クォーツ(quartz)といえば、ローズ・クォーツにスモーキー・クォーツなど、透明なもの以外にもさまざまな種類があることで知られていますね。
無色透明のものはロック・クリスタルと呼ばれ、インクルージョンを取り込んだものが人気があります。
今回は種類豊富で身近な宝石、クォーツの基礎知識をお届けします。
クォーツの意味、和名は?いつの誕生石?
クォーツの意味と和名表記
古期教会スラブ語で硬いを意味する「tvrudu」から派生し、ドイツ語で石英を意味する「quarz」が語源となった「クォーツ(quartz)」。
英語では末のzの前に「t」がつきます。
鉱物名は「石英(せきえい)」。
モース硬度は7、三方晶系のケイ酸塩鉱物。
岩石中に最もよく見られる鉱物であり、そのなかでも人気が高いのが色付きの水晶や特徴的なインクルージョンを有するものです。
クォーツの和名は「水晶(すいしょう)」。
色付きの水晶の和名は、色や特徴を表した文字を冠します。
- ロック・クリスタル(水晶)
- アメシスト(紫水晶)
- シトリン(黄水晶)
- ローズ・クォーツ(紅水晶)
- スモーキー・クォーツ(煙水晶)
- ルチル・クォーツ(針水晶)
参考記事:宝石の和名が知りたい!名付けに役立つ宝石の名前や漢字のヒント一覧
石言葉
ロック・クリスタルは「会心」、アメシストは「誠実」「心の平和」、シトリンは「友愛と希望」というように、クォーツは宝石の種類ごとに石言葉があります。
4月、2月、11月の誕生石
イギリスでは4月の誕生石に制定されているクォーツ(水晶)。
日本ではアメシストを2月、シトリンを11月の誕生石に制定しています。
参考記事:知っておきたい!誕生石の一覧と意味
クォーツの種類とは?「水晶」と「めのう」の違い
岩石中に最も見られるクォーツ。
色と結晶の形の変化に富んだ宝石のひとつであり、日本でも古くは「玻璃(はり)」と呼ばれ愛されてきました。
クォーツと水晶、クリスタルの違いとは
多くの呼び名を持つクォーツ(石英)。
結晶の形が肉眼で確認できる無色透明なものは「ロック・クリスタル(水晶)」と呼ばれ、クリスタル・クォーツとも呼ばれます。
クリスタルは単体では無色透明のガラスを表す言葉です。
混同されがちですが宝石ではなく、水晶のように透き通ったガラスを指すのがクリスタルということ。
単結晶の「水晶」と多結晶質の「めのう」
水晶がクォーツの一種であることは述べましたが、ほかにはどのような種類があるのでしょう。
クォーツ(石英)はおおまかに2種類に分類できます。
- 単結晶の「水晶」
単結晶の水晶は結晶が肉眼で確認できるほどの大きさで、透明度が高いのが特徴のひとつ。
また、二つの結晶が特定の角度で接合した「日本式双晶」や、ハーキマー・クォーツのような形状を示す「両錐水晶」などの、結晶の形が個性豊かなことでも知られています。
日本で一般的にクォーツといえば、単結晶の水晶を指す傾向にあります。
- 多結晶質の「めのう」
多結晶質のめのうは、肉眼では確認が難しい微細な結晶の集合体であるため、基本的には半透明。
多くの結晶が集まって形を成すため、単結晶に対して多結晶質と呼ばれます。
その中でも3つに分類ができます。
均一な色味を持つ「カルセドニー(chalcedony)」に縞目や複雑な模様を示す「アゲート(agate)」、そして地色に映える白い縞目が美しい「オニキス(onyx)」。
微細な結晶が集まった部分は白色の層となり、美しい縞目となったり、そのコントラストを活かしたストーン・カメオに仕立てられることも。
取り扱い時の注意点は?
劈開もなく、硬度7と日常生活で使用するに適した宝石のひとつです。
ただし、アメシストやシトリンなどの色がついた水晶は、長時間紫外線に当てると退色する恐れがあります。
そのため、窓際に放置せず、保管は暗所で行うようにしましょう。
POINT
- クォーツの鉱物名は「石英(せきえい)」
- クォーツは「単結晶の水晶」と「多結晶質のめのう」に分類
- めのうにはカルセドニー・アゲート・オニキスの3種類がある
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。