ライラックのような可憐なパープルに、サファイアのような華やかなブルーを示す「ターフェアイト(taaffeite)」。
発見されてから100年も経っていない、比較的新しい宝石。
また、希少な宝石のひとつであり、発見されるに至った経緯が珍しい宝石でもあります。
今回はターフェアイトの基礎知識についてお届け。
「世界で最も希少な宝石」として、過去にギネス認定されていた宝石の魅力とは?
ターフェアイトの意味、和名、石言葉は?
ターフェアイトの意味と和名
1945年、アイルランドはダブリンにて発見されたターフェアイト。
由来は発見者である宝石学者リチャード・ターフェ伯爵(Count Richard Taaffe)の姓から。
モース硬度は8から8半。
立方晶系の酸化鉱物。
鉱物名は「マグネシオターフェアイト2N’ 2S」。
和名は「ターフェ石」。
主な産出地はスリランカ、タンザニア。
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ターフェアイトの石言葉
ターフェアイトの石言葉は「勇気」。
持っていることで能力を最大限にまで引き上げるといわれています。
ターフェアイトは唯一カット石から発見!スピネルとの違いは?
ターフェアイトが発見されたのは宝石店
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トレジャーハンティングという言葉があるように、自然に足を踏み入れてこそ新しい発見があると思いますよね。
鉱物も同じく河原や鉱山などで発見されますが、ターフェアイトは異なります。
ターフェアイトが発見されたのはなんと宝石店!
すでにカットされていた宝石から新種が発見されたのです。
現時点ではターフェアイトが唯一、カット石から発見された宝石として知られています。
当初はその色、硬度、密度からスピネルと考えられていました。
しかし、スピネルは「単屈折」であるのに対して、ダブリンの宝石店に陳列されていたスピネルは「複屈折」の特徴を持っていたのです。
発見された同年の11月1日、ターフェ伯爵はロンドン商工会議所研究所のB.W.アンダーソン(B.W.Anderson)にサンプルを送り、鑑別を依頼。
その結果、ベリリウムとマグネシウム、アルミニウムの酸化鉱物であることが判明。
これを機に、別の宝石と間違われていた他のターフェアイトが次々に発見されたのです。
とはいっても希少な宝石であるため収集家に向けてカットされており、美しさや希少性に反して知名度が低い宝石といえるでしょう。
ギネス認定時には「世界に4つしかない」と謳われていたほど、存在そのものが希少な宝石であったのです。
ターフェアイトのカラーバリエーションと「複屈折」
ターフェアイトのカラーバリエーションはパープルにブルー、グリーン、そしてグレー。
特にパープルは淡い藤色から濃い赤紫色まで、濃淡によって印象が変わります。
そしてターフェアイトの最大の特徴である「複屈折(ダブリング)」にも注目。
ターフェアイトはカットされることにより、カットのラインが二重に見える「複屈折」を確認できます。
「複屈折」を持つ宝石は、他にもスフェーンやジルコン、ペリドットがあります。
取り扱い時の注意点は?
硬度は8から8半と、ルビー・サファイアにつぐ硬さをもつターフェアイト。
もしジュエリーに仕立てるなら硬度の低い宝石とぶつけないよう、着用時・保管時ともに注意しましょう。
POINT
- 1945年、アイルランドはダブリンの宝石店にて発見されたターフェアイト。
- 「世界で最も希少な宝石」として過去にギネス認定
- 名前の由来は発見者であるリチャード・ターフェ伯爵(Count Richard Taaffe)の姓から
- カラーバリエーションはパープル、ブルー、グリーン、グレーなど
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。