ジュエリーの基礎知識

サステナブルジュエリー入門。「エシカル」や「アップサイクル」の意味とは?

すっかり日常に馴染んできた「サステナブル」という言葉。
フードやファッションだけでなく、最近ではジュエリーの世界でも「サステナブル」や「エシカル」といったキーワードを見かけることが増えてきましたね。

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しかし、ジュエリーと「サステナブル」がいまいち結びつかないという人も多いのではないでしょうか?

今回はジュエリーと「サステナブル」の関係をわかりやすく解説しながら、「エシカルジュエリー」や「アップサイクルジュエリー」といった注目の用語の意味や違いについてご紹介。

ジュエリーをどう選ぶかを考えたい方に届けたい内容です。

サステナブルジュエリーとは?「持続可能な」ジュエリー選び

「持続可能な」「維持できる」を表す「サステナブル(sustainable)」。
「サステナブルジュエリー」とは、環境や人にやさしい素材や製法、そして環境で作られたジュエリーのこと。

たとえば、リサイクルゴールドやリサイクルシルバーといった素材を使ったり、生産にかかわる人たちが適切な待遇で働ける仕組みが整っていたりと、表面的ではなく「ジュエリーが作られている環境」を含めて「持続可能であること」が「サステナブルジュエリー」の条件です。

これまで「サステナブルジュエリー」といえば、長く使えるようシンプルなものというイメージを持たれていたかもしれません。

しかし、現在では社会的な配慮とデザイン性が両立しているブランドが増えました。
そのため、サステナブルジュエリーは数ある選択肢のひとつとして気軽に選べる存在になりつつあります。

大量生産されたものではなく、どう作られたのか背景まで含めて選ぶ
それが「サステナブルジュエリー」を選ぶということです。

エシカル?アップサイクル?サステナブルとの違い

ここからは、サステナブルジュエリーを理解するうえで欠かせない注目キーワードを見ていきましょう。

エシカルジュエリー

「サステナブル」と同じくらい馴染み深くなった「エシカル」。
「倫理的な」という意味の「エシカル(ethical)」はジュエリーにおいて、一般的に人権や労働環境に配慮して作られたジュエリーを指します。

具体的には、ジュエリーの素材となる宝石がどのような環境で採られたものなのかを重視。

たとえば、宝石が児童労働や過酷な労働条件のもとで採掘されたものではないか、採掘した人に正当な報酬が支払われているかなど、発展途上国の鉱山で採掘された宝石やゴールドなどの金属がどのようなプロセスで生み出されたかに注目します。

倫理に反しない労働環境下で、透明性のある生産プロセスを経て作られたものだけが「エシカルジュエリー」と呼ばれます。

エシカルジュエリーと関連するワードが「フェアトレードゴールド」や「リサイクルメタル」、「ラボグロウンダイヤモンド」です。

特に「ラボグロウンダイヤモンド」は、天然とほぼ同じ成分・構造を持つ人工ダイヤモンドでありながら、採掘に伴う環境負荷や人権問題をクリアしているという面でも注目されています。

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アップサイクルジュエリー

「エシカル」と並んでご紹介したいのが「アップサイクル」。

アップサイクルジュエリー(Upcycled Jewelry)」とは、素材の形を変えずにデザインごと活かし、新しい価値を加えたジュエリーです。

リサイクルはゴールドやシルバーなどの貴金属を溶かして再精製したものや、枠から外した宝石を再利用するのに対して、アップサイクルはパーツを組み合わせたりと元のデザインを活かしたまま再利用します。

たとえば、ピアストップを活かしリングに作り変えるなど、すでにあるものを活かしながらストーリー性のあるジュエリーに生まれ変わらせるのです。

想いのこもったジュエリーの良さをそのまま活かしつつ、廃棄物削減にも貢献するのがアップサイクルジュエリーの良さです。

そのほか、すでに流通しているジュエリーを長く大切に使うスタイルも、身近なサステナブルジュエリーのひとつです。

ジュエリーにはさまざまな魅力があります。
宝石やデザイン、デザイナーが込めた意味。

そして、これからは「持続可能であること」が魅力のひとつとなっていきます。

ジュエリーがどのようなプロセスで作られているかは、私たちの日々の暮らしと密接に関わるもの。

環境や人に配慮して生み出されたジュエリーは、これからの私たちの未来を照らしてくれることでしょう。

POINT

  • 「サステナブルジュエリー」は、環境や人にやさしい素材や製法、そして環境で作られたジュエリーのこと
  • 「エシカルジュエリー」は、人権や労働環境に配慮して作られたジュエリー
  • 「アップサイクルジュエリー」は、素材の形を変えずにデザインごと活かし、新しい価値を加えたジュエリー

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