2025年の干支である「蛇(巳)」。
脱皮を行い成長していくことから、「復活」と「再生」のシンボルとして古くから愛されてきたモチーフです。
毎年干支にちなんだモチーフが注目を集めていますが、「蛇(巳)」モチーフのジュエリー・アクセサリーにはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は「蛇(巳)」モチーフジュエリーの歴史と意味をはじめとして、世界各地でどのように愛されてきたのかを掘り下げていきます。
あなたに幸運とスタイルをもたらす「蛇(巳)」ジュエリーの最新の魅力を一緒にみつけてみましょう。
「蛇」モチーフの歴史と意味
ニューイヤームードを纏った干支ジュエリーは、一年のはじまりに幸運を呼び込むお守りのようなアイテム。
2025年の干支である「蛇(巳)」モチーフは、運気上昇のお守りとして高い人気を得ているモチーフのひとつです。
「蛇」モチーフの歴史。古代エジプト、古代ギリシャでの意味
古来より力強さや神秘性、永遠の象徴として、多くの文化において特別な存在とされてきた蛇。
蛇は知恵と王権の象徴であり、ファラオの王冠にも立ち上がった蛇がデザインされていた古代エジプト。
この立ち上がった蛇の姿は「蛇形記章(へびがたきしょう)」と呼ばれる、女神ワジェトの象徴として描かれています。
蛇の中でも「コブラ」が神聖視されています。
また、蛇は古代ギリシャでもさまざまな神話にも登場しています。
たとえば、蛇が巻き付いている有名な「アスクレピオスの杖」。
医療のシンボルとして「WHO(世界保健機関)」のロゴにも採用されていますが、これは脱皮を行う蛇が「治癒と再生」を象徴するためです。
そのほか、インドや中国などアジア地域でも蛇は神聖な存在として扱われてきました。
インドの「ナーガ」は水や豊穣を司る神として崇められ、中国では「豊穣神」「天候神」として信仰の対象とされてきたのです。
このように王権の象徴として崇められたり、神様として祀られたりと、どの地域においても特別な存在であった蛇。
「旧約聖書」で禁断の果実を口にするようイブを唆した蛇のように、悪魔の化身としての印象を持つ方も多いかもしれませんが、一方「新約聖書」では「蛇のように賢く」とのイエスの言葉があるように、多面性を持つ存在として描かれてきたのです。
相反する要素のように思えるかもしれませんが、どの地域においても知恵をもつ生命力豊かな存在であるという認識は共通のように思えますね。
永遠の愛に金運!運気上昇のお守りとしての「蛇(巳)」
そのしなやかで洗練された姿は、ジュエリーデザインにおいても人気の高いモチーフです。
モチーフとして蛇がジュエリーに取り入れられたのは、古代ローマ時代にまで遡ります。蛇の形をしたリングやバングルが出土しており、愛や永遠の象徴として用いられたのです。
愛する人を思い、ふたりの永遠を願って贈られるジュエリーとして、蛇モチーフが採用されていたのですね。
年月が過ぎ、ヴィクトリア朝時代のイギリスで再度蛇モチーフのジュエリーが注目を集めることとなります。
流行のきっかけは、ヴィクトリア女王が夫アルバート公から贈られた蛇の婚約指輪。
このエメラルドを蛇の目の部分に用いたリングは「永遠の愛」の象徴であると、またたく間に流行として広まったのでした。
今では金運上昇のモチーフとしての印象が強い蛇ですが、実は多様な意味を持つモチーフでもあったのですね。
金運の象徴とされているのは、脱皮を行う様が「再生」と結び付けられているから。
再生と繁栄を「お金が無限に再生する」様に見立てたことから、金運が上昇するモチーフとして人気となったのです。
蛇モチーフのジュエリー3選
蛇モチーフジュエリーは、これまで紹介してきたように意味の幅広さとデザインの柔軟性が特徴的。
身につけることで力強さやしなやかさを演出でき、さらに「永遠」や「知恵」といった意味を纏うことで、身に着ける人の個性やスタイルを引き立てる特別なモチーフです。
セルペンティ(Serpenti)/ブルガリ(Bulgari)
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蛇モチーフのジュエリーといえば、誰しもが挙げるブルガリの「セルペンティ」シリーズ。
ブルガリのシグネチャアイテムであり、蛇のしなやかなフォルムを活かしたエレガントなデザインは世界的な人気を博しています。
特に「セルペンティ ヴァイパー」シリーズは、蛇の象徴性をモダンに表現しているため、ファッションに取り入れやすいのもポイント。
スネーク(Snake)/ティファニー(Tiffany&co.)
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エルサ・ペレッティにより生み出された「スネーク」シリーズは、蛇が自身の尾を噛む不変的なデザイン。
シンプルでいて独創的な蛇をモードに身につけられる、特別なジュエリーです。ネックレスとピアスを展開。
セルパンボエム(serpent bohème )/ブシュロン(BOUCHERON)
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ブシュロンの人気ライン「セルパンポエム」より、スネークの神秘的な美しさを表現したアイテムが登場。繊細に鱗をかたどったツイストチェーンパターンのアームが、宝石をより輝かせる装飾に。ひとつで身につけるのはもちろん、重ね着けにも映えるリングです。
干支ジュエリー。
12年に一度、普段見慣れたモチーフがさらに洗練され、より時代や文化を反映したデザインとして生まれ変わるのを楽しめる機会でもあります。
2025年ということで蛇モチーフを取り上げましたが、蛇に限らず自分の干支ジュエリーを探してみるなど、みなさまだけの幸運のモチーフを見つけてくださいね。
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。