
それは新しく誕生石が追加されたというもの。

実に63年ぶりとなるこの追加では、10つの宝石が新たに日本の誕生石として制定されたのです。

今回は「誕生石」について。
新しく加わった10石はどんな宝石？

自分の誕生石にぴんとこなかった方も必見です。

そもそも誕生石っていつ生まれた？今何石ある？

その身を彩る宝飾品として。
時にはお酒に酔わないようにしたり、視力を良くする薬として。

もちろん実際にそのような効果はありませんが、さまざまな効果を発揮するものとして用いられてきた宝石。

宝石が結びられてきたひとつが「月」。
12ある月それぞれに宝石を制定、「誕生石」と呼ばれ親しまれています。

知っておきたい！誕生石の一覧と意味（石名の英語表記つき）

この記事でも触れていますが、「誕生石」が誕生したのはごく最近。
ジュエリーの文化としては欠かせないトピックで、宝石好き以外の方にまで広く知られていますね。

最初の「誕生石」は1912年アメリカで制定

1912年のアメリカで、AGS(America Gem society)という団体が誕生石を制定。
1952年に一度修正が行われています。

1912年のリストにはルビー・ダイヤモンドは入っておらず、また3月からはじまる構成だったため、AGSとジュエリー産業委員会が共同で修正を行ったと伝えられています。

日本で誕生石が制定されたのはその修正から6年後の1958年。
全国宝石卸商協同組合によって制定されました。

フランス、イギリス、オーストラリアなども、アメリカの誕生石を基に誕生石を制定しているため共通の宝石があります。

このように、国によってはもちろんブランドによっても提案する誕生石が異なるため、今回国内での誕生石の統一を図ろうという意志の元、63年ぶりに誕生石に修正が加わったのです。

今回の修正に携わったのは3つの団体。

1958年の制定にも関わった全国宝石卸商協同組合。
日本ジュエリー協会、山梨県水晶宝飾協同組合です。

既存の19石に10石の追加。
合計29石となり消費者にとっては選択肢も増えました。

新しく加わった10石について、簡単に見ていきましょう。

誕生石の新しい顔10石。キャッツアイやアレキサンドライトも。

追加されたのが2月から4月、6月から9月、そして12月。
3月、12月など月によっては2種類追加されており、今までご自分の誕生石に興味がなかったという人も、新しく追加された宝石に心ときめくかもしれません。

2月：クリソベリル・キャッツアイ

新しい6月の誕生石、アレキサンドライトと同じ鉱物であるクリソベリル。
その中でも猫の目のような「キャッツアイ（シャトヤンシー）効果」を持つものが2月の誕生石として制定されました。

キャッツアイ効果を持つ宝石の中でも格段に美しいことから、単にキャッツアイという言葉でもクリソベリル・キャッツアイを指す傾向にあります。

3月：ブラッドストーン、アイオライト

緑に血のような赤が映えるブラッドストーン。
見る方向によって透明にも青にも見える不思議なアイオライト。

雰囲気の異なる宝石の追加は、組み合わせてもシックにまとまりそうですね。

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4月：モルガナイト

エメラルドやアクアマリン、ゴシェナイト。
ベリルには数々の華やかな宝石があり、モルガナイトもそのひとつです。

アメリカの宝石コレクター、モルガンが由来。
ラベンダーのような淡い色味から印象的なパープルレッドまで、多様な表情を見せてくれる宝石。

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6月：アレキサンドライト

すでに6月の誕生石としてご存知の方も多いアレキサンドライト。
今回正式に誕生石として制定されました。

7月：スフェーン

ダイヤモンドのような、強いファイアが特徴のスフェーン。
イエローからグリーンをベースに、印象的な輝きを放ちます。

ルビーに負けない華やかさのある宝石です。

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8月：スピネル

カーネリアンやサードニクス、さまざまな宝石が8月の誕生石として知られてきました。
すでに紹介した誕生石たちも、正式には制定されていないものの広く知られているものばかりでしたね。

その中でも意外性のあるスピネル。
ルビーと間違われるなど、さまざまな逸話があるので、身につけているだけで会話のきっかけになります。

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9月：クンツァイト

可憐なピンクといえばクンツァイト。
強い多色性が特徴で、ティファニーとも縁が深い宝石のひとつ。

12月：タンザナイト／ジルコン

ティファニーと関係のあるもうひとつの宝石がタンザナイト。
一言で表せないブルーの魅力は、宝石好き以外の心もきっと奪ってしまいますね。

ジルコンは1952年、アメリカではすでに12月の誕生石としてラピス・ラズリに代わって制定されていました。

POINT

• 63年ぶりに追加された誕生石
• 19石に10石が加わり、誕生石は合計29石に
• 選択肢も身につけ方も増え、ますますジュエリー業界が盛り上がりそう

今後、きっとさまざまなブランドが誕生石にまつわるさまざまな提案をしてくれることでしょう。
新しい誕生石の制定をきっかけに、ジュエリーの選択肢に彩りが増えるのが楽しみですね。