ジュエリー・アクセサリーの素材といえばプラチナやゴールドですが、ほかにもさまざまな金属が用いられています。
銅に真鍮(しんちゅう、ブラス)、身近な金属であるステンレスにアルミニウム、あまり知られていないタンタルといった金属まで、見た目はもちろん個性豊かな特性を持った素材があるのです。
ではそれぞれの金属の特徴とは?
またどのようにお手入れをすれば良いのでしょう。
今回はアクセサリーで用いられる金属素材の特性についてお届けします。
ジュエリー・アクセサリーで用いられる代表的な金属とは?
プラチナ・ゴールド・シルバーと、GF(ゴールドフィルド)。代表的な4つの金属素材は、個別の記事で詳しく述べていますので、そちらをチェックしてみてくださいね。
プラチナ
ゴールド(金)
シルバー(銀)
ゴールドフィルド
銅・真鍮・ステンレス・チタンetc.…金属素材の特性とお手入れ方法とは?
ブロンズ(銅)
ゴールドやシルバーの合金としても用いられる「ブロンズ(bronze)」。
深みのあるブラウンに光沢が加わることで、アンティークのような風合いを醸し出します。
加工しやすいのですが、酸やアルカリに弱く腐食しやすいのが特徴。
めっきがけで、ある程度の変色は防ぐことができます。
青や緑のサビがでてきてしまったら、重曹や研磨剤入りのクロスで磨きあげましょう。
お酢に浸すか、お酢を布に染み込ませたもので磨いた後、水分を拭って保管する方法もあります。
ブラス(真鍮)
ブロンズ(銅)と亜鉛の合金である「ブラス(brass)」。日本語では「真鍮(しんちゅう)」。
黄銅とも呼ばれ、ゴールドとはまた一風違う落ち着いた輝きを放ちます。
加工しやすい金属のひとつですが、手で曲げたりするのは容易ではないため強度が高いといえます。
めっきが施されていないものは、時間の経過とともに渋みを増すのが特徴。
腐食はしにくいものの、時間の経過にともない酸化し黒く変色、また緑色のサビが表れることも。
めっきがけをするか、水分に弱いため使用後は乾拭きを徹底することで変色を避けることができます。
また、お酢に数分浸すだけでも光沢や色味を取り戻せます。
錫(すず)
鈍色の柔らかい輝きが特徴の「錫(tin)」。
純度が高く薄いものは手で曲げられるほど柔らかく、ほかの金属にはないしなやかさを持っています。
酸化しにくく錆びにくいため、安定した光沢を保つことができる金属。
とても柔らかい金属なので、洗浄の際にはたわしでこするのは厳禁です。
中性洗剤とぬるま湯、ロジウムコーティングがされていないものは重曹や研磨剤入りのクロスで磨くのがおすすめ。
ステンレス
流し台にカトラリーなど、台所にある銀色の金属「ステンレス」。
鉄にクロムやニッケルを含有させた合金、stainless steel(さびにくい鋼)を略した名前です。
ステンレスという名前の通り、錆びにくい合金として知られています。
熱に強く、腐食しにくい素材なので、ジュエリーとして身につけるのも安心。
その色と傷の付きにくさから、プラチナ、ホワイトゴールドに加わる第三の選択肢としてブライダルリングへも加工されます。
コーティングされたものは研磨剤入りのクロスで、コーティングが薄くなる恐れがあります。
セーム革などの柔らかい布で乾拭きするようにしましょう。
アルミニウム
アルミホイルやアルミサッシなど、私たちの身近にある「アルミニウム(aluminium)」。
金属のなかでも軽いことで知られ、加工しやすい素材。
ただし、家庭での溶接は簡単ではなく、専門の器具を扱える場所が必須です。
酸素と結びつきやすいため、表面を保護するための「アルマイト処理」が必要。
コーティングの役割を果たすだけでなく、色付けも可能です。
アルマイト処理が施されてないものは、くすみやサビがでてくることもあるため、研磨剤入りのクロスで磨いてあげましょう。
チタン
アルミニウムの次に軽いことで知られる「チタン(titanium)」。
強度はアルミニウムよりも高く、腐食しにくい金属。
手入れも簡単で、マリッジやエンゲージリングに用いられることも。
強度があるといっても細やかな傷はつきやすいため、研磨剤入りのクロスで磨くのは避けましょう。
乾いた布で乾拭きをするか、専用のクリーナで磨きましょう。
ジルコニウム
ジルコニアやジルコンではなく「ジルコニウム(zirconium)」という金属があります。
耐久性に優れていることからもジュエリーの素材として適切なのですが、特徴のひとつに加工の難しさが挙げられます。
ゴールドやプラチナはほかの金属を加えることで硬さを増す金属ですが、純粋な状態ではもともと柔らかいもの。
一方ジルコニウムは溶接も難しく、塊から削り出す必要があります。
しかし、加工によって他の金属には出せない色味を引き出すこともできるため、めっきではない少し変わった色のジュエリーが欲しい時におすすめ。
カラーがある場合、摩擦で色が変化することもあるので、中性洗剤とお湯、またはセーム革で軽く磨くお手入れをしましょう。
タンタル
あまり聞きなれない方も多い金属のひとつ「タンタル(tantalum)」。
レアメタルのひとつであり、もともとグレーから黒っぽい色をしています。
そのため、めっきで黒くしたものと異なり、永久的にその色味を楽しむことができます。
ただし、一度作ったリングのサイズ変更は難しい場合が多いため、その点には留意しましょう。
傷がつきにくいとされているものの、たわしでこすったりは厳禁。
汚れがついてしまった時には、中性洗剤とお湯を用いましょう。
POINT
- 銅、真鍮のサビや変色にはお酢や重曹を用いる
- 錫のアクセサリーは柔らかいため、洗浄の際には注意が必要
- ブライダルリングにはチタン製、ステンレス製といった選択肢も
- 傷がつきにくい金属も、洗浄時にはなるべく摩擦を避ける
【あわせて読みたい】中性洗剤でのジュエリーのクリーニング方法って?
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。