2020年11月、ユニクロとジル・サンダーのコラボであるユニクロ+J(プラスジェイ)が発売されました。
発売前から話題を集め、発売日には多くの方が店舗に殺到!まさにユニクロコラボ狂騒曲に。
この「コラボ」とはどんな意味でしょう?コラボの種類や、コラボのメリットとは?
今回はコラボについて。また話題のコラボに集まる人の心理も学んでみたいと思います。
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コラボとは何の略?コラボの意味は?
コラボ=collaboration
コラボとはコラボレーションの略です。
コラボレーションは英語でcollaboration、(共通の目的を達成するために行う)協力、共同制作の意味。
コラボは複数の立場や人による協力や連携のことを指し、それによる成果(合作品など)もコラボと呼ばれます。
ちなみに英語で省略する時はcollab と表記されます(collaboではない点に注意)。
企業やブランドが「コラボ」するメリットとは?
コラボの種類
世の中ではさまざまなコラボ企画・コラボ商品が生まれています。
- 老舗ブランド×若手デザイナーなど新旧コラボ
- アパレル×バッグ、お菓子メーカー同士など、同業種/近業種コラボ
- 自動車メーカー×化粧品メーカーなど、別の業界が手を組む異業種コラボ
- 地方の名物・特産品とメジャーブランドが組むご当地コラボ
- 地元企業×学生との連携など産学コラボ
- アパレルや食品とキャラクターのリアル×バーチャルなキャラクターコラボ etc.
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服などのファッションアイテムはコラボが多い分野のひとつ。
・外部のデザイナーがディレクションやデザインを手掛けてブランドイメージを刷新する。
・ブランド同士が協力しあってダブルネームの新商品を開発する。
・タレントやインフルエンサーにデザインのアイディアやPRの協力をしてもらう。
・キャラクターを服の柄として取り入れる。逆に、バーチャルなキャラクターの衣装にデザインを提供する。
協力のしかたはさまざまですが、どれも「コラボ」として提案されます。
コラボのメリットとは?
コラボは対外的に、大きな話題性を打ち出すことができます。
そして両者それぞれのユーザーやファンに呼びかけ、新規ユーザーにアプローチしたり相乗効果を生むことが可能に。
数量限定・期間限定などの制約によるレア感・プレミアム感も魅力になります。
また内部でも、ちがう社風や仕事の進め方をお互いに学ぶことができ、新しい開発アイディアが生まれたり、実験的な企画ができるなどのメリットがあります。
(どのような形・目的の取り組みでも「コラボ」という表現が使えるのも、「コラボ」が多用される理由のひとつかもしれません。)
ユニクロ+Jのコラボが注目された理由
ユニクロはすでにこれまで多くのデザイナーやキャラクターとコラボをしてきています。
今回の「ユニクロ+J」の大ヒットについて、ファッションジャーナリストの宮田理江さんは、「コラボというブランド」を育てたユニクロの長年の積み重ねを評価しています。
なぜユニクロのコラボは当たる?「+J」が爆発的ヒット 服が売れない時代に売り切れ続出の理由とは?(宮田理江/Yahooニュース)
コラボが定着し、常に話題を呼ぶようになったユニクロ。ユニクロコラボでは以前も「『鬼滅の刃』Tシャツに人気殺到!」といった前例がありましたよね。
さらに今回のジル・サンダーとの取り組みは、2009年のコラボ企画の復活。
当時のコラボが良かったという逸話もあり、「伝説のコラボ」としてWeb、SNS、YouTuberの情報が先行し、皆の期待感が過熱していました。
買う理由もいろいろ。話題のコラボを買う側の心理とは?
今回のユニクロ+Jコラボの盛り上がりからは、話題のコラボ商品を買う側の心理を学べる点もありそうです。
「投機」とは?
「今度のコラボは話題らしい。話題のものを人より早く買い、高値で転売したい」
購入者の中には、ジル・サンダーや服への興味ではなく、話題(情報)だけをつかみ投機目的で動いた方もいると考えられます(お店では転売目的の購入お断り、という告知はしていたのですが…。このような個人は転売とバイヤーを合わせて「転売ヤー」という呼ばれ方も)。
投機とは、短期的な価格変動の目論見から、利益を得ようとする行為のこと。
フリマアプリなどCtoC(個人間取引)がかんたんになる中、商品が投機の対象になる傾向も高まっています。
2020年はマスクなど医療に必要な物資まで投機的に扱われる事案もあり、世間の批判も起きています。
バンドワゴン効果とは?
また「多くの人が支持しているのだからきっとよいものだろう」と考え、「乗るしかない、このビッグウェーブに!」と動いた人の心理も考えられます。
このような現象をバンドワゴン効果といいます。
バンドワゴンとはパレード(行列)の先頭の楽隊が乗る車のこと。勝ち馬に乗るという表現もありますね。
ただ「情報に踊らされている」という見方もある一方、あえて「踊る」、つまりこの祭り状態を楽しんだ方もいたと思うのです。
友達と行列に並んだり、実況したり、やっと手に入れた話題の品を見せ合ったりするのは楽しいものですよね。
2020年、新型コロナ禍での行動制限やイベント中止など、ずっとブルーな気持ちをかかえた私たちには、祭りの火がつきやすいところがあるのかもしれません。
新型コロナ禍の渦中にある今、もの作りとは?情報とは?人の心理とは?いろいろ考えさせられる2020年11月のトピックスでした。
POINT
- コラボとはコラボレーションの略。協力や共同制作の意味
- コラボは話題性・新しいアイディアが生まれるなど社内外にメリットがある
- 話題(情報)が先行・過熱すると投機目的やバンドワゴン効果による購入も
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。