レザー製品やアパレルをメインに展開する、著名なブランドの大多数はファインジュエリーを展開していますよね。
その一方、知名度が高いのにも関わらず、2022年にはじめてファインジュエリーを展開したブランドもあります。
それが「PRADA(プラダ)」。
ラグジュアリーブランドで「初」の試みを行ない注目を集めました。
2023年SS(春夏)アクセサリートレンド記事でも、プラダの新機軸にフォーカスしています。
【ジュエリーブランドの名品】第二十四回目は「PRADA(プラダ)」。
プラダが採用したリサイクルゴールドとは?
ブランドの歴史と、リサイクルゴールドを使用したジュエリーをご紹介します。
プラダの軌跡とリサイクルゴールドジュエリー
1913年、イタリア・ミラノで生まれたPRADA(プラダ)。創業者はマリオ・プラダ。
当時は世界中から上質な皮革を集め、高品質な製品に加工して世に送り出していました。
しかし、戦争の影響で素材の調達が困難になり、ブランドとしての方向性が定まらない時期が続いたのです。
ミウッチャとプラダの転換期
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そんなプラダを現在の地位にまで押し上げたのがミウッチャ・プラダ。
マリオ・プラダの孫にあたり、1978年に三代目デザイナーに就任。
彼女は低迷期に陥っていったブランドの地位を向上させたのです。
プラダはミウッチャ以前・以後で大きく印象を変えました。
その代表的なアイテムこそがナイロンバッグ。
耐久性に優れながらも品のあるデザインは、1979年の発売から瞬く間にブームに。
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プラダといえばこのナイロン。
「ポコノ」と呼ばれるこの特殊な素材は、アパレルや小物としても展開。
プラダの革新マインドがもたらしたリサイクルゴールドという選択
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バッグの素材といえばレザーが主流であった時代に、ラグジュアリーさと機能性を併せ持つ素材の提案を行ったプラダ。
2022年に発表されたジュエリーも、ブランドの「常識への挑戦」マインドに基づくものといえるでしょう。
大きな特徴である「リサイクルゴールド」というワード自体、ジュエリー業界では頻繁に目にします。
しかし、ジュエリーブランドではないラグジュアリーブランドが行ったという点で、業界を超えて関心を集めました。
ではなぜ「リサイクルゴールド」がそこまで関心を集めるのでしょうか。
現在、ジュエリー業界で直面している大きな課題が「紛争鉱物」。
宝石やゴールド、プラチナといった素材は紛争地が産地であると、その販売資金が戦争を継続するための資金源となる恐れがあります。
間接的にも戦争に加担しないためには、「紛争地で採掘された素材を使用しない」ことが重要。
とくに貴金属は宝石のように人工的に生み出せないため、新しく鉱床から採掘するか、またはリサイクルか、選択肢はこの二つしかありません。
そこでプラダは、ジュエリー協議会の基準を満たす100% 認証リサイクルゴールドを使用したジュエリーを提案。
販売証明として記載されるだけでなく、購入者も手元に来るまでのジュエリーの生産プロセスにアクセスできるのです。
これはAuraブロックチェーンコンソーシアムシステムと呼ばれるもの。
リサイクルゴールドだけでなく、メレダイヤモンドもその対象。
ある基準以上のダイヤモンドしか追跡できないというのが業界の常識でしたが、その常識をも覆したのです。
プラダのこれからを代表する名品
名品とは、歴史と物語を紡ぐことで生まれるもの。
プラダのファインジュエリーコレクション「Eternal Gold(エターナルゴールド)」。
ネオクラシックを提案する、永遠に色褪せることのないピースを集めたコレクション(公式HPより引用)は、きっとこれから10年、20年の時を経て名品となってくれるでしょう。
プラダ・トライアングル
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ブランドのシグネチャである逆三角形のロゴ。
トライアングルとダイヤモンドのファセットは相性が良いとプラダが主張している通り、エッジの効いたデザインに仕上がっています。
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プラダ・トライアングルには様々なサイズのダイヤモンドが留められており、もちろんそのすべての生産プロセスにアクセス可能とのこと。
POINT
- 1913年、イタリア・ミラノで創業したプラダ
- 低迷したブランドを再度盛り上げた三代目デザイナーミウッチャ・プラダ
- ナイロン素材「ポコノ」、リサイクルゴールドのファインジュエリーなど、ブランドとして常識へ挑戦し続けている
長きに渡りブランドを牽引してきたミウッチャ・プラダは2022年12月に同社CEOを退任。
リサイクルゴールドのコレクションはもちろん、これからどのような変革を辿るのかより注視したいブランドですね。
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。