ジュエリー業界には多様な職種があり、デザイナーから営業職、マーケターまで「ジュエリー」のお仕事はさまざま。
こうした職種に就くためにはどのような経験が必要なのでしょうか。
「ジュエリー関係の仕事がしたい!」【前編】では、業界内での代表的な「職種」について簡単に紹介しました。
後編となる今回は、ジュエリー業界へ足を踏み入れるためのひとつのステップとなる「教育機関」に焦点をあててみましょう。
これから高校・大学・専門学校へ進学する方はもちろん、ダブルスクールを検討している大学生・専門学生、そして「学び直し」を考えている社会人の方へ。
これからの一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
ジュエリー業界で働くために。職種から選ぶ大学・専門学校
ジュエリー業界で働くための教育を受けたり経験を積むためには、大きく2つのパターンがあります。
- 大学・専門学校などの教育機関で専門知識や技術を磨く
- 企業へ就職し実務経験を積む
職種により求められるスキルは異なりますが、いずれも大学や専門学校で基礎を学んだり、専門学校や職業訓練校で実践的なスキルを身につけることができます。
このような特定の教育を受ける以外にも、未経験でも採用を行なっている企業へ就職し実務経験を積むといったキャリア構築の方法ももちろんありますが、今回は「大学・専門学校などの教育機関で専門知識や技術を磨く」という進学パターンに焦点をあててご紹介します。
職種により異なる大学・専門学校の選び方
ここでは適切な教育機関選びのポイントをご紹介します。
重視すべきポイントが職種ごとに異なるため、どうなりたいか?を意識して選びましょう。
- ジュエリーデザイナー・ジュエリー職人を目指す場合
ジュエリーのデザインや制作を職にしたい場合、まず検討するのが美術大学やジュエリーコースがある専門学校。
「デザインや技術に特化した学びを深めることができるか」。
これが進学先を選ぶひとつのポイントとなります。
また、以下に挙げるカリキュラムが充実しているかは大きなポイントです。
①デザインの基礎から応用までしっかり学べるか
優れたデザインのために必要な技術や知識を基礎から応用まで学べる学校を選びましょう。
また、手描きのスケッチだけでなくデザインソフトを扱うなど、プロが使用するツールの操作教育が行われているかも重要です。
②実技科目(ワックス加工・彫金技術など)があるか
ジュエリーの原型制作や金属加工技術を習得するコースやカリキュラムがあるか確認しましょう。
アトリエや制作工房を設けている学校を優先的に選ぶのがおすすめ。
- 宝石鑑定士を目指す場合
宝石鑑定士に興味があるなら、宝石や鉱物についての知識が身につく学科や、鑑定に必要な知識と鑑定技術を学べる専門機関への進学をぜひ検討してください。
①宝石学の講義・実習があるか
ダイヤモンドや色石の評価方法、ジュエリーの材質や品質について学べるプログラムがある学校がおすすめ。
座学だけでなく、鑑定に必要な機械を用いての実習ができるかも確認してくださいね。
②鑑定士資格取得の支援があるか
他の職種と異なり、資格の有無が重要となる宝石鑑定士。
資格は大きく2種類。
日本国内で有効な資格と、海外でも通用する国際資格があります。
「資格取得をサポートする」というカリキュラムが組まれていても、その資格が何かをしっかりと確認するようにしてくださいね。
国際資格であるGIAやFGAは国内からの取得を支援しているコースもあるため、興味がある方はぜひ調べてみてください。
- 営業、マーケター、バイヤー職を目指す場合
四年制大学からでも、これまでにあげたジュエリー関連の職種に就くことは可能ですが、四年制大学ならではの強みを活かせる職業もあります。
幅広い知識の獲得ができる四年制大学ならではの強みを活かせるのは、営業、マーケター、バイヤー職です。
①学部・コースの選び方
経営学部や商学部、経済学部でビジネス戦略やマーケティングを専門的に学ぶことができます。
上記で挙げた学部のほか「ファッションビジネス」に特化したカリキュラムがある学校も探してみるのもおすすめです。
ただし、同じ「経営学部」でも大学により学べることが異なるため、どのようなカリキュラムを組んでいるかはしっかりと調べてくださいね。
- ECサイト運営職・ CADオペレーターを目指す場合
実務に直結したスキルが磨ける専門学校に、理論的なアプローチから実践まで幅広く学べる四年制大学。
どちらの場合でも重視したいのは「ジュエリー業界にあったソフトや環境設定」。
①ジュエリー業界にあったソフトや環境選定
これからジュエリーのEC市場が拡大していくとされている中で、ECサイトの運営にはさまざまなスキルが必要となります。
また、実際のECサイト構築スキルだけでなく、Webマーケティング力やデータの分析力は欠かせません。
そうした基礎理論の学習から、SNS運用や分析ツールを用いたデジタルマーケティングの手法など実践的なカリキュラムが組まれているかも検討材料となります。
CADオペレーターに関しては「どのソフトを学べるか」が重要。
ジュエリーデザインで使用されるソフトは企業によって異なりますが、一般的には「Rhinoceros」や「3DESIGN」などが用いられます。
自分に合った進路を見極めるポイント
学校選びの際は、卒業生の進路や就職支援の充実度も確認しましょう。
オープンキャンパスや体験授業を活用し、学校の雰囲気やカリキュラムの内容を掴むことや、講師のサポート体制が充実しているかもチェックすると良いでしょう。
ジュエリー業界に就職したいといっても、職種によって必要なスキルが大きく異なります。
しっかりと方向性を定め、自分の興味や適性に合った学びの場を見つけてくださいね。
POINT
- ジュエリー業界で働くためには「進学して専門知識や技術を磨く」か「企業へ就職し実務経験を積む」かの2 通り
- 大学・専門学校は方向性を定めて職種から選ぶ
- 職種によって進学先選びのポイントが異なるため要確認
- 四年制大学ならではの強みを活かせる営業、マーケター、バイヤー職
【あわせて読みたい】ジュエリーの知識を身につけるなら「ジュエリーコーディネーター」の勉強からスタートしてみるのもおすすめ。検定を受けなくてもジュエリーや宝石、貴金属の基礎知識が得られます。
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。