新型コロナウイルスの影響で休業していた百貨店やファッションビルなどの店舗営業が再開。
「(もちろん感染には気をつけながら)外出やお買い物ができる!」という解放感、心地よい喜びですよね。
いっぽう、ステイホーム期間中にオンラインショッピングの便利さをこれまで以上に感じた方も多かったのでは。
2020年のwithコロナの経験は、私たちの意識にも影響しています。
最近耳にする「リベンジ消費」の意味とは?ZARA閉店のニュースなど、この先おしゃれ・ファッション関係の店舗はどうなる?「シームレスショッピング」とは何のこと?
「お買い物のしかた」が大きな変化の時期を迎えている今、お買い物の未来を模索してみましょう。
「リベンジ消費」とは?リベンジの意味は?
リベンジ消費って何のこと?
「リベンジ消費」とは、2020年に使われはじめた新しい言葉。
新型コロナウイルスの感染拡大対対策で外出を制限されていた消費者が、自粛生活や制限解除後に我慢の反動で意欲的に消費をすることです。
感染症流行が早かった中国では、外出制限解除後にラグジュアリーブランドやオンラインモールの売上が大きく伸びたことが報道され、この現象がリベンジ消費と呼ばれました。
リベンジは英語でrevenge。
ただ英語のrevengeは「復讐」「報復」といったかなり重い意味合いがあります。
日本のリベンジは「再挑戦」といった前向きな意味でも使われるので、日本独自のカタカナ英語というべきでしょうね。
改めて感じた、リアル店舗のメリットや魅力とは?
自粛明け、お買い物で気分をリフレッシュ(リベンジ消費)!という方に、改めてリアル店舗のメリットや魅力を感じたポイントをピックアップしてみました。
微妙なカラーの確認
「色」、特にベージュなど微妙なニュアンスカラーは画像と現物のギャップも。リアルなお店なら実際の色味や肌色とのバランスを見たり、似た色の比較もしやすいですね。
ジュエリー・アクセサリーも、宝石の色合いなどは直接見たいと感じます。
試着&サイズの調整
パーソナルな身体性の高いアイテムほど「お試し」したいもの。例えばパンツの場合、履いたときのシルエットや身長による丈の問題が大きいため、試着してすぐお直しが頼めるリアル店舗のよさがあります。
凝ったデザイン・素材との出会い
着る事によってよりシルエットが引き立つデザインや手の込んだディテール、縫製のきれいさ、上質な素材の表情や肌触りなどは直接見て触れるメリットが大きいです。
オンラインショップの説明は、ブランドによってもまちまち。せっかくのデザインや素材感がオンラインでは伝えきれていない場合も。
コーディネート・提案力
オンラインでの買い物は「◎◎の○○が欲しい!」と、具体的なブランドや商品がある場合はとても便利。
いっぽう、例えば「久々の集まりに着ていきたい」といった、目的はあるけれど具体的なアイテムは浮かんでいない場合。販売員さんの視点でコーディネート提案を受けながら、予想外にこれが似合うかも、合わせてこちらも…といった買い方、リアル店舗のほうがグッと来ます。
「お店からの声かけが少し苦手」でも、自粛期間を過ごしたことでコミュニケーションの大切さを見直したくなります。
そして意外に大きいと思ったのが、店舗に行くだけで沸き起こる感情。
ワクワク感
美しいディスプレイ、建物や内装全体の煌びやかな雰囲気を味わう体験。思いがけない商品との出会い、お店の方や同行者とのちょっとした会話、衝動買い、旅にも似た非日常感の楽しさ。
人間はやっぱり生き物で、五感を通じて世界とつながっているんだな、お買い物は楽しいエンターテインメントでもあるな、といった点も改めて感じたのです。
シームレスショッピング?「お買い物のしかた」の未来
ZARAを率いるインディテックスの方針とは?
とはいえ、上記に述べたような点も、オンラインの方は積極的に対応中。
動画での説明、リコメンド機能、返品無料サービス(自宅で試着)など…今はオンラインでもかなり充実した提案ができるようになっています。
わざわざ足を運びたい魅力のある場所とは?リアル店舗の意義は今後さらに問われていくことになりそうですね。
コロナ禍の影響もあり、これからリアル店舗は減ってしまうの?という心配をされている方もいらっしゃることでしょう。
先日は「あのZARAが1200店閉店?!」というニュースが飛び込んできました。
ZARA1200店閉鎖、世界の2割弱 EC比率を25%に(日本経済新聞)
ただZARAを率いるインディテックス(INDITEX)の方針を読むと、傘下の小型店を閉鎖するいっぽうで最新のテクノロジーを備える460店舗を出店し、ネット販売と連携していくとのこと。
人々のお買い物のしかたが変わる中、リアル店舗のあり方を戦略的に再考しているのですね。
「ザラ」大量閉店の真相、コロナ禍だけじゃない「深謀遠慮」(WWD)
リアルとオンライン、シームレスショッピングの時代へ
2020年以降、たしかにリアル店舗の数じたいは減っていくかもしれません。一方、リアルとオンラインがもっと補完し合い、シームレスになる傾向が加速しています。
シームレスとは途切れのない、継ぎ目のないという意味。
「シームレスショッピング」とは、リアル店舗とオンラインの分け隔てがなくスムーズなお買い物ができるという意味です。
オンラインで注文・店舗で受け取り(クリック&コレクト)。オンライン接客で店舗の販売員さんに相談。さまざまなアプリやキャッシュレス決済の進展ともかかわって、新奇なアイディアも登場しそう。
ユニクロは着こなし発見アプリ「Style Hint」と連動した売場をオープン、リアルとバーチャルを融合した新しいお買い物体験の提案をスタートしました。
先週OPENしたばかりの #ユニクロ原宿‼️JR原宿駅から徒歩1分にある見どころ満載の原宿店の全貌を大公開👀✨1階には #UT 専用売場「UT POP OUT」や高さ3mのビリー・アイリッシュ像🎵地下1階には、240台のディスプレイで様々な着こなしが発見できる #StyleHint 👗👒👖https://t.co/8RuoTb96aa pic.twitter.com/PR1fvt07q8
— ユニクロ (@UNIQLO_JP) June 11, 2020
私たちの「新・お買い物のしかた」は今まさに発展途上。新しい生活様式にともなうお買い物の未来、これからも注目していきましょう。
POINT
- リベンジ消費とは、自粛解除後の反動による意欲的な消費現象のこと
- カラー、サイズ、コーデ提案、ワクワク感…リアル店舗の魅力も再認識
- ネットとリアルがもっとシームレスに?お買い物の未来に注目!
店舗には百貨店、SPAなどさまざまな業態・違いがありますが、本記事では広い意味での「お店」としております。
ジュエリーのお買い物もオンラインで?起こりがちな問題や注意点はこちら。
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。