秋冬のニットやカットソー、ワンピースなどでよく見かける「タートルネック」。
首もとを覆うデザインは見た目にもあたたかく、季節感がありますよね。
ところで、ニットの売り場にいくとタートルネック以外にも首もとの立ち上がった「ハイネック」や「モックネック」、「ボトルネック」といったアイテムを見かけます。
「よく似てるけど別のもの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
今回はこれらのデザインや違いについて解説します。
タートルネックとは?意味とデザイン
タートルネック(turtleneck)は、ニット(セーター)やカットソーなど伸縮性のある素材のアイテムにおける首もとのデザインの名称で、首に沿って長い衿がついていて、折り返したりくしゅっとたるませたりして着こなします。
タートル(turtle)は英語で亀のこと。
亀の首のように長い形からこの名がついたと言われていますが、タートルネックはアメリカで広く使われている言い方で、イギリス英語では「ポロネック(poloneck)」の方が通じるようです。
日本語ではお酒の徳利に似た形から「とっくり」とも呼ばれていましたが、40代・50代の読者の皆さんでも、子供の頃に親が使うのを聞いたくらいで、今は「タートル」と呼ぶ人がほとんどではないでしょうか。
薄手のタートルはインナーに最適
タートルネックのアイテムは秋冬を中心に、素材や厚みもバラエティ豊かです。
薄手のタイプはジャケットやワンピース・チュニックなどのインナーに最適。
2022年10月には、フランスでマクロン大統領がワイシャツとネクタイのかわりに首もとがあたたかいタートルネックを着て「暖房費を節約しよう」と呼びかけたのをきっかけにタートルネックが流行しているというニュースも流れました。
ざっくりニットは冬コーデの主役
ふんわり厚手のざっくりとしたタートルニットは、冬ならではの着こなしを満喫できるアイテム。
下の写真のような大きく首もとを囲むタートルネックは「オフタートル」とも呼ばれます。
ハイネックとは
ハイネックの「high」は英語で「高い」を意味し、一般的な丸首(クルーネック)がそのまま真上に高くなったような首もとのデザインをいいます。
タートルネックとの違いは、基本的にハイネックは折り返さずにそのまま着るという点。
肌が敏感になりやすい大人世代の女性には「ぴったりしたタートルネックやハイネックはチクチクして苦手」という人も少なくありません。
少し首回りにゆとりのあるハイネックニットなら、あたたかさはキープしつつ、より快適に過ごせそうですね。
モックネックとは
ファストファッションのブランドなどでよく見かける「モックネックニット」といった商品名。
実は明確な定義はなく、短めのハイネックを「モックネック」と呼ぶことが多いようです。
モック(mock)は英語で「偽の」という意味で、折り返したタートルネックに見えて実は短いハイネックである…というニュアンスですね。
タートルネックよりもカジュアル感が抑えられるので、よりすっきりとした着こなしに仕上がるのが特徴です。
ボトルネックとは
ボトルネックは、英語で「瓶(びん)」を表す「ボトル」からついたネーミングで、牛乳びんのようなやや上部がすぼまったハイネックのことをいいます。
下はニットではなくスウェットですが、一般的なクルーネックと比べると首もとがあたたかそうで、秋冬らしさが感じられますよね。
ここまで、タートルネックやハイネック・モックネック・ボトルネックなどいろいろな首もとのデザインを紹介しましたが、「正直、まだよく分からない」「どれも同じに見える」という人もいるのでは?
実は、タートルネックには「折り返せる」という特徴がありますが、それ以外の区別はあいまい。
メーカーやブランドによっても呼び方が異なり、ほぼ同じ形でも「ハイネック」と呼んでいたり「モックネック」と呼んでいたり…というのが実情です。
ショッピングの時も、あまり名称にはこだわらず、ぜひ好きなデザインを選んで下さいね。
POINT
- 「タートルネック」は長く折り返せる形
- 「ハイネック」はクルーネック(丸首)がそのまま上へ高くなった形
- 「モックネック」もハイネックの一種で、やや高さをおさえた形
- 「ボトルネック」もハイネックの一種で、少し上部がすぼまった形
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フリーライター。新聞社や大手通販サイトにてファッション・ライフスタイル系記事を執筆中。幅広い世代の流行やトレンドから、自分を含めた大人女性が毎日のファッションにリアルに取り入れられるアイテムや着こなしのヒントを厳選してお届けします!