大人になればなるほど、トレンドを追いかけるよりも気に入ったものを長く身につける方が落ち着く…そんなことはないですか?
洋服なら少しずつ新しいものに入れ替えるとしても、こと「メイク」となると、もう何年も同じ手順・同じカラーを使っている人も少なくないかも。
もちろん、いつもいつも流行に合わせる必要はありません。
しかし先日、筆者が大学生の娘と出かけたとき「お母さん、なんか異様に眉毛が濃くない?」と言われたのをきっかけに、よくよく女性誌やメディアを見てみると、たしかにモデルさんの眉は私よりずっと淡いカラーで描かれています。
「私のメイクって数年前で止まっているのかも…?」
一度気になり出すと、眉だけでなくアイメイクやリップにいたるまで果たしてこれでいいのかと疑問が湧き、思い立って久しぶりにメイクレッスンを受けてみることにしました!
レッスンテーマは「今の気分に合わせて大人メイクを更新」
今回メイクレッスンに訪れたのは、京都にある「TAKUMI JUN Make-up Salon」。
アーティスト・クラシック音楽家のポートフォリオから成人式・ウエディングまで幅広くヘアメイクと撮影を手掛けているスタジオです。
レッスンはお任せコースもありますが、希望を伝えれば内容をカスタマイズもしてもらえます。今回の担当は店長の村瀬さん(画面中央)。

私の場合は、在宅ワークが多く最近のメイクが分からないため、大人に似合う今風のメイク方法と仕上がりを更新したいことを伝え、顔に合わせたメイク方法と化粧品選びを教えてもらいました。
レッスンではその人の好みや顔立ちに合わせた色々なテクニックを教えてもらえますが、本記事ではその中でも特に「そうだったのか…!」と目からウロコだった3つのポイントを紹介します。
アップデート1:ファンデーションは塗らない
まずはベースから。
私は日頃はBBクリーム(日焼け止め・美容液・カバーを兼ねたクリーム)だけで済ませていて「手抜きかな…きちんとファンデーション塗らなきゃ…」と思っていたのですが。
なんと、今の主流は「ファンデーションは顔全体には塗らず、メイクアップベースだけ」なのだそうです!
メイクアップベースとは、日焼け止めや軽いカバー力のある下地クリームのこと。ピンク系の明るいカラーがおすすめで、価格にかかわらず白浮きしないものを試して選ぶと良いそうです。

とはいえ、さすがに大人の肌はこれで完了というわけにはいかず、シミや赤みのある部分にはリキッドファンデーションやコンシーラーを丸いブラシでポンポンと置いてカバーします。

その後スポンジでパッティング→フェイスパウダーをブラシでふわっと乗せるという一手間をかけると、自然なツヤのある肌に仕上がります。
以前は下地+ファンデーション+コンシーラーの三段階だったのが、一段階減っていることにまず驚きました。
アップデート2:目力は控えめ。ピンクやオレンジの淡いアイメイク
続いて、特に時代が止まってしまいがちなのが目元です。
筆者の場合、しっかり黒く太い眉・茶系のグラデーションのアイシャドウ・黒のリキッドアイラインというダーク系のメイクを数年間続けていました。
もちろん、それが好きな人は何年経とうが続けても全く構わないと思います。2023年に訪れたハワイでも、ローカルの女性たちは真っ黒な太いアイラインにバサバサのつけまつげと、各自好きなメイクを楽しんでいるのが素敵でした。
でも、今は自分が新鮮なメイクを楽しみたい気分です。そこでおすすめのカラーを聞いてみたところ、
「目元はピンクやオレンジ系の肌なじみが良く明るいカラーで仕上げるのがトレンドです」
と村瀬さん。

まずはピンクやオレンジ系の肌に近いカラー(1色でも混ぜ合わせても)を、上下のまぶたにブラシや指で塗り、目尻だけ少し濃いカラーを小さめのブラシで乗せます。
アイラインは上まぶたの目尻側のみ、リキッドで軽く入れる程度。
迷子になりがちな「眉」は、ペンシルで薄い部分を描いたあと、濃すぎないアイブロウパウダーを毛の中に入れ込むように描いてから、全体をスクリューブラシなどでぼかします。毛流れが下がってきてしまう場合は眉マスカラで整えても。
こうして見ると、手は掛けていても「いかにもメイクしました!」というハッキリクッキリとした色やラインはほとんど使われていないことが分かります。
アップデート3:大人も涙袋が作れる
そして今回、もっとも衝撃的だったのが、若い世代だけのテクニックだと思っていた「涙袋(なみだぶくろ)」が、大人女性でも作れるという事実です。
村瀬さんによると、10代・20代に流行の涙袋は、キラキラの大粒ラメが入ったアイカラーで下まぶたの盛り上がりを作っているのですが、大人女性が同じようにすると崩れやすく浮いてしまうとのこと。
そこで、
①まぶたに塗ったのと同じ肌なじみの良いアイカラーで黒目の下5mmの位置に水平ラインを引き、両端を舟形に上げて描く
②ラインの内側に、コンシーラーを少しずつなじませながら埋める
③コンシーラーの上に小さいブラシでマットな白~ベージュの明るいアイカラーを重ねる
こうすることで、ナチュラルな涙袋が生まれます。
下まぶたに自然なぷっくり感が出ているのが分かるでしょうか…!?
鏡を見て「そういえば、若い頃ってこんな目元だったな」と久しぶりに昔の自分の顔に出会った気分でした。
目元や鼻頭などに自然なツヤ感があるのも、軽さのあるベース作りの賜物です。
こうして最新のメイクを習うと新鮮な気分になれるだけでなく、毎日の仕事やお出かけの時もずっとそのテクニックが使えて実はとてもお得。
これから春に向けてメイクや化粧品を変えてみようかな……とお考えの方も、ぜひ参考にして下さいね。
POINT
- トーンアップベース+部分的なカバーで、透明感とツヤのある肌づくり
- アイメイクは肌なじみの良いピンクやオレンジなどの薄いカラーで仕上げ
- アイカラーとコンシーラーで「大人の涙袋」が作れる
<取材協力>
TAKUMI JUN Make-up Salon 京都サロン
〒604-8151 京都府京都市中京区橋弁慶町234 ゆたかビル7F(阪急烏丸駅/地下鉄四条駅より徒歩5分)
TEL:075-212-2672
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フリーライター。新聞社や大手通販サイトにてファッション・ライフスタイル系記事を執筆中。幅広い世代の流行やトレンドから、自分を含めた大人女性が毎日のファッションにリアルに取り入れられるアイテムや着こなしのヒントを厳選してお届けします!