見ているだけで気持ちがほぐれていくようなピンク。
ローズクオーツにクンツァイトなど、さまざまなピンク色の宝石があります。
その中でも、似ているピンクの宝石といえば、ロードクロサイト(rhodocrosite)とロードナイト(rhodonite)が挙げられますよね。
どう違ってどう見分けるのか。
今回はロードクロサイトとロードナイトについて。
まずはロードクロサイトから見ていきましょう。
ロードクロサイトとロードナイトの意味、和名、石言葉は?
ロードクロサイトの意味と和名
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ギリシャ語でそれぞれバラと色を意味する「rhod-」と「chros」が由来となった合成語。
別名はインカローズ。
「インカ」は主な産出地が南米であることから。
「ローズ」はロードクロサイトの代表的な産地、アルゼンチンのアンデス山中で採れる良質な結晶がバラの花に似ていることから名付けられました。
モース硬度は3半から4、三方晶系の炭酸塩鉱物。
カルサイトと同じグループの宝石で、劈開は三方向に完全。
ロードクロサイトの和名は「菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)」。
ピンク色で知られている宝石ですが、不純物の混入の程度により灰や白、黄色まで出現します。
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ロードクロサイトの石言葉
ロードクロサイトの石言葉は「新しい愛とロマンの到来」。
インカ帝国の人々の間では、ピンクのバラ模様をした真珠だと信じられていたとか。
柔らかな色味は、あたたかな愛を象徴するかのようですね。
ロードナイトの意味と和名
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ロードクロサイトと同様「rhod-」と石を意味する「ite」の合成語。
混同されがちなロードライト・ガーネットとは別種の鉱物。
ロードライト・ガーネットは、紫赤色〜赤褐色
モース硬度は6、三斜晶系の珪酸塩鉱物。
通常、硬度7以上の鉱物がジュエリーに用いられます。
ロードナイトは標準より硬度が少し低いものの、ロードクロサイトより高い硬度を持ちます。
劈開は二方向に完全。
ロードナイトの和名は「薔薇輝石(ばらきせき)」。
輝石ではなく、構造が類似している半輝石に分類。
ロードクロサイトとは異なり、ピンクから赤と色の幅が限定されています。
ロードナイトの石言葉
ロードナイトの石言葉は「うちに秘めた熱い思い」。
悪いものを寄せ付けない強さを持ち、除霊や呪いを解く力があると信じられていたのです。
ネイティブアメリカンたちにとって、ロードナイトはターコイズと並ぶ魔除けの石。
お守りとして身につけたり、儀式にも用いられていました。
ロードクロサイトとロードナイトはどう見分ける?
ロードクロサイトとロードナイト。
硬度も成分も異なるといっても、名前も似ていればどちらもピンク。
見分けがつかないなんて方も多いのではないでしょうか。
鉱物収集家に絶大な人気を誇るロードクロサイト
パワーストーンとしての人気も高いロードクロサイト。
ビーズのほか、カボションやカメオに加工されます。
よく見るのは、淡いピンクに白い縞目の不透明のロードクロサイトではないでしょうか。
しかし、ロードクロサイトには透明なものもあります。
高品質なロードクロサイトは色が濃く透明度が高いため、コレクターをはじめとして宝石好きの間でとても人気です。
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特に、アメリカのスイートホーム鉱山では「アルマ・ローズ」と呼ばれる、透明度が高い上質なチェリーレッド色が産出。
現在は閉山しているため、その美しさと希少価値から高値で取引される傾向にあります。
ロードナイト
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オーストラリアやアメリカ、そして日本でも産出するロードナイト。
岩手県は野田玉川鉱山、愛知県は田口鉱山で採れます。
通常半透明で、マンガンを多く含むことで表れる黒斑が見られるものも。
ロードクロサイトと同様、マンガン鉱床で産出します。
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オーストラリア産で赤色が強く、透明度の高いものは「インペリアル・レッド・ロードナイト」と呼ばれます。
カットを施すことで、色の魅力がより増しますね。
どちらの宝石にも透明、不透明があります。
ロードクロサイトは白い縞模様、ロードナイトには黒い葉脈状の模様があるため、そこで判断するといった方法もありますが十分とはいえません。
白い模様はロードナイトにもあり、また透明石となると見た目での判断は難しくなります。
カット済みのものでなく原石を購入する場合、結晶の形の違いから判断もできますが、それもたくさん見て手にとって学んできた人だからこそ可能なこと。
やはり、最初は信頼のおけるお店を見つけ、そこから購入することをおすすめします。
取り扱い時の注意点は?
ロードクロサイトとロードナイトは劈開が完全。
割れやすいため超音波洗浄器は厳禁、衝撃にも注意しましょう。
また、どちらも酸に弱く、使用後は汗を拭うためセーム革などの柔らかい布で乾拭きを。
ロードクロサイトは紫外線によって退色するおそれがあるため、陽の当たらない場所で保管してくださいね。
POINT
- ロードクロサイトはインカローズとも呼ばれる縞目が特徴的な宝石
- ロードナイトは硬度6、ロードクロサイトよりも比較的濃いピンク
- どちらも透明石があり、限られた鉱山でのみ産出する希少価値の高いもの
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。