ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】モルダバイト:意味と和名、硬度。隕石によって作られる宝石の神秘

隕石と宝石。
一見関連のないふたつを繋げる「モルダバイト(moldavite)」をご存知でしょうか。

深いグリーンが特徴的なモルダバイト。

実は大きな隕石が地球の地表に衝突することにより形成された宝石なのです。

今回はモルダバイトの基礎知識についてお届け。

モルダバイトの意味、和名、石言葉は?

モルダバイトの意味と和名

発見地付近の「モルダウ川(Moldau River)」にちなんで名付けられました。
もしくは「モルダウテイン」という町が由来ともされています。

どちらもチェコ共和国にあり、1787年に発見されました。

モース硬度は5半。

和名は「モルダウ石」。
岩石名は「テクタイト」です。

「テクタイト」は「溶けた」を意味するギリシャ語「tektos」から。

主な産出地はチェコ、ドイツ、オーストリア。

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モルダバイトの石言葉

モルダバイトの石言葉は「癒し」「富」
宇宙を感じさせてくれる宝石ということで、神秘的な力が宿っていると信じられています。

モルダバイトはガラスの一種。どうやって形成された?

天然ガラスの一種であるモルダバイト

モルダバイトはテクタイトという天然ガラスの一種です。

つまり、鉱物ではなく私たちのよく知るガラスということ。

ガラスが宝石?となる方もいらっしゃるかもしれません。

確かにテクタイトは至るところで発見され、その色も黒曜石に似た黒色のものがほとんど。

その中でもモルダバイトは産出地がチェコ、ドイツと限定されており、色も深いグリーンからイエローグリーンの範囲を示します。

このグリーンは鉄由来
鉄を多く含むことで印象的なグリーンとなるのです。

産地が限定的なのは、1500万年前にドイツのバイエルン州、ネルトリンガーリースに隕石が落下した際の衝撃でモルダバイトが生まれたから。

衝撃熱により溶けた砂や岩石が飛び散っていく際に冷却され、ガラス化したものをモルダバイトとしているのです。

サイズは1mm未満のものから数cm。
3cmを超えると希少とされています。

溶けて冷却する過程で様々な形になったため、モルダバイトの原石の多くはとても個性的。

岩石名のテクタイトはこの「溶ける」という過程を端的に表していますね。

モルダバイトのカット

原石の表情を生かし、彫刻の素材としても用いられますが比較的脆い宝石です。

内包物も多く、ファセットカットよりもビーズやカボションカットなど、色味を楽しむことを重視したカットが施されます。

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表面に凹凸があったり、模様があったりと色と相まって独特な表情を醸し出しています。

ただし、ファセットカットもなくはありません。
透明度の高いモルダバイトはファセットカットがとても映えます。

取り扱い時の注意点は?

突き抜けて硬度が低いわけではありませんが、板状の原石や引っ掛かりのある原石を加工したジュエリー・アクセサリーなどは特に衝撃を避けてください。

手入れの際も同様、汚れは柔らかい布で拭うなど優しく扱ってくださいね

POINT

  • モルダバイトは発見地である「モルダウ川(Moldau River)」もしくは「モルダウテイン」が由来
  • 隕石の落下衝撃により砂や岩石が溶け、冷却されて形成されたモルダバイト
  • 天然ガラス、テクタイトの一種であり、主にチェコ、ドイツで取れる深いグリーン〜イエローグリーンを示す
  • 板状の原石などは、着用時はもちろん保管時も注意

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