ジュエリー好きならきっと耳にしたことのあるグランサンク。
ショーメやヴァンクリーフなど、フランスを代表する五つのジュエラーが名を連ねます。
その中で最も古い歴史を持つ「メレリオ」。
日本での知名度は低いものの、フランス王室をはじめ、イタリア、オランダ王室も御用達のジュエリーブランド。
また、メレリオはスポーツ界とも深い関係を持っています。
イメージの異なるスポーツとジュエリー、一体どのような関係があるのでしょう。
【ジュエリーブランドの名品】第十一回目は「MELLERIO(メレリオ)」をお届け。
イタリアにルーツを持つメレリオ。スポーツ界との関わりは?
ジュエリーからトロフィーまで手がけるジュエラー
以前は「MELLERIO DITS MELLER(メレリオ・ディ・メレー)」として知られていた「メレリオ」。
グランサンクのみならず、数あるジュエリーブランドの中で最古のジュエラーとして知られています。
今やフランスのジュエラーとしてその名を馳せるメレリオは、イタリア生まれのメレリオ一家により、1515年から現在まで一族経営が行われています。
ヴァンドーム広場に店舗を構えた、「メレリオ・ディ・メレー」としての創業は1613年。
マリー・アントワネットやルイ9世などの王族を顧客に持ち、ブランドの手がけるジュエリーにも大きな影響を与えてきました。
また、500年以上に渡る歴史の中でジュエリー業界に留まらず、スポーツ業界にも大きな影響を与えています。
この投稿をInstagramで見る
1956年以来、毎年最高のサッカー選手に贈られるバロンドールのトロフィーを手がけているメレリオ。
100時間以上もの時間をかけて作られるトロフィーは、「今年一番」の人を讃え輝かせてくれます。
そのほか全仏オープンテニスのトロフィーを手がけるなど、メレリオが数百年に渡り培ってきた技術を詰め込んだトロフィーは息を飲む美しさ。
ブランドの叡智を詰め込んだ「メレリオカット」
時代、国、業界。
数々の境を超え、その歴史を築いたメレリオ。
卓越した技術と磨かれて続けてきた創造性が生み出したひとつが、「メレリオカット」。
この投稿をInstagramで見る
ブランドの名を冠するカットは2005年に誕生。
オーバルのシルエットに57のファセットがつけられています。
特許も取得しており、最大限の輝きと光の反射を生み出すように職人の手によってカットされます。
オーバルの持つ柔和な印象にダイヤモンドの輝きが加わることで、他のブランドでは堪能できない特別感を。
この投稿をInstagramで見る
時計のフェイスがオーバルの「レディウォッチ」と合わせても華やか。
メレリオを代表する名品たち
その歴史の古さに反し、日本での知名度はまだ低いメレリオ。
だからこそ、人と被りたくないけれど、確かな名品を求める方には手にとっていただきたいブランドなのです。
しかし、実際どんなジュエリーがあるのか知らないことにははじまりません。
ここではメレリオを代表する名品たちを、デザインのルーツとともにご紹介。
ジャルディーノ(GIARDINO)
この投稿をInstagramで見る
メレリオのルーツであるイタリア。
そのイタリアにあるボッロメオ諸島のひとつ、マードレ島からインスピレーションを得て生み出された「ジャルディーノ」。
カラフルな色合わせは、花々が咲き誇る色鮮やかな庭園をイメージして。
アンティークの良さと現代的な感覚、両方の良さを取り入れてデザインされたこのシリーズは、イザベル・メレリオが19世紀のドローイングから考案しました。
フラワーモチーフでも甘すぎない、品の良さが香るシリーズ。
マグリア(MAGLIA)
この投稿をInstagramで見る
色鮮やかなガラスをはめ込む窓枠のような。
または氷の結晶のような。
繊細で正統派な美しさに心奪われる「マグリア」は、漁師の使う網からインスピレーションを受けてデザイン。
何気ない日常にも美を見出す、メレリオの感性が光るシリーズといえるでしょう。
ル・プチ・カクタス・バニール(LE PETIT CACTUS VANILLE)
この投稿をInstagramで見る
春先に一晩だけ咲く、ロマンティックな花をモチーフにした「ル・プチ・カクタス・バニール」。
ヨーロッパ各地にロイヤルカスタマーを持つメレリオの、最初の王族顧客であるマリー・アントワネットが好きだった花と伝えられています。
この投稿をInstagramで見る
一瞬の儚さを永遠に昇華した、小さいながらも職人の手腕がうかがえるシリーズ。
ネックレスに連なった花々は、身につける人のスタイルを選ばない自由さを。
500年という年月は、数字で見るよりもはるかに重い響きを放ちます。
その歴史の中にある揺るぎない信念、また変化していく想いを形として身につける経験は、なかなかできるものではありませんよね。
時という触れられないものに、少し触れさせてくれるメレリオ。
「時間」や「歴史」に価値を置くあなたを、きっと輝かせるブランド。
POINT
- グランサンクのひとつに数えられるメレリオ
- 500年以上もの歴史を持つ、最古のジュエラー
- 2005年に特許を取得した「メレリオカット」
【あわせて読みたい】ジュエリーブランドの名品、バックナンバーはこちら!
第一回目:TASAKI
第二回目:TIFFANY&CO.
第三回目:Cartier
第四回目:Van Cleef & Arpels
第五回目:BVLGARI
第六回目:NIESSING
第七回目:BOUCHERON
第八回目:MAUBOUSSIN
第九回目:CHAUMET
第十回目:Pomellato
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。