2024春夏(SS)のファッショントレンドは?
コロナ禍明けから、揺れ動く世界情勢や経済、夏の長期化&暖冬など、さまざまな要因が影響しているファッションの世界。
タイムレス&シーズンレス志向の中、定番がアップデート、スタイリング提案がより重要に?シアー素材人気は拡大?
レディスを中心に2024年春夏(SS)シーズンのファッショントレンドのポイントをお届けします。
2024年春夏(SS)は定番を新解釈でアップデート!
「まさか」の時代?原点回帰とアップデート
世界の政治経済情勢やAIの台頭など、社会全体が大きく動いている現代。2024年、日本では能登半島地震など衝撃の年明けとなりました。
今後も、米国の大統領選挙を始めさまざまな政治経済の変動から、日々に直結する仕事のやり方まで、時にはこれまでの当たり前が覆るような「まさか」の時代になっていくかもしれません⁈
揺れ動く時代こそ、基本に立ち返り本筋を見直して。ファッションもまた原点に回帰し、定番をアップデート。リフレッシュされたファッションのパワーへの期待も高まっています。
定番の新解釈。「クワイエットラグジュアリー」とは
コロナ禍からの、日常の大切さを重視する傾向。また環境問題や、モノ作りのプロセスの見直し。
さまざまなソーシャルトレンドから、長く着られるスローファッション、タイムレスなエレガントムード、スタンダードやユーティリティ志向の流れが拡大しています。
特に日本は 1)団塊ジュニア世代も50代になり大人世代が主流に 2)気候の変化からより長い時期着られるシーズンレス志向に といった要因も見逃せませんね。
環境に対応した新時代の素材も開発されつつある一方、デザインは「定番の新解釈」ともいえるエレガントさをリフレッシュしたムードが進展。
ファッション業界では「クワイエット・ラグジュアリー」というキーワードが話題に。
多くのハイブランドが原点回帰し、美しい服作りのクリエイションという本質を見直した独自の上質感を志向しています。
シンプルで洗練されたバッグが「クワイエット・ラグジュアリー」の代表格としてあげられる、THE ROW(ザ ロウ)。アートを感じる服作りも潔い美しさ。
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GUCCI(グッチ)も新しいクリエイティブディレクター、サバト・デ・サルノのもと、よりミニマルで洗練されたイメージに。
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歴史をたどる展覧会も大人気だったDior(ディオール)は、2024SSもクラシックなアイコニックスタイルの新解釈にチャレンジ。
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ブランドのオリジンを大切にし、仕立ての良さやクラフツマンシップを再評価しつつ、これからの時代にアップデートしていこうという意欲が加速しています。
エッセンシャル(本質的)でエレガントなフォルムを追求しながら、ひねりのあるデザインや素材使い、スタイリングの面白さを楽しむのが2024春夏シーズンのカギとなりそう。
過去の定番ともいえる古着やユーティリティアイテム、スポーツユニフォームなどを組み合わせて定番の独自の解釈を楽しむ“ニュートロ”ファッション、後述の“ブロケットコア”も注目されています。
フォルムを意識・シアーレイヤードを楽しむ・シーン設定を重視
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スタイルのトレンドとしては、ウエストマークしたエレガントなフォルムのルックか、90年代ミニマル感のあるロング&リーンなスタイルに注目。
上半身を重めでボリューミーだったりボクシーにして、インや下半身は軽やかさや動きを出すスタイリングが増加しそう。
「軽やかさ」の演出として、シアー素材を取り入れたレイヤードのテクニックはますます浸透。
長く着られるシーズンレスなアイテムが求められる点からも、シフトコーデやスタイリング提案が重要に。
ビジネスやオケージョンの装いもアップデートされていきそうなので、シーン設定や具体的な行動イメージに合わせたスタイリングが新たに注目されそう!
2024春夏トレンド、注目カラー・素材・アイテムのポイントは?
COLOR──カラー
コロナ禍明けの様相からジョイフルなカラーが提案された2023年春夏。
2024年春夏もきれいな色は人気ですが、少し優しく穏やかなカラーに。ペールトーンやシャーベットカラーなど。クリーンなモノトーンや上質なベージュ系もエッセンシャルカラーとして主流。
色ではピーチ(オレンジベージュ~ピンク)とブルー系が2024年の「今年の色」として注目。
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インパクトカラーとしてはレッド(クラシックな深みのある赤やスポーツムードのクリアレッド)とグリーン(ケリーグリーン、ミントグリーンやネオングリーン)の提案も。シンプルで洗練されたモノトーンの差し色にも映えそう。
MATERIAL──素材
エレガント志向とユーティリティ志向の流れをベースに、ツイード、デニムなどの素材とシアー素材やシャカシャカ、光沢など軽やかでインパクトのある素材が共に人気となりそうです。
- シアー素材
オーガンジーやチュール、シアーニット、レースやクロシェなどのシアー素材はますます人気拡大。
アイテムが拡大し、レイヤードで下のアイテムの色を見せるといったスタイリングが楽しめそう。
トレンチコートもチュールラッフルで新鮮に!
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- ツイード
上質でエレガントな雰囲気をプラスできる素材感として継続人気。
- ドレープ素材
こちらもエレガントなイメージを高める、ドレープ感の強い素材。シルクやポリエステルなど。
- シャカシャカ素材、ツヤツヤ素材
デニムなどワーク由来のユーティリティムードは継続的に人気ですが、パラシュートクロスのようなシャカシャカ生地、サテンのような光沢感のある素材を取り入れると新鮮に。
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- 柄
タイムレスなスタンダード志向から、定番のストライプやボーダーが懐かしく新しい人気。プレイフルなカラーを選んでアクセントに使ってみて。
シアー感とも通じるレースの模様や、壁紙調の大きな花柄、水彩画調グラデーションなどエレガントな表情の柄にも注目です。
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ITEM&STYLE──注目アイテム&スタイル
- オケージョンスタイル(オフィス、セレモニー…)
働き方の変化と定番のアップデートの流れから、ビジネスシーンや卒業入学時などの「おしゃれ着」も刷新されていきそう。
単品でも使えるエレガントなセットアップやデザインジャケット、ボリューミーなブラウスなど。
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- フォルムトップス
ボリューム袖やボウタイブラウスの人気は拡大。さらに立体的な袖やペプラムのニットトップスも増加して、トップスのフォルムを楽しめるシーズンに。
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- ジャンプスーツ
キャミワンピ、ジャンパースカートといった「上下ひとつながりのアイテム」人気が拡大中。
ユーティリティムードの人気から、ジャンプスーツ(オールインワン)などワンピースのズボンタイプにも注目。サンローランのように洗練されたムードで着こなしたいアイテム。
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- シアースカート
素材でも取り上げたシアー、トップスはもちろんですが2024SSはスカートに注目。
コレクションで提案されるマイクロミニボトムなど実際には着る人を選ぶ感じもするアイテムも、シアースカートとのレイヤードで可能性を広げそう。
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- デニムアイテム
春夏シーズン定番のデニムですが、2024SSはジャケットやスカートなどアイテムの広がりや、サイドカーブデニムなどデザインバリエーションが拡大しそう。人気のカーゴも合わせて、ユーティリティアイテムの新解釈はますます進展。
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- プラスワンパーツ(ベスト、ビスチェ、つけ襟、つけ袖…)
クラシックを新解釈したデザインアイテムが増える中、シンプルな装いもレイヤードアイテムの活用で華やかに。ベストやジレ、ビスチェはこれまでもご紹介していますが、つけ襟・つけ袖といったプラスワンパーツにも注目。
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- ブロケットコア
Z世代中心に人気上昇中の、スポーツミックススタイルも注目。
「ブロケットコア」とは、レトロなスポーツウェアを着こなすブロークコア(Blokecore)と、レースやリボンなどフェミニンな素材やアイテムを使うコケット(Coquette)が合体したワードです。
Y2K、ニュートロ…からより具体的になったスタイリングともいえますね。あえてのミスマッチが可愛い!
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POINT
- 2024年春夏トレンドはエレガントムードをベースに定番の新解釈、アップデートが主流
- スタイリング提案が重要に。シアー素材を使ったレイヤードスタイル人気が拡大しそう
- 「エレガントなフォルムのあるスタイル」「90s風ミニマル」「スポーツミックス」に注目
これからもよりくわしいトレンドや気になるワードをご紹介していきますね。お楽しみに!
▼2024年の「今年の色」についてはこちら!
▼2024年春夏のジュエリー・アクセサリートレンドはこちら!
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。