2021年春の「朝ドラ」こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土午前8時~8時15分ほか NHK)。
久々の現代劇で、宮城県・気仙沼と登米を舞台に、気象予報士を目指すヒロインの物語。
透明感あふれるモネこと百音(清原果耶さん)の素直な表情とさまざまな人々との関わり、空や海や森、天気の表情や音といった自然の映像にも心癒される作品です。
物語は2014年から始まり、過去を振り返りながら進みます。
東日本大震災から10年の節目となる2021年に放映される「おかえりモネ」。天気のイメージともつながるような劇中の色使いや衣装について気づいたポイントをお届けします。
「モネカラー」とは?衣装の色合いも天気のイメージ
空と海と光…ブルー~イエローのグラデーション
「おかえりモネ」の衣装で印象的な色合いといえばブルーとイエロー。
タイトルロゴに使われている、ブルーからオレンジイエローまでのグラデーションを「モネカラー」と呼んでいるようです。
この優しいグラデーションカラーが、ドラマ全体のトーンになっているともいえそうですね。
主人公のモネ(百音)の衣装も「モネカラー」、ブルーとイエローの2色をうまく使ったコーデが多め。
ブルーは青い空と海の色。イエローは光の色。天気について関心を深めていくモネにふさわしいカラーリングです。
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よく着ているイエローのパーカ、森に入った時のブルーのマウンテンパーカなど、随所にブルーとイエローのアイテムやコーデが登場していますね。
そしてモネを天気の世界へと導く気象予報士・朝岡さん(西島秀俊さん)の衣装もブルーが基調。
ネクタイもさりげなくブルー×イエロー!
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雨…水玉模様
晴れだけではない、うつり変わる天気。モネも第一週目は、ブルーの水玉模様のトップスを着ていましたね。
最初の衣装が雨をイメージする水玉模様…というのはモネの心境を表していたのかもしれません。
⛄「 #おかえりモネ 」インタビュー⛄
ヒロイン・永浦百音役を演じる、#清原果耶 さんのインタビューを公開しました!
▼公式HPhttps://t.co/08A6oIZV6u#朝ドラ #清原果耶
— 「おかえりモネ」5/17スタート! (@asadora_nhk) May 15, 2021
虹、彩雲…「なないろ」のタイトルバック
雨があるからこそ、虹もある。
「おかえりモネ」の主題歌はBUMP OF CHIKENの「なないろ」。
ドラマ1週目に彩雲を見たモネ。虹や彩雲はうつり変わる気象が見せてくれる美しい奇跡の色合いです。
過去を抱え、「手探りで今日を歩く」モネはやがてさまざまな出会いや経験の色模様をまとうようになるのでしょうか。
オープニングのタイトルバックで使わている虹色の布は、実際に手染めしたグラデーションをデザインに起こし、オーガンジーに特殊なプリンターでプリントした特注のテキスタイル。光の加減によって色の見え方がオーロラのように変わるそうです。
総計50mの布を数人がかりで持ち、モネと一緒に港を走って撮影したとか!
テキスタイルデザイナーのYUKI FUJISAWA(藤澤ゆき)さんの作品。
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白・赤…モネに刺激を与える登場人物たちの色模様にも注目
木漏れ日の光、雲…心を引き締め、行く手を示す「白」
百音をめぐる人々の衣装にも注目。
登米の資産家で、金髪、白のインナーに黒の羽織、和柄や幾何学柄…個性的なキャラクターもコーディネートもインパクト大の新田サヤカ(夏木マリさん)。
白を意図的に使い、クリーンな鋭さを出している衣装だなと感じます。
特にヒバの木を見に行くシーンは神々しい雰囲気で、あえて白なのは身を清めるような意味合いなのではと感じたのですが、やはりご自身のInstagramで「山に入る時は、尊意を以って見る気持ちで白を着ています」と書かれています。
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「白」といえば白衣。登米の診療所の医師・菅波(坂口健太郎さん)も気になりますね。
白は、雲の色でもあります。時には厳しいことも指摘しながら、モネに人生の行く手を示す雲のような存在になるのでしょうか?
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朝焼け…赤は海の男の熱い色
第3週からは百音の故郷・気仙沼の幼馴染や親世代の人々も本格的に登場。
気仙沼で印象的な色は「赤」。寒色系寄りのモネカラーとは対照的な色です。
朝焼けの海の色であり、海の男の熱い血と気迫を表す色。
とくに幼馴染・りょーちんこと及川亮(永瀬廉さん)のキーカラーになっていますね。(百音の祖父の衣装も赤なのが、海の男のつながりを感じます!)
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法事の席でも赤いTシャツだったりょーちん。彼の身支度をケアするような家族の不在を表していたのかもしれません。
百音も帰省の際は、赤のバッグ。ブルー系でも濃い海のようなネイビーの柄キャミワンピ姿でしたね。
ペイズリーや小紋柄も、お父さん(内野聖陽さん)など気仙沼組の衣装に特徴的に使われています。
同級生の三生(前田航基さん)はPUNKな黒Tにペイズリー柄のシャツ。
赤と黒などメリハリのあるドラマティックな色使いは、優しい水彩画のような登米の森林の世界との対比にも感じられました。
気仙沼の登場人物は、2011年の東日本大震災を経て生き抜く人々のリアリティを担当していきそうです。
とくにトランペットとトロンボーン、華やかな金管楽器担当&金髪のりょーちんと三生こそがドラマの低音部を担っていくのでは(その大底は浅野忠信さんが支えてくれそうな予感)。非常にナイーブなテーマに挑むキャスト&スタッフの勇気、応援したいです。
POINT
- 朝ドラ「おかえりモネ」は久々の現代劇
- 「モネカラー」をベースに、天気からのイメージを感じる百音の衣装
- サヤカや菅波の「白」、亮の「赤」…モネをめぐる人々の色模様にも注目
モネといえば、印象派の画家クロード・モネも思い起こされます。
「おかえりモネ」の作風もどこか印象派の絵画に似て、心象や思い出の点描を重ねながら想いを表現するスタイルのようですね。
テンポの良い一代記タイプとはまた違う、繊細で奥深い「おかえりモネ」。モネや人々の心の天気模様と東北復興、なないろの希望の物語を追いかけていきたいと思います。
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。