ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】マラカイト:意味と和名、縞模様や「雄牛の目」って?

濃緑に浮かび上がる、華やかな模様。
マラカイト(Malachite)」という鉱物は、その美しい色を活かして化粧品や顔料、ガラスの着色に用いられるなど、5000年以上も前から人の生活に密に関わってきました。

もちろん装飾品としての用途もあり、その独特の泡模様、縞目模様を「目」に見立て、お守りとして身につけられることも。

今回はマラカイトの基礎知識についてお届けします。

マラカイトの意味。和名、石言葉は?

マラカイトの意味と和名

艶やかな輝きと濃緑、泡模様や縞模様。
ギリシャ語で植物のゼニアオイを意味する「マロウ(moloche)」がマラカイトの語源。

濃緑の葉、淡い紫の花を咲かせる植物で、茎はハーブティーの材料としても人気があります。

マラカイトの主な産出地はロシアのウラル山脈、コンゴ共和国、オーストラリア。

硬度は3半から4半、単斜晶系の炭酸塩鉱物。

劈開一方向に完全です。

マラカイトの和名は「孔雀石(くじゃくいし)」。

由来が二つあり、ひとつは模様が孔雀の羽に似ていることから名付けられたという説。
もうひとつが、孔雀の羽の絹のような光沢を放つことから名付けられたという説。

どちらにせよ、名付けた人は孔雀の羽のような華やかな美しさをマラカイトの中に見たのでしょう。
結晶によって、異なる光沢を放ち、繊維状晶では絹糸光沢をみせてくれます。

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マラカイトの石言葉

マラカイトの石言葉は「危険を伴う愛情」。
その模様から「目」にまつわる逸話が多く残されております。

目元に塗ると小虫を遠ざけられるため、粉末状にしてアイシャドウとして。
宝石としてだけでなく、顔料としての歴史も古い宝石です。

マラカイトの模様の種類。「雄牛の目」とは?

鉱物の産出形状はさまざま。
結晶の形が目に見えるものから、微細な結晶の集合体など、その鉱物の色・輝きと相まって原石は多彩な魅力に溢れています。

マラカイトの多くは塊状で産出

ぶどうの房のように球が集まったものや、フリルが重なったような結晶など、結晶の形はとても個性的です。

実はその結晶の形により、引き出される模様も異なることはご存知でしょうか。
マラカイトの代表的な模様は二種類。

マラカイトの縞目の種類は?

  • 泡(または目)模様

マラカイトといえば、緑色に独特の泡模様。
球体状の結晶を磨くことにより、湧き出る泡を彷彿とさせる模様が浮かび上がります。

泡模様、または「雄牛の目」と呼ばれ、同心円状に近いものほど高品質と評価されます。

濃緑が引き立つ淡い緑、白のコントラストがはっきりしていることも評価基準のひとつ。

  • 縞模様

もうひとつの特徴的な模様が縞模様。
地層のように重なる色味は、泡模様と比べると柔らかい印象を与えます。

泡模様と同様、その模様を堪能するためにタブレット状に磨かれる傾向にありますが、ビーズやカボションでは縞模様が多く見られます。

取り扱い時の注意点は?

硬度が低いため、衝撃には注意。
着用時・保管時には他の宝石に当たらないように気をつけてくださいね。

また、多孔質なので、水分・油分を避けて。
水分が入ることで変色の恐れがあるため、使用後の乾拭きはしっかりと行ってください。

POINT

  • 宝石以外にも、化粧品、顔料と幅広く用いられてきたマラカイト
  • 色の濃淡がはっきりしている・同心円状に近い模様になるほど高品質
  • 模様は泡(目)と縞の二種類
  • 硬度が低く多孔質という性質上、取り扱いは慎重に

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