最近目にすることが増えた「レイヤードスタイル」や「レイヤード風」「フェイクレイヤード」といった表現。
何だか懐かしい気もするし、新鮮でもあるレイヤード。
今回は、レイヤードの意味や、1970年代流行した「レイヤードルック」、そして今のレイヤードスタイルについてお届けします。
そもそもレイヤードとは?「レイヤードルック」とは?
レイヤードの意味とは?
レイヤード(layered)は、 layer(名詞で層、動詞で層にする)の過去形/過去分詞で「重なった、層になった、積み重ねた」という意味です。
デザイン系のお仕事の方はレイヤー(層、重ねる)でおなじみかもしれませんね。
レイヤードルックやレイヤードスタイルといえば、重ね着ファッションのことになります。
かつて流行した「レイヤードルック」とは?
ファッションの歴史を見てみましょう。
「レイヤードルック」が流行したのは1960年代末~1970年代。
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スーツやドレスを仕立てて着る時代から、既製服が進展しファッションが大衆化、自由に単品を組み合わせるコーディネートスタイルに移行する時代の流行ともいえます。
日本は昭和40年代~、「子どもの頃の写真がレイヤードルックだった!」「初めて意識したファッション用語がレイヤードルック」という50代の方もいらっしゃるのでは。
剣先(衿先)がとがったシャツやボウタイブラウスにベストや半袖のニットを着て、ボトムはパンタロン。シャツの上に半袖のサファリジャケット。タートルネックにジャンパースカートやチュニック…。
「長袖の上に半袖を着てもいいんだ!」といった新鮮な発見がレイヤードルックの魅力。
どちらかというと、それまでNGとされていたような自由な重ね方をする、サファリやエスニックといった異文化テイストも取り入れる、色柄の面白さや素材のコントラストを重ね着で楽しむ…というのがレイヤードルックのポイントでした。
1970年代に大人気だったアイドル歌手・麻丘めぐみさん。少女たちが憧れたレイヤードルックのスタイリングも。
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現代のレイヤードスタイルとは?
その後、重ね着するスタイリング自体は一般的になりましたが、最近GUなどがキーワードとして使ったりと、再び「レイヤード」表現が増加しています。
いま提案されている「レイヤードスタイル」は、あらかじめブランドが提案する重ね着セットやレイヤード風デザインのフェイクレイヤードも多いのが特徴。
セットアップやアンサンブルに近い考え方のレイヤードセット、コンビネーションセットも増えています。
ニット×シャツのレイヤード
今よく見られるレイヤードスタイルの1つが、「ニット(セーター、ベストetc.)×シャツ」。
ニット(編地)とシャツ生地(布帛)の素材の質感のコントラストで、コーデにメリハリが生まれます。
ニットから出すシャツの面積を変えることで印象も変化。
ニットとシャツのレイヤードセット。インナーはシャツレイヤード風のロンTで、裾だけがシャツ仕様のデザイン。着やすさを重視した「なんちゃってロンT」!
シャツの裾部分だけをニットに付けた「レイヤード風ニット」も人気。レイヤードしているように見せるデザインアイテムは「フェイクレイヤード」と呼ばれる場合もあります。
レイヤードニットの注目アイテムはポンチョ。
中南米の民族衣装が原点ですが、現代的にこなれたニットアイテムが提案されています。かぶるだけのストレスフリーな着心地が今の気分にマッチ。
シャツをニットの中に着て裾出しするスタイルが優勢ですが、逆にニットの上にシャツをレイヤードするスタイルもあり。ビッグシルエットのシャツも着回しできますね。
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ニット×ニットのレイヤード
ワンピースにベストなど、ニット同士のレイヤードセットにも注目です。
リブフレアニットワンピとロングベストのセットはそれぞれ単品でも着回せて重宝しそうですね。
ジャンパースカートでレイヤード
気軽にトライできるジャンパースカートのレイヤードスタイル。
ウエスト回りがカバーできるのも魅力です。タートルネックを合わせるとレトロっぽくまとまりますね。
ジャンパースカートもチュニックに近いデザインなどレトロイメージや、大人っぽく着こなせるタイプが増加しています。
締め付けのないIラインのシルエット、バックはギャザー切り替えという凝ったデザイン。
※ちなみに、改めて調べたら「ジャンパースカート(ジャンスカ)」は和製英語!イギリス英語でプルオーバー(セーター)のことをジャンパーと言うらしく、アメリカではジャンパードレスまたはジャンパーと呼ばれるそうです。
レイヤードを楽しもう!
「レイヤードルック」の歴史を見れば、ルールに縛られず、自由な発想で服を重ね着するのが真のレイヤード(?)かも。
組み合わせ方がわからない…というコーデ迷子の時や、忙しい時は、セットされた商品をうまく活用して。
いっぽう余裕のある日は、手持ちの服をレイヤードでリフレッシュさせたり、ミスマッチかも?と思う組み合わせで意外な発見をしたりすることも気分の活性化に。自分らしい自由なレイヤードスタイルも楽しんでみてくださいね。
POINT
- レイヤードとは「重なった、層になった」という意味
- 1970年代のレイヤードルックは自由なコーディネイトスタイル
- 現代のレイヤードスタイルはあらかじめセットされた提案も。うまく活用&自分らしい楽しみも!
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。