ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】ヒデナイト:意味と和名、硬度。クンツァイトとの違いと多色性

淡いエメラルドグリーン色が目をひく「ヒデナイト(hiddenite)」。

エメラルドと同じ鉱山で発見、またその見た目から「リチアエメラルド」との呼び名を持ちます。

誕生石に含まれるなど、有名な宝石ではないためか「三大宝石のひとつに似ている」以上の魅力を秘めていることはあまり知られていません。

「ヒデナイト」はどういった魅力のある宝石なのでしょうか。

今回はヒデナイトの基礎知識についてお届け。

ヒデナイトの意味、和名、石言葉は?

ヒデナイトの意味と和名

アメリカはノースカロライナ州で1879年頃発見されたヒデナイト

プラチナの探索を依頼されていた「ウィリアム・アール・ヒドゥン(William Earl Hidden)」は鉱物コレクターからこの新しい宝石の存在を知らされました。

ヒデナイトという名前は、ヒデナイトが世に出るきっかけとなったこの人物「ヒドゥン(Hidden)」が由来となっています。

また、ヒドゥンはアメリカの発明家「トーマス・エジソン(Thomas Edison)」の依頼を受けてプラチナの鉱脈を探っていたとか。

その目的こそ達成されませんでしたが、幾多もの偶然が重なってヒデナイトは発見されたのですね。

モース硬度は6半から7。
単斜晶系のケイ酸塩鉱物。

劈開は二方向に完全。

和名は「リチア輝石(りちあきせき)」。
鉱物名が「スポジュメン(spodumene)」です。

主な産出地はアメリカ、ブラジル、中国。

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ヒデナイトの石言葉

ヒデナイトの石言葉は「癒し」。

清涼感のある淡いグリーンは、長時間見ていても疲れないといった緑の視覚効果もあって、そのような石言葉が生まれたのかもしれませんね。

ヒデナイトの鉱物名とは。クンツァイトとの違い

ヒデナイトとクンツァイト

ヒデナイトの鉱物名は「スポジュメン」。

この「スポジュメン」は多くの鉱物と同様、純粋な状態では無色から白色を示します。

不純物が含まれることで色がつき、ピンクの変種は「クンツァイト(Kunzite)」。

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グリーンの変種は「ヒデナイト(hiddenite)」。
イエローの変種は「トリフェーン (triphane) 」と呼ばれます。

どの宝石も強い「多色性」を持ち、繊細な美しさが特徴。

その美しさを引き出すため、「スポジュメン」は基本的にファセットカットが施されます。

ヒデナイトは、ミックス・カットやステップ・カット、ラウンド・ブリリアント・カットが人気。

ヒデナイトの魅力。希少性と多色性

ヒデナイトを語る上で欠かせないのが、まずその希少性

結晶はとても小さく、25mmを超えることがほとんどないとされています。
そして細長い結晶で発見されることから、多くのヒデナイトは長方形や先の尖ったボート状など、細長い形に整えられます。

次に多色性
角度を変えるとグリーンからブルーグリーン、そしてイエローグリーンまで、幅広いグリーンを見せてくれます。

そのため「カット」が重要
ファセット(面)をつけるという意味だけでなく、カットの「方向」が重要となります。

正しい方向を見極めてカットを施さなければ、角度を変えて色が異なって見えるという性質をいかすことができないためです。

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これは他の多色性を持つ宝石も例外ではありません。

希少であることに加えて、熟練の技術を持つカッターの腕が重要となるヒデナイト。
ルース(裸石)を購入する際には、ぜひ実際にその目で美しさを堪能してくださいね。

取り扱い時の注意点は?

6半から7、ジュエリーとして身につけるには問題ない硬度を持つヒデナイト。

しかし、劈開が二方向に完全という性質から「衝撃を避けたい宝石」であるといえます。

着用時はもちろん、保管時、お手入れの際も強い衝撃が加わることのないよう注意してください。

超音波洗浄器は厳禁
セーム革などの柔らかい布で乾拭きし、汚れを拭ってください。

また、必ず保管は冷暗所で。

紫外線で退色するといった性質を持つとされているため、太陽光を含む光に晒さないようケースに入れて保管を行なってください。

※クロムが混入したヒデナイトはクンツァイトと異なり退色しないという説もありますが、念のために熱や光を避けて保管することをおすすめします。

POINT

  • 「リチアエメラルド」との別名を持つヒデナイト
  • 名前の由来は地質学者「ウィリアム・アール・ヒドゥン(William Earl Hidden)」から
  • スポジュメンはピンクの変種が「クンツァイト」、グリーンの変種が「ヒデナイト」、イエローの変種が「トリフェーン」
  • 紫外線で退色するため、必ず冷暗所で保管を

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