制服やユニフォームのないオフィスで働く女性にとって、仕事にふさわしい私服のコーディネートを毎朝考えるのは結構たいへん。
春夏は、カットソーやブラウスにシンプルなパンツまたはスカートを合わせる「ワンツーコーデ」で乗り切れても、秋冬はニットやジャケットなどアイテム数が多く、気温との兼ね合いなどもあって迷ってしまうのではないでしょうか。
2023~2024年秋冬のファッションは、全体にエレガント・クラシカル・トラディショナルな傾向を増しています。
今回は、通勤・オフィスコーデのアップデートをしたい大人女性向けに、トレンドもおさえつつ、基本的なアイテムや着こなしのヒントをお届けします。
オフィスコーデ・通勤コーデの基本とは?
まずはオフィスコーデの基本的な考え方から。
本来、ファッションは個人の自由であるべきで、海外では大企業のオフィスでもTシャツとデニムなど自由な服装で働く人もたくさんいます。
また過去の#KooToo運動(クーツー=靴=苦痛を表すWeb上の意志表明。女性だからという理由で、足の痛みや変形を引き起こすハイヒールやパンプス着用を強制されることに異議を唱えた)などの例からもわかるように、時代によって今まで常識とされてきたドレスコードやルールを見直すことも大切です。
とはいえ、ビジネスは相手があってのこと。
お互い信頼関係が築けていて業務に支障がないのなら本来はどのようなファッションでも良いはずですが、特に取引先など外部に対しては、清潔感やきちんと感のある服装は、多くを語らなくても「まじめに仕事をしてくれるだろう」という安心感を持ってもらえるツールとして有効です。
「仕事をしやすくするツール」という視点を持つことがオフィスコーデの選び方のポイント。
その観点で、一般的にオフィスファッションのルールと見なされているものを紹介します。
- 過度な露出(背中や肩の開きすぎたトップス、ノースリーブ、膝上のスカート、生足=ストッキングやタイツをはかない など)を控える
- つま先の隠れるシューズ(近年はオープントゥやエレガントなサンダルはOKのことも)
- アクセサリーは結婚指輪のみ、または小ぶりでさりげないもの(職場・職種による)
- カジュアルすぎるアイテム(デニム、Tシャツ、パーカーなど)はNGなことが多い
飲食店や接客業では衛生面などの理由からより厳しいルールが設けられていますが、一般的なオフィスワークでは上記のようなものが暗黙のルールのようになっていることが多いでしょう。
きちんと見えるオフィス向けトップス
アラフォー以上の大人女性は、管理職として会議に出席したり、外部と打ち合わせしたりする機会も多いかと思います。
コロナ禍を機にオンラインのミーティングも普及しましたが、上半身(トップス)に何を着るかでかなり印象を左右することも。トップスには大人女性がきちんと見えてお洒落感もあるこんなアイテムがおすすめです。
ブラウス
ブラウスは秋の始めはそのまま1枚で、冷え込んできたらジャケットやカーディガンなどニットと重ねて着回せる、オフィスコーデの必須アイテム。
この秋は首もとに結べるリボンのついたボウタイブラウスが特に人気です。
ボウタイの結び方は、正面でリボン状にきちんと結ぶのもよし、少し左右にずらして結ぶ、クロスさせて垂らしておくなどアレンジを楽しんでみて。
他にもいろいろなブラウスの種類を以下の記事でも解説しています。好みのタイプを見つけてくださいね。
ジャケット
男性のオフィスファッションといえばやはりスーツです。女性用のジャケットはスーツにもっとも近い印象で、フォーマルな場面にも使いやすく、できれば色や素材違いで何点か持っておきたいアイテム。
カラーはネイビーやグレーなどが幅広く使えますが、秋冬はボトムも黒など濃色で重くなりがちなので、オフホワイトなどの明るめカラーも持っておくと便利です。
見た目はきちんとして見えて、ウールなどと比べて軽く動きやすいツイード・ニット素材や、動き回って汗をかいてしまった時に助かる「洗える素材」のジャケットも市販されています。
ニットアンサンブル(ツインニット)
外回りの仕事や、フリーアドレス制(固定席がない)オフィスでその日の席によって体感温度が違うなど、寒暖差の調節にも便利なニットアンサンブル。「ツインニット」ともいい、同色同素材のセーターとカーディガンの組み合わせのことをいいます。
中に着るニットはノースリーブ・半袖・長袖、またクルーネック・Vネック・タートルネックなどバラエティに富んでいますので、暑がりな方は半袖を選ぶなど、好みのものを。
カーディガンも、重ねて着るほかに肩に掛けたりブラウスと重ね着したり、それぞれ別々に使えて着回し力が高いのがうれしいポイントです。
パールボタン、メタルボタンなどディテールで遊び心を加えるのも楽しいですね。
オフィスのボトムスは仕事内容で選ぼう
1日の大半を過ごすオフィスでのボトムスは、動きやすさや仕事のしやすさ、見られたいイメージの形成などに加え、大人女性は特に身体がラクでストレスのない着心地も大切ですよね。
他の部署やフロア間の移動、高い棚の書類の出し入れで踏み台に上がったりなど、動きの多い仕事はやはりパンツがおすすめ。
一方、座りっぱなしの場合はスカートの方が、身体への圧迫が少なく快適に過ごせます。
オフィスコーデにおすすめのパンツ
しゃがんで書類を探したりすることが多いなら、ゆとりのあるワイドパンツがおすすめ。
パンツのカラーも、ジャケットと同様にビジネスシーンで広く使えるネイビー・黒・グレーなどが重宝しますが、秋冬らしいチェック柄もさりげなく季節感を出せておすすめです。
オフィスコーデにおすすめのスカート
オフィスでのスカート丈は、保温効果のあるミドル~ロング丈がおすすめ。秋冬はもちろん、夏でもオフィスの冷房で意外と足元が冷えるという人は多いのではないでしょうか。
▼スカートの丈や種類についてはこちらの記事でもくわしく解説しています
POINT
- オフィスファッションは「仕事をしやすくするツール」と考えて
- トップスはブラウス・ジャケット・アンサンブルニットがあれば着回せる
- ボトムスはよく動くならパンツ、座り仕事ならスカートをメインに
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フリーライター。新聞社や大手通販サイトにてファッション・ライフスタイル系記事を執筆中。幅広い世代の流行やトレンドから、自分を含めた大人女性が毎日のファッションにリアルに取り入れられるアイテムや着こなしのヒントを厳選してお届けします!