「ジュエリーは一生モノ」
その言葉の通り、祖母から母へ、そして子へと代々受け継がれるジュエリーもあります。
とはいえ「絶対に壊れないジュエリー」を探すことは難しい。
指輪に留められていた宝石が外れたり、ネックレスのチェーンが切れたり。
どれだけ大切にしていても、ジュエリーを長く使用する上でメンテナンスや修理は必要となってきます。
今回は、ジュエリーと長く付き合っていく上で必要な知識である、ジュエリーの壊れる原因や修理・お直しの方法をお届けします。
ジュエリー・アクセサリーが壊れる主な原因は?修理はできる?
身につけるものである以上、何かと接触したり、装着時衣服に引っ掛けてしまうこともあるジュエリー。
それだけで?と思うような些細なことでも破損の原因となるため、自分の持っているジュエリーのデザインや性質を把握して使用することが重要です。
では、実際にどのようなことが原因で、ジュエリーの修理やお直しが必要となるのでしょうか。
石外れ
留められている宝石が外れる原因はさまざま。
石留めが元々不安定な場合もあれば、どれだけしっかりと石留めをしていても石が外れる場合もあります。
前者の場合には、購入時に爪が宝石にしっかりとかかっているかなどをチェックすることで防げます。
しかし、残念ながら石留めが綺麗でも宝石が外れてしまうことも。
それは、使用していくなかで指輪自体が変形してしまったり、宝石自体が割れてしまうこともあるからです。
丈夫とされているダイヤモンドですら、衝撃が加わる方向によっては欠けてしまうのです。
(参考記事:宝石の「劈開(へきかい)」とは?硬いダイヤモンドがカットできる理由)
そのため、なるべく衝撃を与えない、衝撃に弱い宝石であれば使用するシーンを限定するなどを心がけましょう。
変形
ゴールドやプラチナなどの貴金属といえば、硬いイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、とくにリングのように負荷がかかりやすいジュエリーは、使用していくなかで変形や歪みなどが生じます。
一気に変形することもあれば、長い年月をかけて真円のリングが楕円に変わっていくことも。
自力で元の真円に戻すのは難しく、石が留められたものを無理に修理しようとすれば、石自体の破損を招いたり石外れの原因にもなります。
チェーン切れ
ネックレスやブレスレットでよくある「チェーン切れ」。
髪に引っかかったり、気付いた時には切れていたなんてことも多いのではないでしょうか。
もし、金具とチェーンをつなぐ「丸カン」が外れていただけの場合には、丸カンとヤットコ(丸カンを開閉できるものなら他の道具でも代用可能)があれば自分で修理も可能。
しかし、チェーンの途中から切れてしまっていた場合には、自力で直すことが難しくなってしまいます。
切断した部分をレーザー溶接などでつなぎ合わせるか、チェーンを丸ごと変える修理を行います。
また、チェーン切れとは異なりますが、パールのネックレスや数珠など、両穴を開け糸を通したアクセサリーは「糸替え」を行います。
破損をしていなくても数年に一度、糸が劣化するためメンテナンスとして糸替えを行うこともあります。
サイズ直し
指輪が入らなくなったり、反対にゆるくなった場合に行う「サイズ直し」。
サイズ直しが可能な号数は前後2〜3号など、メーカーや工房、素材やデザインによって変動します。
また、サイズ直しを行うということは、レーザーでもロウ付けでも一度金属を切断するということ。
そのため、同じ製品に何度もサイズ直しを行うのは難しく、接合部がもろくなってしまう原因にも。
長く使用したいジュエリーの場合には、しっかりと考えてから依頼するのがおすすめです。
ほかに修理やお直しを必要とする場合には、ピアスやイヤリングの金具外れや、生活キズやジュエリーの変色などが挙げられます。
ジュエリー修理はどこで頼める?お直しで注意する点は?
丸カン外れなどの簡単な修理であれば、慣れれば自力で行うこともできます。
しかし、基本的にジュエリーの修理はメーカーやショップ、工房への依頼が必要となります。
ジュエリーの購入店舗へ問い合わせる
まずは購入したメーカーやショップ、工房へ持ち込み修理を依頼します。
メリットとしては、その製品を扱っているからこその修理が可能ということ。
たとえばオリジナルの金具などを採用していたり、特殊なチェーンを使用している場合。
元のデザインを変更することなく修理が可能ということです。
もちろん、購入店以外でも可能な場合もありますが、仕上がりのイメージを共有する手間も省ける点でおすすめ。
購入店舗以外で修理を依頼する際には、ネット上の口コミだけでなく、できれば実際に利用したことがある友人・知人の評価を参考にしましょう。
また、見積もりの際にもこちらの疑問点をしっかりと解消するなど、丁寧な対応をしてくれるかを見極めることも重要です。
修理やお直しの依頼の際、注意する点は?
ジュエリー修理の際、注意する点は3つあります。
- 壊れたパーツも含めて持ち込む
再度利用ができる場合には金具の代金がかかりませんし、その場で修理が可能なこともあります。
- 保証書を確認する
これもメーカーによって異なりますが、購入時から数年間は保証期間が付いているジュエリーもあります。
故意の事故による破損でなく、通常の使用でついた傷などは修理をしてくれるなど、保証書があれば無料、または正規の価格より安価に修理・お直しが可能な場合があるのです。
- 壊れた原因をしっかりと伝える
もちろん知らぬ間に壊れてしまうこともありますが、原因がわかるとショップや工房側からお客様の生活スタイルに合った形状へのお直しを提案することができるからです。
ジュエリーは一生ものと言われていますが、メーカーやショップはもちろん、使用する人の心構えもあってこそ。
長く使用したいジュエリー・アクセサリーは、購入前の見極めはもちろん、購入後のメンテナンスや使用の際にも注意を持って扱いましょう。
POINT
- ジュエリー修理は自力で行えるケースもあるけれど、基本はメーカーや工房に依頼する
- メンテナンスを行うことで、事前に破損を防げるケースも
- 一生もののジュエリーだからこそ、購入前も使用時にも細心の注意を払う
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。