色のなかでも、エネルギッシュなイメージやインパクトをもつ「赤」。
赤い宝石といえば思い浮かべるものはルビーやガーネットですが、ほかにも美しい赤色の宝石があります。
今回は色石シリーズ第四弾!
王道のルビーから、キュートなストロベリー・クオーツ。
そして、力強い輝きのレッド・ジルコンまで、赤い宝石の魅力を余すことなくお届けします。
代表的な赤い宝石
ルビー
赤い宝石といえば、きっとほとんどの人が思い浮かべる「ルビー」。
7月の誕生石です。
コランダムのうち、クロムという不純物が入ることで赤色を発色します。
透明度があり、少し青みがかった真紅色のものは「ピジョン・ブラッド」と呼ばれる最高級品。
参考記事:【宝石の種類】ルビー:意味と誕生月、ピジョン・ブラッドとは?
アルマディン・ガーネット
赤い宝石で、もうひとつ有名なものが「ガーネット」。
じつは単一の鉱物ではなく、16種の鉱物の総称なのです。
赤みにもバリエーションがあり、深い赤で紫っぽさを感じるものは「アルマディン」と呼ばれています。
パイロープ・ガーネット
燃え盛る赤色を示す「パイロープ」。
ルビーに似た色味のものは「アリゾナルビー」や「ケープルビー」というフォルスネームがつけられています。
ヘソナイト・ガーネット
「流紋」のようなインクルージョンを持ち、赤茶色から橙、黄色までを発色する「ヘソナイト・ガーネット」。
赤に近いほど高価とされています。
参考記事:【宝石の種類】ガーネット:意味と誕生月、パイロープやツァボライトとは
レッド・スピネル
古来からルビーと間違われてきた「レッド・スピネル」。
そのため歴史のなかでルビーとされていた宝石が、実際にはスピネルだったということも少なくありません。
ダイヤモンドと同じく八面体の結晶で産出することが多いことから、和名は「尖晶石」。
屈折率が高く、力強いはっきりとした輝きと色味が人気。
サードオニキス
クオーツの変種であり、縞目が特徴的な「サードオニキス」。
赤と白のコントラストが美しく、ビーズやカボションカットでその縞目を楽しむのが一般的。
カーネリアン
サードオニキスの縞目がないものを「カーネリアン」と呼び、赤から橙までを発色します。
艶のある赤が印象的ですが、着色されたものが多く出回っているため、購入時には確認が必要。
コーラル(珊瑚)
鉱物ではなく、パールやアンバーと同じく有機物からできた「コーラル」。
白やピンクもありますが、色味が均一で赤色のコーラルは「血赤」と呼ばれ、とても希少。
鉱物とは異なる発色もコーラルの魅力です。
参考記事:【宝石の種類】珊瑚:意味と誕生月、本珊瑚と石珊瑚の違いは?
ストロベリー・クオーツ
透明なクオーツのなかに、赤色のインクルージョンが入った可愛らしい外観が人気の「ストロベリー・クオーツ」。
ゲーサイト・インクルージョンが入ったものと、レピドクロサイト・インクルージョンが入ったものとで分けることができます。
レッド・ジャスパー
赤褐色の色合いがレトロな印象を受ける「レッド・ジャスパー」。
半透明なので、色の強さをより実感でき、ビーズに加工されたものはブレスレットとして直接肌にのせて楽しむのがおすすめ。
模様によって雰囲気も変わるのが特徴的。
希少な赤い宝石
レッド・ジルコン
黒っぽさを感じる深い赤みが、ガーネットのような印象を受ける「レッド・ジルコン」。
透明度の高いものは、ジルコンならではの屈折率の高さも魅力のひとつです。
レッド・トルマリン
「ルベライト」とも称される「レッド・トルマリン」。
クランベリー色や、ルビーと同じ「ピジョン・ブラッド」色が高品質。
インクルージョンを含むことが多い宝石です。
レッド・ジェダイト
緑のイメージがある「翡翠(ヒスイ)」ですが、中国語では「翡色は赤」を、「翠色は緑」を指すように、赤い翡翠もあります。
ほかには黄や紫がありますが、赤で透明度の高いものはとても希少。
レッド・アンバー
第三紀始新世の松の樹液が化石化したアンバーには、「レッド・アンバー」というこっくりとした赤色も存在します。
天然での産出はほとんどなく、加熱処理で赤色にされることの多い宝石。
レッド・ダイヤモンド
産出量が少ないと言われているピンク・ダイヤモンド。
ピンクよりも濃い赤の「レッド・ダイヤモンド」はさらに希少とされ、一般には出回ることのない希少な宝石です。
どのファンシーカラーダイヤモンドよりも高価で、世界に数えるほどしかカット石が出回っていません。
その色味とダイヤならではの輝きがあいまって、特別な趣を感じる宝石。
POINT
- 赤色の宝石は希少とされる宝石も多い
- ガーネットは単一の鉱物ではなく、赤色も豊富
- 天然宝石をお求めの場合には、事前に必ず確認をとること
赤色以外の宝石の記事もぜひご覧くださいね。
- 華やかな宝石がお好きなら【ピンクの宝石】
- 爽やかな宝石に魅せられたいなら【青の宝石】
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。