「アパタイト(Apatite)」。
名前は知っているという方も多い宝石ではないでしょうか。
それもそのはず。
ブルーをはじめとする美しい色の宝石は、実は私たちの身近にあるものと構成成分が同じ。
今回はアパタイトの基礎知識についてお届けします。
アパタイトの意味、和名、石言葉は?
アパタイトの意味と和名
ギリシャ語でごまかし、策略、詐欺師を意味する「apate」が語源のアパタイト。
これはアパタイトが様々な宝石に間違えられてきたことを物語っています。
アクアマリンや蛍石などの青い宝石をはじめ、トルマリン、アメシストとも混同されてきたのです。
これはカラーバリエーションの豊富さと、産出地の多さから。
また、他の鉱物の結晶に似ていることが多いことも理由のひとつ。
アパタイトの和名は「燐灰石(りんかいせき)」。
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アパタイトの石言葉
アパタイトの石言葉は「やさしい誘惑」。
古くから多様な国で信頼と自信、調和を象徴する宝石として重んじられてきました。
アパタイトの成分とは。ネオンカラーとアスパラガス・ストーン
アパタイトは歯と骨と一緒の成分
人間をはじめとする様々な動物の歯や骨を構成する主要成分であるアパタイト。
歯磨き粉の成分や外科医療にも用いられます。
とはいっても、色も形からもあまりイメージができませんよね。
カルシウムの一種と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
歯や骨と聞くと頑丈に思えますが、実は傷がつきやすく柔らかいため、あまり宝石としては用いられない宝石です。
アパタイトのネオンカラーとアスパラガス・ストーン
様々な宝石と間違えられてきたと述べましたが、個性がないつまらない宝石というわけではありません。
ブルー以外にもイエロー、パープル、グリーンと豊富なカラーバリエーションを持ち、宝石質のものは大変美しいとされています。
パライバ・トルマリンに似たネオンカラーを持つもの。
キャッツアイ効果を示すもの。
スペインで産出するイエローグリーンのものは、アスパラガス・ストーンと呼ばれ採れたての青々しいアスパラガスのような色味をしているとされています。
また、ブルーのネオンカラーはパライバ・トルマリンかアパタイトといった限られた宝石にしか見られないということで大変人気があります。
コレクターが惚れる鉱物
様々な宝石に間違えられるアパタイト。
結晶の形が定まらないことも理由。
基本は六角柱状ですが、六角板状、多角形のように、結晶の形もバリエーションが豊富なのです。
このような性質がコレクターを引きつけ、透明度の高いものでなくとも個性のある佇まいのものは隠れた人気があります。
取り扱い時の注意点は?
硬度は5。
取り扱いには注意が必要となる硬度です。
衝撃を避け、保管時も他の宝石とぶつからないように個別で保管しましょう。
POINT
- 歯や骨と同じ成分を持つアパタイト
- カラーバリエーション、結晶の形も豊富で古くより様々な宝石に間違えられてきた
- 宝石質の産出が少なく、ネオンカラーや瑞々しいイエローグリーンはさらに希少
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。