宝石、ジュエリー。
世界中で産出し、作られているものであり、時や国というボーダーを超えた魅力を放ちます。
ジュエリー作りが盛んな土地として、ひと際注目を集めるのがヨーロッパ。
観光地としてもよく知られたフランス・パリのヴァンドーム広場に店舗を構える、特別な五つの宝飾店を「グラン・サンク(Grand Cinq)」と呼びます。
今回はグラン・サンクについて。
ヴァンドーム広場とはどのような場所?
名を連ねるブランドの紹介、世界五大ジュエラーとの違いについてお届けします。
ジュエリーの街、パリ。ヴァンドーム広場ってどんな場所?
フランス・パリのジュエリー業界を盛り上げてきた老舗ジュエラーが集う場所。
ヴァンドーム広場はパリ1区に位置する世界でも有名な広場であり、八角形に設計されています。
1702年、ルイ14世の首席建築家であったマンサールが発案。
八角形の珍しい形の広場を手がけたマンサールは、ヴェルサイユ宮殿のモニュメントやグラン・トリアノンを手がけたことでも知られています。
ルイ14世を讃えるために造られたヴァンドーム広場は、革命やクーデターなどフランスの歴史の転換点の舞台となった場所でもあるのです。
ヴァンクリーフ、ショーメなど有名ブランドが名を連ねるグラン・サンク
現在は高級ブティック・ジュエリーショップが立ち並ぶヴァンドーム広場。
貴族の邸宅であった建物を店舗として利用、誰もが知っている「シャネル」や「カルティエ」も店舗を構えています。
ヴァンドーム広場に店舗を構えるジュエリーブランドのうち、五つの宝飾店がグラン・サンクと称されています。
フランス語で「大きい、偉大な」という意味の「grand(グラン)」、数字の「5」を意味する「cinq(サンク)」。
「偉大な五つの宝飾店」という意味で、フランス高級宝飾店協会により1940年代後半に結成。
ジュエリー業界に多大な影響を与えてきたたくさんのジュエラーが集い活動を行ってきましたが、最終的に残った五つのブランドがグラン・サンクと呼ばれるようになったと伝えられています。
- ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)
1906年創業のヴァンクリーフ&アーペル。
世界五大ジュエラーにも名を連ねる唯一のブランドです。
宝石の輝き・色を最大限に活かす「ミステリーセッティング」やブランドのシグネチャである「アルハンブラ」は日本でも根強い人気を誇ります。
- ショーメ(CHAUMET)
1780年にブランドの前身となるブランドが創業、1902年にヴァンドーム広場に活動の場を移したショーメ。
ナポレオンをはじめとする王侯貴族御用達のジュエラーであり、ダヴィットの絵画にもショーメのジュエリーが登場します。
ナポレオンの皇后からインスピレーションを得た「ジョセフィーヌ」など、気品漂うデザインが特徴的。
- ブシュロン(BOUCHERON)
ヴァンドーム広場に一番最初に店舗を構えたのがブシュロン。
創業は1858年、その35年後の1893年にヴァンドーム広場に移転。
八角形の広場をモチーフにした時計といった伝統的な魅力が伝わるものから、「ジャック・ドゥ・ブシュロン」のようなグラフィカルで新鮮さを醸すジュエリーまで、幅広いデザインを展開しています。
- メレリオ(MELLERIO)
知る人ぞ知る、最古のジュエラーであるメレリオ。
創業は1515年、「メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO DITS MELLER)」という名前の方か親しみがあるかもしれませんね。
金属加工技術を活かしてトロフィーを手がけるなど、その活躍はジュエリー業界に留まりません。
- モーブッサン(MAUBOUSSIN)
1827年創業のモーブッサン。
ハイジュエラーであるのにも関わらず「手に届くラグジュアリー」を体現しており、ハイクオリティなカラーストーンをお探しの方におすすめのブランド。
200年と長い年月をかけて築き上げたブランドの信念は、揺るぎない個性をベースに新しいクリエイションを続々と生み出しているのです。
世界五大ジュエラーとグランサンクとの違い
グラン・サンクとよく間違われるのが「世界五大ジュエラー」。
「カルティエ」「ハリーウィンストン」「ティファニー」「ブルガリ」とさまざまな国のジュエラーが名を連ねます。
唯一両方に名を連ねるのが「ヴァンクリーフ&アーペル」。
日本では世界五大ジュエラーが、グラン・サンクより知られているかもしれませんね。
POINT
- パリ・ヴァンドーム広場に店舗を構える五つのジュエラーが名を連ねるグラン・サンク
- 1940年代後半にフランス高級宝飾店協会により結成
- 世界五大ジュエラーとは異なるが、唯一ヴァンクリーフ&アーペルが両方に数えられている
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。