パンツを選ぶときには、長さやスリムかワイドかといったシルエットを見て決めることが多いと思いますが、実は他にも重要なポイントがあるんです。
それが、はき込みの深さを表す「ライズ」というもの。
今回は、デニム(ジーンズ)を中心によく使われる「ハイライズ」の意味や、大人女性におすすめのハイライズボトムの取り入れ方を紹介します。
よく似た名称の「ハイウエスト」や、反対の意味を持つ「ローライズ」との違いも解説しますので、ぜひパンツ選びの参考にして下さいね。
ハイライズ=「股上が深い」デザイン
ファッション・アパレルの世界では、「ハイライズ」とは「股上が長い」「はき込みが深い」ことを意味し、おもにパンツ、なかでもデニムの型を表すのによく使われます。
英語で日が昇ることを「サンライズ」と言うように、「ライズ(rise)」は下から上に向けての動きを指し、デニムの股の部分からウエストまでを測ったときに25㎝以上ある股上の深いデザインがハイライズに分類されることが多いようです。
下の写真は、反対に股上の浅い「ローライズ」。
最近はあまり使われませんが、腰骨にひっかけるようにして履くため、「ヒップハング」と呼ばれることもあります。
その中間は「ミドルライズ」ですが、標準的な形のため、あえて「ミドル」とは表記していないブランド・メーカーが大半です。
デニムのライズ(股上)は、定期的に変動を繰り返しており、2000年~2010年頃まではローライズデニム全盛期で、しゃがむとインナーやお尻が見えるほどの浅ばきジーンズもよく見かけました。
その後、ハイライズデニムが登場するとまたたく間に世の中を席捲し、2015年頃から現在にいたるまで、店頭に並んでいるデニムの多くがウエストまで包み込むハイライズタイプです。
同じハイライズでもシルエットはいろいろ。
今からデニムを買うなら、好きなシルエット×ハイライズを選ぶと、ほどよく流行をおさえた着こなしが叶います。
スリム×ハイライズ
ボトムがコンパクトにまとまるので、上半身にはボリュームのあるブラウスなど、旬のアイテムを合わせるのがおすすめ。
テーパード×ハイライズ
裾に向けて少しずつ細くなっていくテーパードは、大人女性にぴったりのこなれたカジュアルコーデが作りやすいシルエットです。
ストレート×ハイライズ
腰からまっすぐに裾まで続くシルエットは、カジュアルながらどこかきちんとした印象に。
ワイド×ハイライズ
上半身にフィットしたニットやカットソーを合わせると優しげなAライン、流行のボリュームブラウスを着ればかっこいいXラインのシルエットが完成します。
▼洋服のシルエットについてはこちらの記事でも詳しく解説しています
ハイウエストとハイライズはどう違う?
「ハイウエスト」とは、文字どおり、ウエストの位置が高いデザインのこと。
ハイウエストもハイライズも英語ではほぼ同じ意味合いで使われますが、日本ではおもにハイライズがデニムの分類のみに使われるのに対し、ハイウエストはパンツ全般・スカートなど、ボトム全般に対して使われます。
ワンピースでも「ハイウエスト切り替え」といったデザインもあり幅広いアイテムが見られます。
アラフォー・40代からハイライズを取り入れるなら
ハイライズデニムやハイウエストのボトムは、ウエスト部分から裾までの長さがあるぶん脚長効果が期待できるといわれます。
トップスをウエストにイン(入れて)して着ると、もっともその効果が発揮できますよ。
また、今期(2022年春~夏)のデニムは、カットオフ(裾をまつり縫いせずに切りっぱなし)のデザインが人気です。
ダメージの激しくないものであれば、さりげなくトレンドを取り入れられるので、ぜひ挑戦してみて下さいね。
POINT
- 「ハイライズ」はおもにデニムの分類に使われ、股上の深いデザインのこと
- 「ハイウエスト」も意味はほぼ同じだが、デニム以外のパンツやスカートにも使われる
- 着こなしはウエストインで脚長に。トレンド感がほしいときはカットオフもおすすめ
海外のファッショニスタのあいだでは、そろそろローライズデニムも新鮮と言われ始めているようですが、まだしばらくはハイライズ人気は続きそう。
この記事も参考に、ぜひお気に入りの1本を見つけて下さいね。
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フリーライター。新聞社や大手通販サイトにてファッション・ライフスタイル系記事を執筆中。幅広い世代の流行やトレンドから、自分を含めた大人女性が毎日のファッションにリアルに取り入れられるアイテムや着こなしのヒントを厳選してお届けします!