ジュエリーを探していて、「地金ジュエリー」や「地金ネックレス」という表現を見かけたことがありませんか?
地金(じがね)って金(ゴールド)のこと?プラチナも?貴金属全般かな?といった漠然としたイメージだけを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
地金や地金ジュエリーとは何?貴金属とは?貴金属の意味や英語、種類は?今回はジュエリーにおける貴金属についての知識をお届けします。
地金とは何?「地金ジュエリー」とは?
地金とはそもそも何を指すの?地金ジュエリーとは?
地金(じがね)とは、加工前の金属のかたまりのこと。
鋳塊(ちゅうかい)とも言い、英語ではインゴット(ingot)。貯蔵しやすい形に固めるため、溶かした金属を鋳型に流し込んで作ります。
日本では金・プラチナ・銀の地金が貴金属の投資対象として流通しています。金の地金は金地金(きんじがね)と言います。
金地金は「金の延べ棒(のべぼう)」「ゴールドバー」とも言われ、現物は1kg 500万円前後!(2019年現在。相場によります)現物にはなかなかお目にかかれませんが、映画やアニメで積み上がった金の延べ棒を見たことがある方もいらっしゃるのでは。
そして「材料となる金属のこと」も総称して「地金」と呼ばれています。
そこから、特に金やプラチナといった貴金属を使ったネックレスやブレスレットで宝石を使用していないものを「地金ジュエリー」や「地金ネックレス」、チェーンを指して「地金チェーン」と言うことがあります。
ジュエリーはジュエル(宝石)から来ていますので、「宝石はついていないけれどジュエリーの仲間ですよ」というニュアンスからの「地金ジュエリー」かもしれませんね。
貴金属って何?貴金属の種類は8種類
貴金属と卑金属の違い
では貴金属とは何でしょうか?
希少性があり、加工性が良く化学的に安定しており酸化しにくい=さびにくい金属のことを「貴金属」(ききんぞく)と呼びます。
英語ではprecious metal(希少で貴重)またはnoble metal(酸化せず化学変化をほとんど受けない)。
対義語は「卑金属(ひきんぞく)」、英語ではbase metal。銅、鉛、錫(すず)、鉄、亜鉛など。
貴金属=「貴い」・卑金属=「卑しい」というイメージがつきがちですが、この名前は酸化しやすい金属を「卑な金属」と呼ぶところから来ているから。卑金属でも高価な金属はあります。
貴金属の種類
貴金属の種類は一般的に、金・銀と、プラチナを始めとする白金族の貴金属6種類の8種類です。
- 金(ゴールド)Au
- 銀(シルバー)Ag
- プラチナ Pt
- パラジウム Pd
- ロジウム Rh
- ルテニウム Ru
- オスミウム Os
- イリジウム Ir
パラジウム、イリジウム、ルテニウムはプラチナの割金(わりがね)に、ロジウムはジュエリーやアクセサリーのメッキなどに使われていますね。
ジュエリー用の貴金属としては、用途として使われやすい「銅 (Cu) 」を仲間に入れる場合もあります。
・「割金」の参考記事:ジュエリーの色味を決める「割金(わりがね)」って何?
・「メッキ」の参考記事:14kgfとは何?どういう意味?ゴールドフィルド(GF)と金メッキ(GP)の違い
ジュエリーの主な材料になる貴金属「金・銀・プラチナ」
金・銀・プラチナは性質も似ており、ジュエリーの主材料としてふさわしいポイントがあります。
- 希少で色が美しい
- 加工しやすい
- 室温で変色しない(銀を除く)
金
古代から希少性と美しさ・柔らかさ・長持ちする点が尊ばれた金は、装飾品・通貨などに用いられてきました。薄く延ばせるため金箔としても使われています。
人々を魅了し、富や権力の象徴でもある黄金色の輝きが特徴ですが、硬度を増すため合金にすることも多く、割金の配合でホワイトゴールドやピンクゴールドにすることもできます。
参考:「K10」と「K18」では何が違う?ゴールドの品位の表記とは?
銀
古くから通貨や装飾品に使われ、金・プラチナと比べて安価なためカジュアルなアクセサリーにも用いられる銀。銀イオンの殺菌力から、食器などにも使われてきました。電子機器など工業製品用のニーズも高い金属です。
明るく白い輝きが特徴、変色が気になりますが長く使い込むことで「いぶし銀」の魅力も。
参考:シルバーって何?「シルバー925」と「スターリングシルバー」の違い、黒ずみ・変色の原因とは。
プラチナ
「小さな銀」という意味のプラチナは、金・銀と比べて新しく使われるようになった貴金属です。希少価値があり、上質な宝飾品に使われるプラチナは黒っぽく渋めの輝きが特徴的。
実は全体量の60%が工業用に利用されており、自動車の排気ガスを浄化する触媒などにも使われています。
参考:「Pt950」「Pt900」とは何?意外と知らないプラチナの違い
POINT
- 地金とは金属のかたまり、インゴット。「材料としての金属」の総称にも使われる
- 地金ジュエリーとは、金やプラチナなどの貴金属で宝石を使っていない装身具
- 貴金属の種類は8種類。ジュエリーの主材料は「金・銀・プラチナ」
金やプラチナは宇宙から来たと言われています。宇宙の贈り物を身に着けられるなんて、不思議な気持ちになりますね!
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。