最近注目されているサテン使いのブラウスやワンピース、スカート、パンツなどのアイテム。
「サテンとはどんな素材?意味は?」「シルクとサテンの違いは何?」といった疑問や、「サテンといえばテカテカ、品よく見えないのでは?」と感じる方もいらっしゃるのでは。
サテンの艶(つや)をうまく使って大人っぽく新鮮なサテンコーデを楽しみたい!
今回はエレガントな素材の代表・サテンについての基礎知識と、2020年秋トレンドのサテンコーデにおすすめアイテムのヒントをお届けします
サテンとはどんな生地?そもそも何を指す名前?
サテンは「生地の織り方」の一種!
織物は、タテの糸(経糸)を張ってヨコの糸(緯糸)を通して作ります。この織り方、基本的には3種類あります。
【織物の三原組織】
- 平織り(ひらおり:経糸と緯糸が交互に交差する織り方)
- 綾織り(あやおり:斜文組織、布に斜めの綾目が出る織り方)
- 朱子織り(繻子織り、しゅすおり:経糸または緯糸のどちらかを長く浮かした織り方)
この朱子織りというのがサテンのこと。サテンとは「生地の織り方」の名前なのですね。
高級でデリケートな素材として使われているサテン
サテンという名称は、この織り方が生まれた中国の輸出港(泉州港)にその名が由来するとも言われています。
糸が長く浮き、組織点が少なくなる織りの構造から、なめらかな肌触り・光沢感・ドレープ性のあるしなやかな風合いを表現できるサテン。
一方、平織などと比べて強度は強くなくデリケートな素材と言えます。
高級感がありエレガントなサテンの生地は、ドレスやブラウス、ランジェリー、またスカーフや裏地などに多く用いられてきました。
サテン=テカテカ?生地の種類はひとつじゃない?
サテンと呼ばれる生地の種類はひとつではない
サテンとは織り方の名前。
一方、シルクは絹、糸の原料の名前。蚕の繭を原料にした繊維です。
シルクの糸で朱子織りにした生地であればシルクサテンというわけです。
サテンの原料(組成)はシルク、ポリエステル、キュプラ、アセテート…いろいろあります。綿サテンもあります。
さらに、糸のタイプ、織り方の変化や仕上げ方、後加工などによって数多くの素材バリエーションが生まれます。
商品説明に「素材はサテン」と書いてあっても、ブランドやアイテムによって異なるテキスタイルである場合も多いということですね。
サテン=テカテカと感じる理由は?
「サテンといえばテカテカ(光沢が強い)」と感じる方もいらっしゃるのでは。
これは多くの方が、文化祭や発表会などで、街の生地屋さんにサテンの生地を買いに行った経験があるからかもしれません。
生地屋さんでは、発表の場で「舞台映え」するための光沢が強く張り感のあるサテンを多く取り扱っています。
今の一般的なアパレルのブラウスやワンピース、ボトムに使われるサテンは、そこまでテカテカな光沢ではなく、ほどよく品のある光沢をもつサテン、ヴィンテージ感の出る加工など表情をつけたサテンが使われていることも多いのです。
光沢の度合いや質感もそれぞれですので、お好みで選んでくださいね。
※ただし、ネットショッピングでサテンの光沢感や風合いをはっきり確認するのは難しい場合もありますよね。
「現物は想像より光沢が強かったら?」などが気になる場合は、返品可能なサイトを利用してみて。
2020秋、サテン使いでコーデを新鮮に!おすすめアイテム
ドレスや衣装といった印象もあるサテンですが、この秋は、デイリーにも着回しできるスタンダードなアイテムにサテンを採用して新鮮さをプラスする提案が注目されています。
2020-2021秋冬トレンドである、エレガントでレディライク(貴婦人らしい)な雰囲気をサテンの素材感で演出してみては?
エレガントなムードをプラスするサテンブラウスやワンピース
品のよいブラウスが1点あると、さまざまなオケージョンにも役立ちそう。
上品なサテンの光沢、衿回りと袖口にギャザーを寄せたブラウスでリュクスな雰囲気に。
ヴィンテージ感のあるサテンで仕立てられたバンドカラーのシャツワンピース。
羽織にもなる前開きタイプは着回しアイディアも広がりそう!
パンツにロングスカート…ボトムをサテンにすると気分も新鮮に!
お馴染みのカーゴパンツもサテン生地で新鮮に大人っぽく!
ほどよくリラクシーなムードが今の気分にマッチ。
人気が続くプリーツスカートも素材感でリフレッシュ。サテンにチンツ加工でさらに艶出し、フェイクレザーのような質感に見せる手法。
シルエットが美しいサテンのマーメイドスカート。毛足のあるニットなど、素材感のコントラストを出した異素材ミックスコーデがおすすめ。
この秋注目のサテンコーデ、チャレンジしてみてくださいね。
POINT
- サテンとは「朱子織り」という織り方を指す名前
- サテンの原料・種類はひとつではなく幅広い。光沢の度合いは好みで選んで
- お馴染みアイテムも、生地をサテンにすることで新鮮に!
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。