不透明で黒や褐色の筋が入った「ハウライト（Howlite）」。
宝石といえば透明で傷がない綺麗なものが好まれますが、大理石のような純白色や脈のような独特な模様のハウライトはコレクターの間でも支持が厚い特別な宝石です。
今回はハウライトの基礎知識。
あまり知られていないハウライトの魅力、そしてターコイズとの関係についてお届け。
ハウライトの意味、和名、石言葉は？
ハウライトの意味と和名
アメリカ・カリフォルニア州で、1800年代に発見されたハウライト。
カナダのノバ・スコシア（Nova Scotia)生まれの地質学者の「ヘンリー・ハウ（Henry How）」 が発見者で、その名を取り「ハウライト」と名付けられました。
モース硬度は3半、三斜晶系のホウ酸塩鉱物。
劈開は一方向に完全。
とても柔らかい鉱物ですが、研磨には耐久性があるため彫刻の材料としても用いられます。
ハウライトの和名は「ハウ石」。
多くのホウ酸塩鉱物と同じく、塊状で産出します。
カリフラワー形状の小さな塊の原石も魅力的。
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ハウライトの石言葉
ハウライトの石言葉は「純粋な血筋」。
白を純粋さ、脈を血に見立てたのでしょうか。
血行や代謝を良くする鉱物としても重用されたとか。
ハウライトの模様の正体は？ターコイズのイミテーション
ハウライトの脈模様は酸化鉄
不規則な脈状の模様は、単なる割れではありません。
その正体は、結晶が成長する過程で入り込んだ別種の鉱物なのです。
主な成分は酸化鉄。
ターコイズにも見られるウェブと呼ばれるこの模様は、ハウライトの白地によく映えます。
ハウライトとターコイズ、マグネサイトの違い。見分け方とは
外見を変えることで、別の宝石に見せる手法があります。
そのひとつが「染色」であり、多孔質の鉱物はさまざまな色に染められます。
鉱物自体の魅力を引き出すものもあれば、まったく異なる色に染められることも。
ハウライトも多孔質であるため、染色に適した素材です。
青い染料によって染め上げられると、ターコイズととても良く似ます。
脈状が入っているところもターコイズと似ているため、染色されたハウライトがターコイズとして出回ることも珍しくはありません。
染められたハウライトとターコイズを見分けるのは難しいですが、大きな違いは硬度。
ターコイズが5から6なのに対し、ハウライトは3半。
モース硬度3半といえば簡単に傷がつき、割れてしまいます。
爪が2半なので、爪よりも少し硬い程度というと、その壊れやすさが想像しやすいのではないでしょうか。
染色されていないものも「ホワイト・ターコイズ」「ホワイト・バッファロー・ターコイズ」として販売されることもあります。
しかし、ターコイズのカラーバリエーションにはホワイトはなく、多くはハウライトなのです。
また、ハウライトはターコイズの他にもマグネサイトと混同されます。
マグネサイトをハウライトとして販売しているケースも多く、ターコイズと異なり価値に大きな差異がないゆえに販売者もその違いを把握していないことも。
マグネサイトは和名を「菱苦土石（りょうくどせき）」。
硬度はハウライトと同じ、劈開は三方向に完全の炭酸塩鉱物です。
ハウライトとして販売されるマグネサイトも、ターコイズとして流通するハウライトも、一目で見分けることは困難。
しかし、成分が異なったり硬度に差があるなどの明確な違いがあります。
特にターコイズはハウライト、マグネサイトよりも価値が高いため、購入時には細心の注意を払って。
高価なものになると「GIA（ジェモロジカル・インスティテュート・オブ・アメリカ）」などの信頼できる鑑別機関の鑑別書付きのものを購入するようにしましょう。
取り扱い時の注意点は？
日常生活での使用も十分に注意が必要なハウライト。
衝撃を避けるのはもちろん、他の宝石や金属と触れることも避けられるアイテムを。
超音波洗浄器は厳禁、柔らかく乾いた布で優しく汚れを拭って。
POINT
- 酸化鉄の模様が特徴的なハウライト
- ハウライトは染色されターコイズとして流通することも
- 硬度が低く脆いため衝撃を避けて着用すること
- 外見で見分けることは難しいため、高価なターコイズを手に入れる際は鑑別機関を利用することもひとつ
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。
