ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】ルチル・クォーツにローズ・クォーツ…。クォーツの代表的な13種類と和名

地球上でありふれた鉱物「石英(せきえい)」。
海岸の砂、岩石の中に多くみられるこの鉱物の中で、透明度の高い宝石質のものをクォーツ(水晶)と呼びます。

ルチル・クォーツローズ・クォーツガーデン・クォーツ
誕生石でもあるアメシストシトリンもクォーツの一種なのです。

今回はクォーツの仲間たちについて。

カラー(色合い)の特徴から7種類、インクルージョン(内包物)の特徴から6種類…あわせて代表的な13種類のクォーツをご紹介します。

クォーツとは。どのように分類する?

そもそも石英とは、アメシストやシトリンからカルセドニー、めのうを含むバリエーションに富んだ鉱物。
その石英の中で単結晶のものをクォーツと呼びます。

純粋な状態では無色透明のクォーツ
不純物が加わると色がついたり、柄のようにみえるインクルージョンを内包します。

その見た目によって、呼び名も異なります。
おもにカラーとインクルージョンの種類で分類されます。

クォーツの種類:カラー7種

クォーツ(水晶)

【宝石の種類】クォーツ:意味と誕生月、「水晶」と「めのう」の違いは?

アメシスト(紫水晶)

【宝石の種類】アメシスト:意味と誕生月、石英とアメトリンとは?

シトリン(黄水晶)

【宝石の種類】シトリン:意味と和名、誕生月。トパーズとの違いは?

アメトリン(紫黄水晶)


パープルとイエローのバイカラー・クォーツを「アメトリン」と呼びます。
その名の通り、アメシストとシトリンから成る鉱物。

和名は「紫黄水晶(しおうすいしょう)」。

アメシストを加熱するとシトリンになるため、基本的には加熱処理を施しアメトリンとしているものが流通しています。
もちろん地中で加熱された天然のアメトリンも存在しますが、とても希少です。

ローズ・クォーツ(紅水晶)


別名「薔薇水晶」とも呼ばれる「ローズ・クォーツ」。

ビーズ加工されたものもよく見かけるため親しみやすい宝石のひとつですが、神秘的な一面を持ちます。

それはローズ・クォーツの色。
実はこの淡いピンクが発色する理由が解明されていないのです。

微細なインクルージョンが光を乱反射して淡い桜色を示しているとも、微量のチタンが含まれるためともいわれています。

スモーキー・クォーツ(煙水晶)


微量のアルミニウムを含んだクォーツが、地中で放射線の影響を受け茶褐色や灰色に。

これを「スモーキー・クォーツ」と呼びますが、ローズ・クォーツ同様、発色理由が明らかにされていません。

放射線量が少ないほど黒みが少なくなるとされ、天然の放射線が少ないアルプスの鉱山では透明度の高い良質なスモーキー・クォーツが産出。

カンゴーム(黒水晶)

 

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宝石の国で一躍有名になった「カンゴーム」。
スモーキー・クォーツができる過程で、より黒みが強くなったものをカンゴームと呼びます。

名前の由来は色ではなく産出地。
スコットランドのカンゴーム山脈から。

和名は「黒水晶」以外に「煙水晶」とも呼ばれ、明確に区分されていません。
というのも、より黒く光すら通さないクォーツ「モリオン」も黒水晶と呼ばれるからです。

光を通すカンゴームを煙水晶としていることもあれば、二つとも黒水晶としてまとめられることもあります。

クォーツの種類:インクルージョン6種

ルチル・クォーツ(針水晶)


透明なクォーツの中に針状の結晶を含む「ルチル・クォーツ」。

黄金の印象が強いルチル・クォーツですが、赤色や黒色のルチルを含むこともあります。
そのため、別名「金紅石(きんこうせき)」とも呼ばれます。

この針の正体はチタンであり、稀に緑色のルチルを含むものを「グリーン・ルチル」と呼ぶこともありますが、緑の針の正体はチタンではなく針状のトルマリン、またはアクチノライト。

それぞれ「トルマリン・イン・クォーツ」、「アクチノライト・イン・クォーツ」の名で知られています。

ガーデン・クォーツ(庭園水晶)


ルチルと同様、インクルージョンが含まれる「ガーデン・クォーツ」。
異なるのはインクルージョンの種類。

クローライトやトルマリンが苔などの植物にみえ、まるで庭園のような風景を描いています。

ミルキー・クォーツ(乳水晶)

 

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半透明から不透明の乳白色の「ミルキー・クォーツ」。
さまざまなインクルージョンが混入し濁り、乳白色を示します。

デュモルチェライト・イン・クォーツ(デュモルチェ石)

 

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トルマリン以外にもインクルージョンとなる鉱物があります。

デュモルチェライトは濃い青色の鉱物であり、クォーツに含まれると針状で線香花火が咲いたような華やかな宝石になります。

ストロベリー・クォーツ(苺水晶)


ゲーサイトやレピドクロサイトを含む「ストロベリー・クォーツ」。
透明なクォーツに浮かぶ花びらのようなインクルージョンが人気の宝石。

それぞれ一種ずつ含むものは「ゲーサイト・イン・クォーツ」、または「レピドクロサイト・イン・クォーツ」と呼ばれます。

オイル・イン・クォーツ(石油入り水晶)


インクルージョンは固体以外にも気体、液体があります。

オイル・イン・クォーツ」は、クォーツ内に石油を含む宝石であり、石油の色は透明から黄色、緑褐色までを示します。

UVライトで照射すると青白く発光するという特性があります。

POINT

  • 最もありふれた鉱物「石英(せきえい)」、宝石名は「クォーツ」
  • クォーツの名前はおおまかにカラーとインクルージョンで分類できる
  • クォーツのインクルージョンは固体だけでなく気体、液体も含まれる

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