ここ数年でぐっと増えたのが、白髪染めをせず、本来の髪色を生かした美しさを目指す「グレイヘア」の大人女性です。
今回は、シルバー世代のみならず、40代や50代からも注目を集めている「グレイヘア」について解説。おすすめのヘアスタイルや、移行期はどうしたらいい?などの疑問についても考えてみます。
グレイヘアの女優・芸能人が増えている
街を歩いていて白髪混じりの女性といえば、60代以上というイメージではないでしょうか。
しかし実際には、女性の白髪はホルモンなどの関係で30代から増え始める人も珍しくなく、40代から50代以上では多くの女性が白髪染めをしていると推察されます。
ところが、ここ数年で、女優やモデル・デザイナーといった有名人たちがあえて白髪を染めずに活動をはじめ、そのスタイルが「グレイヘア」として確立しつつあります。
日本での元祖は、80代とは思えない美しさとセンスで女性誌の表紙を何度も飾っている、女優の草笛光子さんではないでしょうか。
2018年には、モデルの結城アンナさんが表紙の『グレイヘアという選択』が出版され大ヒット。「グレイヘア」が流行語大賞候補にもノミネートされ、ますます認知度が高まりました。
テレビでは、フリーアナウンサーの近藤サトさんがグレイヘアに和服のシックないでたちで番組に出演し話題になったほか、デザイナーの島田順子さん、故・樹木希林さんなどの個性的なグレイヘアも印象的です。
グレイヘアにはどんなスタイルやファッションが似合う?
「グレイヘアという選択」が出版されたとき、これまで白髪染めをしつつも髪へのダメージやサロン通い・セルフカラー(自宅で染めること)などを負担に思っていた人たちは、無理に白髪を染めなくても「自分らしい美しさ」を表現できる可能性に気づいたといいます。
グレイヘアの素敵な有名人や周囲の大人女性はどんな髪型やファッションをしているのか…とチェックしてみたところ、ひとことでいえば、「十人十色」。
ベリーショートからボブ、ロングヘアまでいろいろなヘアスタイルのグレイヘアを楽しんでいることがわかります。
ファッションも、全身黒のアバンギャルドなデザイナーズブランドに真っ白なヘアがステキな70代女性から、ざっくりしたニットで柔らかい雰囲気の50代女性、前述の近藤サトさんのような和服までさまざまです。
しかし、どのような髪型にしても、美しいグレイヘアに欠かせないのは、きちんと手入れが行き届いていること。
これまで白髪染めにかかっていた費用をこまめなカットやケアに回し、毛先までツヤのある髪を目指しましょう。
ファッションでは、黒髪だと印象が強すぎて避けていた、鮮やかなカラーや大きな柄の洋服が似合うようになったという人がたくさんいるのが印象的です。
なお、グレイヘアですっぴんボサボサ髪は本当に老けて見えがち。ヘアスタイルやファッションだけでなく、メイクにも気を配りたいですね。
きれいなグレイヘアにするには?移行途中のポイントは
それまで白髪染めをしていた場合、白い部分が伸びてくるまで、ベリーショートヘアでも数か月、ロングヘアなら人によっては1~2年かかることもあります。
その間を美しく乗り切ろうと思うと、個人ではなかなかケアが難しいかもしれません。
多くの美容院・ヘアサロンでは、年々増加する「グレイヘアを育てたい」という女性の希望に応えて、おすすめのカットやスタイルを提案してくれるはずです。
中でも多いのは、髪全体ではなく部分的にカラーリングをする「メッシュ」や、黒髪だけを白髪になじむ明るい色に染める「ブリーチ」などのテクニック。
本来の髪の色とカラーリングした色が混じり合うことで、根元だけが白く目立つのを防いでくれます。
「普段はいいけど、お出かけの時だけは少しおしゃれにしたい」という場合は、一時的に髪色を変えられてシャンプーで落とせる「カラーワックス」のシルバー系を使用し、黒い部分をシルバー寄りに見せることでグラデーションを作り境目を目立たせなくする方法や、頭頂部専用のウイッグを使う方法などもあります。
POINT
- 自然な髪色の美しさをめざす「グレイヘア」が有名人にも増加中
- 似合うヘアスタイルやファッションは十人十色、でもおしゃれ心は忘れずに
- 移行期間をおしゃれ&快適に乗り切るには、サロンで相談するのがおすすめ
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フリーライター。新聞社や大手通販サイトにてファッション・ライフスタイル系記事を執筆中。幅広い世代の流行やトレンドから、自分を含めた大人女性が毎日のファッションにリアルに取り入れられるアイテムや着こなしのヒントを厳選してお届けします!