ジュエリーの基礎知識

12の【希少な宝石】一覧。あなたはどれだけの種類を知っている?

宝の石。
その名の通り、「宝石」と呼ばれるものは希少で美しいものばかり。

そのなかでも珍しく、コレクターをも魅了する鉱物があります。

タンザナイトパライパ・トルマリン…、トラピッチェ・エメラルドコンクパールなど、青から緑、ピンクのさまざまな種類の宝石たち。

今回はレアストーンとも呼ばれる希少な宝石について。
産地や色によって希少とされるものから、存在そのものが希少な宝石まで、12の宝石をご紹介します。

限られた産地で採れる宝石8選

タンザナイト

ゾイサイトのなかで、青から紫の幻想的な色合いのものをタンザナイトと呼びます。
タンザニアのメレラニ鉱山でのみ産出。

参考記事:【宝石の種類】タンザナイト:意味と誕生月、由来はティファニー?

パライバ・トルマリン

ブラジルのパライバ州でしか産出しないと言われていたパライバ・トルマリン
似た色味を示すトルマリンは「パライバ」の名を冠して販売されていることもあります。

ブラジルのパライバ州ほか、ブラジルのリオグランデノルデ州、ナイジェリアやモザンビーグで産出。

参考記事:【宝石の種類】トルマリン:意味と誕生月、パライバやウォーターメロンとは

パパラチア・サファイア

タイにミャンマー、スリランカなど、世界各国で産出するサファイア。
パパラチア・サファイアはスリランカのラトナプラが有名ですが、マダガスカルのイラカカ、タンザニアのソンギアでも産出します。

参考記事:【宝石の種類】サファイア:意味と誕生月、パパラチア・サファイアとは?

アウイナイト

ラピスラズリと同じ鉱物ですが、不透明ではなく透明なアウイナイト
産出地はドイツのアイフェル鉱山。

ラピスラズリと異なり、アウイナイトはアイフェル鉱山でしか産出しません。
また、採掘は終了しているため、現在流通している量から増えることはないとされています。

フォスフォフィライト

「宝石の国」でもおなじみのフォスフォフィライト
希少な宝石のなかでは群を抜いて硬度が低く、靭性も脆い宝石。

ボリビアのポトシにあるセロ・リコ銀山から産出するものの色味が美しいことで有名でしたが、現在では採掘は終了しています。

ロードクロサイト

ギリシャ語で薔薇色の石を意味するロードクロサイト
カルサイトと同じグループの宝石であり、薔薇の花に似た華やかなピンクを称して「インカ・ローズ」とも呼ばれます。

現在の主な産地はペルーですが、最高品質はアメリカのスイートホーム鉱山で産出。
世界で最も美しいロードクロサイトと呼ばれています。

レッド・ベリル

エメラルド、アクアマリン、モルガナイト、ゴッシェナイトを含むベリル。
エメラルドと同じ「緑柱石(りょくちゅうせき)」と同様の鉱物であることから「スカーレット・エメラルド」というコマーシャルネームがあります。

インクルージョンが多く、1カラット以上の原石の産出は稀。
ほかのベリルと異なり、レッド・ベリルの産出地はアメリカのユタ州周辺のみ。

現在は採掘が終了したとも言われていますが、ニューメキシコで埋蔵されているとも。

レッド・ダイヤモンド

ダイヤモンドのなかで一番希少なレッド・ダイヤモンド
赤色は結晶構造の歪みからと言われていますが、未だになぜ赤くなるかわからないミステリアスな宝石。

主な産出地は、ファンシーカラー・ダイヤモンドの産地で知られているオーストラリアのアーガイル鉱山やブラジル。

じつは希少な宝石4選


エメラルドにムーンストーン、サファイア、パール。
聞き慣れている宝石のなかにも、希少な宝石は存在します。

独特なインクルージョンであったり、産地特有の素晴らしい色味を示す4つの宝石をご紹介。

トラピッチェ・エメラルド

エメラルドのなかでも、黒い線が六方に向かって伸びた模様が印象的なトラピッチェ・エメラルド
不純物が混ざり結晶とともに成長することでこの模様が生じます。

六方晶系の六角形を中心にしたもの、スター効果のように六方の線が入ったもの、花のように見えるものがあります。

ブルー・ムーンストーン

ありふれた宝石のように思えるムーンストーン
フェルドスパーグループのなかでも、乳白色の地色にブルーのシラーをもつものをまとめてムーンストーンと呼んでいますが、実はオーソクレースという鉱物が発する青い輝きを放つブルー・ムーンストーンは貴重。

カシミール・サファイア

サファイアの青のなかでも、ひときわ異彩を放つカシミール・サファイア
インド北部とパキスタン北東部の地域で採れるこの宝石の特徴として、シルキーな色味が挙げられます。

透明感があるのに柔らかさを纏ったその色味は、ほかのどんなブルーよりも優美で惹きつけられます。
宝石コレクターならば一度でいいから目にしてみたい、そんな宝石のひとつであることは間違いなさそうです。

コンク・パール

パールといっても、私たちの見知ったパールとはまた異なる輝きのコンク・パール
世界で最も高価なパールであり、またコンク貝はCITES入りしている生き物のため、輸入も難しいことで知られています。

カラーバリエーションはピンク、オレンジ、レッド、ホワイトなど。
真珠層はなく、火焔模様があるものが評価が高いとされています。

POINT

  • 特徴的なインクルージョンや色で希少とされる宝石がある
  • 限られた産地でしか産出しない宝石も
  • アウイナイト、フォスフォフィライトなど、現在では採掘が終了している宝石がある