スイスといえば、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。
ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアなどの国々に囲まれ、ヨーロッパの中心に位置するスイスは、高級時計ブランドを数多く生み出していることでも知られています。
今回ご紹介するブランドもそのひとつ。
【ジュエリーブランドの名品】第十四回目は「Chopard(ショパール)」をお届け。
ウォッチブランドとしてのみならず、ジュエリーブランドとしても名を馳せる高級ジュエラーの魅力をお届けします。
農家生まれの時計職人からはじまったショパール
ウォッチブランドの聖地が生んだ「ショパール」
1860年、ショパールは小さな時計工場としてその歴史をスタートさせました。
創始者はルイ・ユイス・ショパール。
農家生まれのショパールは時計職人として腕を磨きブランドを創立するまでになるのですが、農家から時計職人となったのには生まれた土地ならではの理由がありました。
ショパールが生まれたスイス北西部のソンヴィリエでは、作物が収穫できない冬に時計の組み立て作業を行い、収入を得ていました。
任される仕事は一部だけだったのですが、ショパールは部品を集め製品を完成させてしまうほど、高い技能を持っていたのです。
精密機械である時計の組み立ては、ほこりなどが入らないよう制作に適した土地は限られています。
アルプス山脈が近くにある、澄んだ水と空気が整ったスイスの農家生まれだったからこそ、ショパールの才能が開花したといえるでしょう。
ウォッチブランドからジュエリーへ手を広げたショパール
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ルイ・ユイス・ショパールの孫、ポール・アンドレ・ショパールに経営が引き継がれてから、ショパールはブランドの転換点を迎えます。
父ポール・ルイ・ショパールの時代とは異なり経営が困難に。
会社の売却をも考えていたポール・アンドレは一人の人物と出会うことで活路を見出しました。
その人物の名はカール・ショイフ。
ドイツ生まれの彼は代々時計や宝飾品を扱う自身の会社の発展のため、新たなパートナーを探しにスイスに足を運んだのです。
ポール・アンドレ・ショパールとカール・ショイフ。
この二人の出会いが、現在私たちの知るショパールの礎を築いたといえるでしょう。
カンヌ国際映画祭オフィシャルパートナーとしての顔
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その確かな手腕で、現在ハイジュエラーとして名を馳せているショパール。
もともとウォッチブランドであったことを知らない方も多いのではないでしょうか。
知らない部分を知ることでより愛着や興味が湧くもの。
そこでもうひとつ、ショパールについて知っていただきたいことがあります。
レッドカーペットを彩る数々のドレスにジュエリー。
身につけるセレブリティの写真がSNSを賑わすのは初夏の風物詩ともいえる、カンヌ国際映画祭。
そのオフォシャルパートナーを務めているのがショパール。
身につけられるジュエリーのほか、トロフィーの制作も手がけています。
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シャロン・ストーンやベラ・ハディッドなど、言わずと知れたセレブリティたちが身にまとってきました。
ショパールを代表する名品たち
優れた才能を持つ人物たちを輝かせてきたショパール。
至高の美しさは身につける人自身の魅力を引き立てます。
ここではショパールを代表する3つの名品をご紹介。
Happy Heart(ハッピーハート)
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「寛大さと他人に対する思いやり」。
ショパールの価値観を、アイコニックなハートと揺れ動くダイヤモンドで表現したコレクション。
愛に溢れた人生、自分こそが物語の主人公として生きる。
そんな自立心と確かな想いをバックアップしてくれるジュエリーといえるでしょう。
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ハートはフラワー、蝶と形を変えて軽やかな美しさを表現。
ICE CUBE(アイスキューブ)
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その名の通り、冷たく硬い氷のキューブからインスピレーションを得たコレクション。
面と辺、角といったシャープな線で構成されたジュエリーは、モダンな魅力を讃えて。
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連なったキューブは静寂な佇まいを見せますが、光のもとでは面から面へと表情が変わる動きのあるジュエリーに。
時を超越するミニマムなデザインに、きっと惹きつけられます。
L’HEURE DU DIAMANT(ルール・ドゥ・ディアマン)
「ダイヤモンドは永遠である」。
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地球が生み出した不変性の高い鉱物、ダイヤモンドの魅力を体現したコレクション。
用いられるのはメゾンが誇る技術力と最高品質のダイヤモンド。
受け継がれてきた技巧と英知、メゾンのすべてを捧げて生み出されたジュエリーは、「ショパール」ファンでなくとも必見。
POINT
- ウォッチブランドの聖地、スイスで1860年に誕生したショパール
- 創始者の孫であるポール・アンドレ・ショパールとカール・ショイフの出会いが、現在のショパールを築いた
- カンヌ国際映画祭のオフィシャルパートナーを務め、ジュエリーだけでなくトロフィーも手がけている
【あわせて読みたい】ジュエリーブランドの名品、バックナンバーはこちら!
第一回:TASAKI
第二回:TIFFANY&CO.
第三回:Cartier
第四回:Van Cleef & Arpels
第五回:BVLGARI
第六回:NIESSING
第七回:BOUCHERON
第八回:MAUBOUSSIN
第九回:CHAUMET
第十回:Pomellato
第十一回:MELLERIO
第十二回:Harry Winston
第十三回:MIKIMOTO
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。