「サンストーン(sunstone)」は太陽のような暖かな色と、光を受けて輝くインクルージョンが美しい宝石。
ちらちらと輝くインクルージョンは、いつまで見ていても飽きませんね。
認知度も高くメジャーな宝石ですが、その一方どんな鉱物なのかは知らない方も多い宝石です。
今回はサンストーンの基礎知識についてお届け。
サンストーンの意味、和名、石言葉は?
サンストーンの意味と和名
「サンストーン(sunstone)」は日本語で「太陽の石」。
その色と輝きが名前の由来です。
見た目の印象から名付けられた宝石名であり、鉱物名は別にあります。
この鉱物名については後述しますね。
モース硬度は6〜6半、三方晶系の珪酸塩鉱物。
劈開は二方向に完全。
和名は「日長石(にっちょうせき)」。
ちなみにムーンストーンは「月長石(げっちょうせき)」と呼ばれ、太陽を表す「日」と「月」で対になっています。
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主な産出地はアメリカ、ノルウェー。
アメリカ・オレゴン州の州石に制定されています。
サンストーンの石言葉
サンストーンの石言葉は「きらめき」。
太陽に関連づけられている宝石は数多くありますが、その中でも古くから「太陽の象徴」として崇められてきた宝石です。
サンストーンの輝きの秘密。長石グループとは
サンストーンの地色とアベンチュレッセンス
赤、黄、橙。
サンストーンの色といって思い浮かべるのはこの三色ではないでしょうか。
実はこの三色に加え、無色、緑、褐色などのバリエーションがあります。
和名の項でも言及しましたが、ムーンストーンと同じ「長石」グループに属する仲間。
長石にはラブラドライト、アマゾナイトといった宝石もあります。
この長石のうち前述の地色を示し、アベンチュレッセンス(アベンチュリン効果)を持つものをサンストーンとしています。
特に以下の二種類がサンストーンに多く見られます。
- オリゴクレース(和名:灰曹長石〈かいちょうそうせき〉)
- オーソクレーズ(和名:正長石〈せいちょうせき 〉)
アベンチュレッセンスとは、宝石内部に板状、または細やかなインクルージョンが集まってメタリックな輝きを示す効果のこと。
シラーとも呼ばれますが、ムーンストーンとは異なる「光を反射する」強い輝きが特徴です。
このインクルージョンはヘマタイトやゲーサイト、銅であったりと産地によってさまざま。
つまり、アベンチュレッセンスを示すのであればサンストーンとされ、鉱物の種類は問われません。
オレゴン・サンストーンと評価の基準
主要な産地であげたアメリカ。
オレゴン州で産出したものはオレゴン・サンストーンと呼ばれ、天然で未処理であることから高い人気を誇ります。
また、細やかな銅のインクルージョンも特長。
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赤と緑のコントラストが美しいバイカラーのオレゴンサンストーンは高く評価されます。
サンストーン全般としては、カラーは深い赤、インクルージョンの入り方が美しいものが好まれる傾向。
インクルージョンは小さければシルクのような輝きを、大きければ強い光沢を放つのでそれぞれの魅力がありますね。
取り扱い時の注意点は?
圧迫に弱い石のため、衝撃を避けて着用しましょう。
超音波洗浄器の使用は厳禁。
また、熱湯・長時間紫外線を当てることも避けてください。
POINT
- サンストーンはムーンストーンと同じ長石グループに属する
- オリゴクレースやオーソクレーズ、それ以外の長石にもサンストーンが見られる
- インクルージョンはヘマタイトやゲーサイト、銅など産地によって多様
- インクルージョンの輝きは「アベンチュレッセンス」とも呼ばれる
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。