“旅するジュエリー”をコンセプトに展開するブランド、PETHICA(ペシカ)。
バックパッカーとして世界50カ国を旅したデザイナーの旅の思い出、そこから生まれるジュエリーの物語を綴るコラムです。
今回はオーストラリアのお話。
***********
Staircase to the Moon
みなさんは「月の階段」をご存知ですか?
私が初めてその言葉を聴いたのは、西オーストラリアを旅していた時でした。
当時 西オーストラリアを北から南へと旅している最中、運良く、バックパッカーズ ホステルで、「車 譲ります」の掲示板を発見。運転に自信は全くなかったものの(ペーパードライバーなのです)、ヒッピー映画のように車で旅するのに憧れていた私は、すぐに持ち主に連絡。
カフェで面談すると、「300ドルで譲るわよ!日本人だから信用できるしね!」とドイツへ帰国予定の旅人からすんなり譲ってもらったのです。
車が手に入ったらこっちのものです。行きたいと思う場所へくまなく寄りました。
その中でも”必ず寄りたかった”というより、”必ず見たかった”のが「月の階段」でした。
月の階段(Staircase to the Moon)と呼ぶのは、海が干潮になったタイミングと満月がのぼるタイミングがちょうど重なった時に見られる自然現象のことです。
それまで、たくさんの旅人から「素敵だよ」と話を聴いていたので、どうしても見たかったのです。それから、実は私は月が好きなのです。
この月の階段という現象が見られる世界でも有名な場所が、オーストラリアの北西にある街「Broome(ブルーム)」です。
毎晩見られるわけでもないし、天気も左右されるし、私は移動旅だし….と、暦とにらめっこし、月が昇るのを一番見やすい場所など沢山調べて、決行日を決めました。これぞ一発勝負です!
夜の海、月への階段。
夜の運転や夜の海は怖さもありましたが、いざその場所についたら、他にも見に来ている人たちがいて安心しました。
まんまるの美しい月が、干潮の波を照らしていました。
その照らし出された光が、手前からずうーっと幾重にも重なって、月へと階段を創りあげていっていたのです!
ステップを踏めば、本当に月までたどり着けそうな光景でした。
美しい。
自然はとっても美しいものです。その自然が、いろいろな事象が重なり合うことによって、さらなる美しさを創り出すということにとても感動しました。自然現象って素晴らしいことですね。
月から感じる気持ちを。
帰国後も、何年も経った今でも、この夜の「月の階段」のことを思い出します。それほど印象的だったのです。
私は満月を見ると、心の中を全部知られているかのような気持ちになります。スッと研ぎ澄まされた感覚を全身に感じることもあります。それが、月をラテン語で”ルナ”と言い、ルナティックと表現された、月の魅力なのだと思っています。
実は現在、そんな気持ちを感じられたら….と、「月」モチーフの新作に取りかかっています。来月11/2~4の個展でお披露目できたらいいな、と制作に励んでいます。ぜひこの機会にご覧いただけたら嬉しいです。
***********
【個展のお知らせ】
PETHICAが3日間限りの個展・オーダー販売会を開きます。サファイアのリングも揃います。デザイナーは毎日在廊予定。どなたさまも、ぜひ旅のお話とともに楽しみにいらしてくださいませ。
◆日時 ※個展は大型台風予報のため、10月から11月に日程変更させていただきました。
11月2日(土)12時~20時
11月3日(日)11時~20時
11月4日(祝・月)11時~18時
東京都渋谷区恵比寿1-7-6 (恵比寿駅から徒歩3分です)
詳細はこちらをどうぞ→ PETHICA個展
Website https://www.pethicajewelry.com/
Instagram https://www.instagram.com/pethica_jewelry/
Facebook https://www.facebook.com/pethicajewelry/
前回の「旅するジュエリー」はこちら!スリランカの採掘現場訪問記です。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
PETHICA Designer / Creative Director
世界を回って広大な自然を感じ、さまざまな人と出会い、笑ったり涙したり、耳をかたむけたり。
そうして受けたインスピレーションがひとつにつながって、ストーリーから生まれるジュエリー”旅するジュエリー”をデザインから制作までしています。