高貴な色といえば紫。
古代ローマや、飛鳥時代には紫の染料は希少であったことから、身分の高い者が身につけるにふさわしいとして紫は尊ばれてきました。
また、代表的な紫の宝石アメシストも、サファイアやルビーよりも特別だとされている時代もあったのです。
今回は色石シリーズ第七弾!
アメシストにタンザナイト、ネフライトにスギライトなど、紫の宝石の魅力をお届けします。
透明な紫の宝石
アメシスト
紫の宝石といえば「アメシスト」。
インクルージョンも少なく、大きなカット石をリーズナブルに楽しめる2月の誕生石。
シトリンとのバイカラーである「アメトリン」も人気があります。
淡いすみれ色から深みのあるワインのような色まで、幅広い紫色を有するのが特徴。
タンザナイト
ブルー系の宝石でもご紹介した「タンザナイト」。
パープル味を帯びたものは、他の宝石にはない幻想的な色味に思わず見入ってしまうほど。
ターコイズ、ラピスラズリに加えて、12月の誕生石とされることもあります。
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ヴァイオレット・サファイア
紫の宝石のなかでも高価な「ヴァイオレット・サファイア」。
青みの強い紫から赤みがかった紫までみることができます。
バイオレット・スピネル
スピネルは赤以外にも、青や橙、そして紫まで幅広い色をもつ宝石。
紫色のスピネルは「バイオレット・スピネル」とも呼ばれ、灰色がかった紫からピンクよりの華やかな紫までを堪能できます。
フローライト
原石の美しさもさることながら、縞目が美しい「フローライト」。
透明度の高い紫や、ミルキーな色味まで多様な紫をみることができます。
硬度が低く、劈開をもつため、ジュエリーとして仕立てられる数はほかの宝石と比べて少ない宝石。
半透明〜不透明な紫の宝石
ハックマナイト
ソーダライトの変種であり、紫外線を浴びると色が変化する不思議な宝石「ハックマナイト」。
紫外線を浴びない状態では白っぽい紫で、浴びると青紫から濃い鮮やかな色味に変化。
一定の時間色を保った後、時間が経てば元の色に戻る性質をもっています。
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スギライト
1944年の日本で、杉健一氏により発見された新しい宝石「スギライト」。
日本で発見されたものはうぐいす色でしたが、紫色のものが有名。
不透明から半透明、模様の入ったものなどバリエーション豊か。
チャロアイト
「チャロアイト」は、油彩画のような白と紫が混ざり合ったマーブル模様が特徴の宝石。
模様がはっきりとしたものが人気が高い傾向にあります。
ロシアのサハ共和国でのみ産出。
ラベンダー・ジェード
日本では「ラベンダー翡翠」の名称で知られています。
翡翠といえば緑のイメージですが、アメリカでは紫の方が好まれており、日本でも徐々に支持を集めている宝石です。
おもな産地はミャンマーで、日本の糸魚川でもわずかに産出。
パープル・カルセドニー
内側からにじむような優しい色合いの「パープル・カルセドニー」。
霧がかかったような柔らかい紫は、カボションカットやビーズでゼリーのようなツヤ感も感じられます。
また、近年発見された新種の「グレープ・カルセドニー」は、球状の結晶が連なった形状とその色味がまるでぶどうの房のよう。
POINT
- 歴史的にも新しい宝石が多い紫の宝石
- 長く付き合うジュエリーは色の美しさだけでなく、硬度や劈開性も確認を
- 紫の色が濃すぎると、黒っぽい宝石に見えてしまうこともあるので注意
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。