ジュエリーが好きだから、ジュエリーを仕事にしたい。
身近なところでいえば「販売員」を思い浮かべるかと思いますが、ジュエリー業界において欠かせない職種はほかにもたくさんあります。
「デザイナー」や「ジュエリー職人」といったクリエイティブ職から、「プランナー」「営業」など。
ジュエリー業界でお仕事をしたいとお考えの方に、就職や転職のヒントとなる記事をお届けします。
前編となる今回は、ジュエリー業界における代表的な10の職種をご紹介。
職業・職種という視点から、あると嬉しい資格も記載しています。
企業により異なる場合もあり、また必須ではない場合もあるため、参考程度にチェックしてみてくださいね。
ジュエリー関係の職業、4つの分類と10の職種
ジュエリー業界の職種は、大まかに4つに分類できます。
おもにクリエイティブ職に技術職、販売・営業職とその他の職種に分けられます。
企業によっては職種を跨ぐこともありますが、ここではそれぞれの職種を簡単に紹介していきますね。
クリエイティブ職
創造性やアイデアを「カタチ」として作り上げていくことが求められる「クリエイティブ職」。
ジュエリー業界におけるおもなクリエイティブ職は3つ。
- ジュエリーデザイナー
宝石や貴金属を用いて、ジュエリーのデザインを行うのが「ジュエリーデザイナー」です。
デザインセンスだけではなく、市場トレンドに敏感であり、顧客の要望を汲むといった能力が求められます。
あると良い資格:色彩検定
- ジュエリー職人(クラフツマン)
デザインに基づいて、実際にジュエリーを制作するのが「ジュエリー職人(クラフツマン)」。
金属加工や石留め、仕上げなどさまざまな工程があり、一人ですべての工程を担当することもあれば、工程ごとに担当が割り振られる分業制をとっているメーカーもあります。
あると良い資格:貴金属装身具製作技能士など
- プランナー(商品企画職)
新商品の企画・開発を担当し、市場のニーズやトレンドに合わせた商品を提案するのが「プランナー(商品企画職)」。
デザイナーをはじめとした複数の職種と連携し、価格設定なども考慮した商品を企画するため高いコミュニケーション力が求められます。
混同されがちなマーケターとの違いは、プランナーは「商品の企画・開発段階」に焦点をあてた職種ということ。商品を生み出すプロセスに深く携わっています。
対して後ほど取り上げるマーケターは、「商品の販売促進」。
できた商品をどう売っていくかという販売戦略に焦点をあてています。
技術職
高度な技術力と専門知識が求められる「技術職」。
クリエイティブな作業も行いますが、ここでの「技術職」は、精密な作業を専門的な機器を用いて行うことに焦点をあててご紹介します。
ジュエリー業界におけるおもな技術職は3つ。
- CADオペレーター
CADソフトを用いてジュエリーの設計を行う「CADオペレーター」。
技術的な能力の高さが求められますが、デザイナーと連携して商品の詳細な設計を行う必要があるため、クリエイティブな面も強い職種です。
あると良い資格:CAD利用技術者試験、JCAD資格など
- 宝石鑑定士
宝石の品質や価値の評価を行う「宝石鑑定士」。
観察眼と宝石に関する科学的な知見、また鑑定のために精密機器を扱う必要があるため、専門機関での教育が必須となります。
あると良い資格:米国宝石学会(GIA)のG.G.、英国宝石学協会(Gem-A)のFGAなど
- ECサイト運営職
オンラインショップの運営に携わる「ECサイト運営職」。
ECサイト全般の管理業務を行うため、Webマーケティングの知識やECサイト運営の経験が必要です。
他業種での経験を活かしやすいのもこの職種の特徴です。
後述の販売・営業職やマーケターとの連携も重要。
あると良い資格:Webデザイン技能士、マーケティング・ビジネス実務検定など
販売・営業職
生み出されたジュエリーをお客様へとつなぐ「販売職」と、そのジュエリーを販売するために企業や小売店に営業を行う「営業職」。
他の業界にもある職種のため、比較的イメージがつきやすいかと思いますが、簡単にご紹介しますね。
- 販売職
おもに店舗で顧客にジュエリーの提案・販売を行う「販売員」。
顧客と対面での接触が多く、対応力のほかにジュエリーや宝石に関する基礎知識が必要です。
ブランド直営店のほか、百貨店、アウトレットモールなど、さまざまな勤務場所があります。
あると良い資格:販売士、接客サービスマナー検定、ジュエリーコーディネーター検定など
- 営業職(法人向け営業)
おもに企業や小売店を対象に、商品を販売するための営業活動を行う「営業職」。
営業力、顧客対応力、交渉力が求められ、それに加えてジュエリーへの知見も必要となります。
他の職種と比べると、販売職とともにジュエリー業界経験がなくとも採用されやすい職種です。
あると良い資格:ビジネス実務マナー検定など
その他の職種
上記で取り上げた以外にもさまざまな職種がありますが、ここでは「バイヤー」と「マーケター」についてご紹介しますね。
- バイヤー
ジュエリーや宝石の仕入れを行う「バイヤー」。
バイヤーには大きく2種類、ジュエリーのバイヤーと宝石のバイヤーに分けられます。
市場調査能力のほか、交渉スキルにジュエリーの知識が必須。
海外より仕入れを行うこともあり、語学力を活かすこともできます。
あると良い資格:TOEICや英検などの語学系資格など
- マーケター
ブランドと商品のプロモーション戦略を策定し、販売促進を図る「マーケター」。
広告キャンペーンやSNSでのマーケティング、ブランドイメージの向上に貢献します。
あると良い資格:マーケティング・ビジネス実務検定、ネットマーケティング検定など
POINT
- ジュエリー業界の職種は「クリエイティブ職」「技術職」「販売・営業職」「その他の職種」と大まかに4種類
- 企業によっては職種を跨ぐこともあるため、受けたい企業の募集職種は要チェック
- 経験・資格は必須ではないため、参考程度に
次回、後編では「ジュエリー関係のお仕事をしたい人に向けた学校選びのヒント」をお届けします。お楽しみに。
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。