2019年2月20日(水)~22日(金)、五反田TOCで「rooms EXPERIENCE 38」(主催:アッシュ・ペー・フランス株式会社)が開催されました。
新進クリエイターの意欲的な商材が一堂に揃う賑やかな展示会、アートとビジネスのワクワクするエッジ。
今回はジュエリーやアクセサリーのブースを中心に、その一端をご紹介します!
rooms EXPERIENCEとは?
rooms EXPERIENCEは、ファッション、ファッション雑貨、ジュエリー、プロダクト、アート、フード等の出展アイテムがあり、クリエイターに支持され続けてきた国内最大級のキュレーションイベント。
2000年にスタート以来、年に2回の展示会を経て、今回が38回目です。来場動員数は約2万人。
クリエイターの世界観を「部屋=room」と捉え、その集合体としての合同展示会が「rooms」。新たな才能に出会えるプラットフォームとしての役割を担ってきました。
展示商談だけではない発信の場として存在感を築き、近年は一般(BtoC)の来場・ショッピングも可能とするなど新しい試みにチャレンジしています。
今回はさらにカテゴリー分けから変更され、顧客視点の時代感ある4つのカテゴライズで構成されていました。
アッシュ・ペー・フランスの蒐集展から始まり、クリエイティブな展示の数々、カフェやイベントまで…「クリエイションの未来」を育てたいという意欲にあふれた創造的空間はインパクトに満ちていました!
印象的なメインビジュアルは、デザイナー池澤樹さんの作品。
1.NEW LUXULY
装飾美術館
主催・アッシュ・ぺー・フランスプロデュースのエリア。
「私たちアッシュ・ぺー・フランスはクリエイションが人を豊かにすると信じています」というメッセージが大きく掲げられた空間。改めて主催側のコンセプトと存在感を示したコーナーです。
「装飾美術館」と題し、メインビジュアルを手掛けたエディ・ドゥビアンの原画や永遠の名作展、JACQUES LE CORREのLISBON(バッグ)コレクションなど、ファッション・アート・インテリアといった暮らしの装飾品を集めた架空の美術館を出現させていました。
2.FASHION IS FUN
ファッション、服飾雑貨、ジュエリーを中心に品揃えしたメインエリアです。
全国から気鋭のクリエイターが集まっており、お祭りのような活況でした。全てを取り上げられず本当に申し訳ないのですが、今回はジュエリーやアクセサリーのコーナーから一部のブランドをご紹介します。
bIRTHRE(バースレ)
自分がつけたいものを模索した結果だそう。アート&アクセサリーという位置付けで、シンプルで存在感のあるバングルやリングが並びます。メンズ中心に人気のブランドですが、女性もぜひと。札幌より出展。
Amitie CREDIR(アミティエ クレディール)
自由な発想で制作される独特のパーツ使い。ボリューム感のある大ぶりなデザインは少し80年代ヴィンテージ風にも見えて個性的で惹きつけられます。京都ブランドらしく、西陣織とのコラボレーションも(中央のブレスレットの一部に西陣織を使用しています)。
MYACALE JEWELRY (ミャカレ ジュエリー)
一点ずつ石を仕入れ、形や表情をひとつひとつ見てデザインされる繊細でレトロな味わいのジュエリーは、みんな違ってみんないい。貴石だけでなく鉱物っぽい味のある石使いのリングも人気だそうです。
Pahi AMULET(パヒ アミュレット)
インドの職人の手仕事による美しいジュエリー、Pahi AMULET(パヒ アミュレット)
ヨガの修行で訪れたインドに刺激を受けたデザイナーが立ち上げたブランド。御護りの意味が込められたジュエリーはエスニックとモダンのバランスが良く、フェミニンな甘さも感じます。アートブックも素敵。
さて筆者がジュエリー・アクセサリーの応用編として気になったのが「ヘッドドレス」と「花」。
生き生きとした新しい時代のエレガンスのヒントに、ちょっとだけご紹介。
かたや新進の女性起業家、かたや熟練のフラワーデザイナー、このような方々が一堂に集うのもrooms EXPERIENCEの妙味ですね。
mimoki(ミモキ)/ルゥルゥ商會
美しい!思わず目を奪われたヘッドドレス。
ベルギー王室御用達の「
mimoki」というスペインのブランドです。
結婚式などはもちろん、このようなエレガンス感はみんな心の中で求めていそう。
パリ発の新定番アクセサリーby 164 PARISや日本の伝統技術を生かしたブランドiT YUCASiも展示されていました。
プロデュースしているのは京都を拠点に活躍するパワフルなインポーター&コミュニケーションデザイン企業・
ルゥルゥ商會。
花音(かのん)
生花をメインに、テレビ番組・CMなどのメディアやイベントの装飾企画・制作を行う
花音(かのん)。
装花、生け花もアートでありクリエイションですよね。
業界で優れたキャリアを持つ代表のフラワーアーティスト松井達彦氏が、自ら生け花のパフォーマンス!
最近、生花をファッションに取り入れるスタイリングを見たばかりだったこともあって心惹かれました。
楽しいライブ感と自由で生命力のある装飾性…花とクリエイションの未来、可能性を感じます。
3.CULTURE & CONCEPT
カルチャー&コンセプトのカテゴリは「クリエイティブで社会問題の解決を目指す」エシカルと「アイディアでものづくりの継続を図る」Made in.のエリアに分かれていました。
特に気になったのはエシカルエリア。
rooms EXPERIENCEではSDGs(持続可能な開発目標)の普及に向け、今まで以上に「エシカル」に力を入れていくそうです。
エシカルとは「倫理的・道徳的」という意味を持ち、環境や社会に配慮する生産、消費、行動のこと。
「2019年は筋を通すことが大事」という話を
2019年トレンドの記事に書いたのですが、その通りの方向性が具現化されてきていますね。
R ethical(アール エシカル)
フェアマインド認証ゴールドを用いたり、国際NGOとのコラボレーションで伝統や環境をサポートしています。上質でミニマム&エレガンスなジュエリーデザインも素敵です。
Venka&Vinka
この黒い烏の羽根のようなパーツ、素材はなんと自転車のタイヤインナーチューブのリサイクル!
斬新なアイディア、ロマンチック&ロックなテイストが印象的です。木製パールを合わせるところは北欧らしいですね。
4. アート感のある暮らし
インテリア、プロダクト、アートを中心とした品揃え。今回から新設されました。
服飾や雑貨を超えて、人々が心動かすクリエイションとは何なのか、それをどうビジネスに結び付けるのか。
tagboatのギャラリーなどから、アートマーケット拡大への意欲を感じました。
おまけ:産学共同コーナー
時間がなくファッション(アパレル)は今回は取り上げなかったのですが…。
産学共同コーナー。筆者は昔このような取り組みに素材をご提供する側の企業におりましたので、懐かしかったです。
国内でのものづくりの復興など、産地・企業・学生のチームはもっといろいろなことができそうですよね!
他にも現場で創作するファッション、YKKの新作ファスナー、畳屋さん、起き上がり小法師、おはぎなど(書き出しただけでカオス)気になるものがいっぱい…そして全体に、次世代の売場創造に結び付けようという意欲が感じられました。アートとビジネスの最前線ともいえるクリエイションの豊かさに刺激を受けた展示会でした。
次回「rooms EXPERIENCE 39」は2019年9月4日(水)~6日(金)に開催されます。
https://www.roomsroom.com/
POINT
- クリエイションの未来にワクワク!魅力的な展示会rooms EXPERIENCE
- 新進クリエイターの意欲的な商材が一堂に
- より顧客視点、売場創造視点に。エシカルは重要なキーワード
※本取材は、主催広報及び出展企業に取材・撮影許可をいただいております。(ヒカリモノガタリ編集部)
マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。