2021年春夏のファッショントレンドは?
新型コロナウイルスの流行が再び大きな波となり、2021年1月7日には緊急事態宣言発令。何かと先行きが不透明な時代ですが、激動の時代の中でも希望や明るさを見つけていきたいものです。
今回は2021SS(春夏)レディスファッショントレンドのヒントをお届けします。
「風の時代」…希望の光を探す2021年
波乱の年2020年から、さらに激動の時代となっている2021年。
新型コロナ禍が契機となり、私たちの社会は大きな転換期を迎えています。お仕事の環境が大きく変化した方もいらっしゃるのでは。
そんな中、2021年は西洋占星術における「風の時代」の始まり、という見立てが話題となりました。
ここでは「風の時代」という言葉のイメージや、「持つ」から「知る」へ…物質的な所有より情報・知識を重視するといった時代の価値観の大きな変わり目を意識した人が多かったという点に注目したいです。
ライフスタイルはもちろん、もの作りに直結するマテリアルやエネルギー、経済の仕組みまで変化(2021-2022秋冬シーズンに向けたトレンド予測記事もご参照ください)しはじめる2020年代のスタートとなる2021年。
ニューノーマルの着地点を模索する試みが続きます。
新しい風と希望の光…次の時代に向けてのマインドチェンジ、意識しておきましょう。
リアルとロマンティック。デザイン性の再評価
半年前の2021SSトレンド記事であげたサステナブル(持続可能な)プロテクティブ(保護する)チルアウト(落ち着く)といったキーワードが具体化している2021年春夏。
コンフィ(快適)なエレガンスムードを基調に、リモートワークなどライフスタイルの変化に合わせ、私たちの服装は風の時代にマッチした「軽やかでエフォートレス(がんばらない)な雰囲気」へとシフトしています。
具体的に注目したいのは2つの傾向。
新しいスタンダード──リアルクローズ/ユーティリティウェア
ファッションビジネスの課題が新型コロナ禍で際立ち、もの作りは過渡期の時代へ。
2021SSに向けては、サステナブルやタイムレス(長く着られる)への視点、実際に日々着られるリアルクローズへの意識が目立っています。
シンプルなユーティリティ(実用的)ウェアの充実。タイムレスな定番アイテムを再認識したり、スポーツ・ワークのエッセンスを取り込んだり、機能性の高い素材やサステナブルなエコ素材を使い、軽やかなスタイルに仕上げたり…。
新しいベーシック、新しいスタンダード。2021年春夏はデイリーなワードローブを改めて見直すシーズンになりそうです。
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ナチュラルなロマンティックムード、デザインアイテムの拡大
もうひとつは、コンフィなエレガンスムードを基調にした、よりロマンティックな表現。
ファッションやデザインの持つスペシャルな感覚を再認識する方向です。
自由さや自然への憧れ、「自分の内面が満足する好きな服を着たい!」という気分。またサステナブル意識の高まりから、デザイン性のある服を大切にしたりレイヤードコーデを工夫する「愛着志向」への意識変化。
美しいデザインや、ぬくもりのある手仕事感を改めて味わいたい機運が高まりそうです。
特に花や自然からのインスピレーション、クラフト感のあるロマンティックムード、ヴィンテージ感覚やボヘミアンムードに注目して。
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2021年春夏、カラー・素材・デザインのポイントは?
COLOR
風や光、花や空の色…明るいカラーで希望を感じたい!
ダスティ(くすみ)感が抜けてきて、透明感のあるペールカラーとより色味のはっきりしたソフト~ライトカラーが増えそう。
注目カラーは風や光を感じるホワイト系とイエロー系。ピュアなホワイト~淡いベージュやクリームイエロー、アクセントになるイエローまで。
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プルミエールヴィジョンもイエロー推しでしたし、パントーンではイエローとグレーの組合せを2021年のトレンドカラーとしていました。世界的に、未来に向けて「希望の光」を感じたい!という心理がありそうですね。
またコーラルピンクやピスタチオグリーン、サックス~デニムブルーなど、より色味のある明るいカラーも増加。夏にむけてはヘルシーなオレンジやレッドも注目です。
FABRIC
風や透明感を感じるロマンティックなシアー素材は2021年春夏も人気。
いっぽう、メリハリとしてハリ感素材…ぱりっとしたコットンやリネン、高密度素材、ぷるんとした落ち感のあるエレガントな素材も増加。
サステナブルなエコレザーなど新しい素材も増えているので、異素材ミックスを楽しんで。
楊柳などのナチュラルな凹凸感やクラフト感のあるレース、刺繍など手仕事の雰囲気を感じる凝ったテキスタイル人気が再燃してきます。
春夏に人気となる花柄は、ボヘミアンムードや絵画調に注目。アートや手書き風の柄も復活しそう。
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DESIGN
2021年春夏は、新型コロナ禍のライフスタイルに寄り添う提案が豊富なシーズンです。
コンフィでエフォートレスなエレガンスムードをベースに、少しひねりのあるデザインアイテムを組み合わせて自分らしいコーデを工夫してみて。
・風を羽織るアウター
アウターは量感のあるコートやマウンテンパーカ、大き目ショルダーのメンズライクジャケットなどを大胆に羽織るイメージ。プロテクティブな機能素材や新素材の投入も多いゾーン。
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・ロマンティックなワンピース/ブラウス/スカート
ロマンティックな雰囲気を楽しんで。着心地の良い、柄やディテールにひねりのある、レイヤードしやすいデザインアイテムの注目度が上昇中です。
盛り袖など袖デザインのバリエーションが増加。シャツもヴィンテージ感や甘さのある「シャツブラウス」に注目。
ギャザーやフレア、ティアード(ギャザーを段に重ねた)ディテールが人気になりそうです。
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・ニットデザインのバリエーション
着心地のいいニットトップスやニットパンツ、セットアップも継続人気。
ウォッシャブルなど機能性を追求する一方、クラフト感のある編地やレイヤードパーツとしてのニットベスト、ケープ、ボレロなどにも注目。
スリットや前後差、結ぶディテールなどひねりのあるデザインバリエーションを楽しんで。
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・ユーティリティなスポーツアイテムやデニムを新しく
タイムレスな定番アイテム、フーディ(パーカ)やスウェット、トラックスーツ…着心地のよいユーティリティなスポーツウェアやワークウェアのエッセンスを取り入れたアイテムが増加。
また、デニムを改めて見直す機運も高まっています。
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・アクセントになるレイヤードパーツアイテム、アクセサリー
コーデにアクセントをつけるアイテム…「つけ衿」のようなレイヤードパーツ、大ぶりなアクセサリーにも注目。
POINT
- 2021年は新型コロナ禍の動乱の時代の中、希望の光や新しい風を求めるシーズン
- 風を感じる軽やかでエフォートレスな服装にシフト。「リアルクローズ」と「ロマンティック」に注目
- 明るいカラーやロマンティックなアイテムも取り入れて自分らしいコーデを工夫しよう
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。