ジュエリーでは定番のゴールド。
しかし、なぜ同じK18でも色にバリエーションがあるのか、不思議に思った経験はありませんか?
また、一口にイエローゴールドのジュエリーといっても、ブランドによって色が若干違うと感じることも。
じつはそれは勘違いではなく、「割金(わりがね)」が大きく関係しているのです。
今回はジュエリーをより深く知るためには欠かせない「割金」についてお届けします。
割金って、そもそも何?
ジュエリーとして使用されるゴールドやプラチナ、シルバーは純粋な状態では柔らかく、手の力だけでも簡単に曲げられるほど。
複数の金属を混ぜ合わせて「合金」にすることで、耐久性を上げるだけでなく、加工しやすさもアップします。
調整するために添加する金属が「割金」。
割金のもうひとつの特徴として「金属の色を変える」効果が挙げられます。
同じK18でもゴールドの色が豊富に
純金がK24と表されるゴールドは、K18であれば75%が純金で残りの25%がゴールド以外の金属を使用した合金です。
この25%に使用する金属の種類で色を変えるのです。
K18では25%、つまり主である金属に加える金属を「割金」と呼びます(K10は41.7%が純金、約58.3%が割金なので、割合の少ない方が必ずしも割金とは言えません)。
ゴールドのおもな割金は銀と銅であり、見た目の赤みが増すほど銅の比率が高く、反対に赤みが控えめになるほど銀の比率が高い傾向にあります。
K18でもYG(イエローゴールド)の他に、PG(ピンクゴールド)やWG(ホワイトゴールド)があるのはこうした理由からなんですね。
同じカラーゴールドでも色が違う理由とは?
割金によって色が変わるゴールドは、カラーバリエーションが豊富。しかし、同じイエローやピンクでもブランドや商品によって色が違うことも。
この違いはなぜ生じてしまうのでしょう。
割金の配合比率が色の決め手
まず、先ほど述べた割金の配合比率が色を決める大きな要素です。
たとえばピンクゴールドは割金である銅の比率が銀よりも多めで、色味に柔らかさを加えるためパラジウムもプラス。
しかし、どのカラーゴールドも割金の配合目安はあっても、それはあくまで目安。
そのため、ピンクゴールドでも銀と銅の配合バランスはブランド独自の比率を採用していることも珍しくはないのです。
K18とK10では色が違う?品位の違い
また、色の違いを感じるもうひとつの理由が金の品位。
【品位とは?】金属の純度を示す数字。24分率ではK(カラット)と共に用いられます。K24が純金で、K18と同様の品位を表すものが750・18K。いずれも金合金の中に75%の純金が含まれていることを表しています。
参考記事:「K10」と「K18」では何が違う?ゴールドの品位の表記とは?
K18とK10では、純金の含有率が75%と41.7%とそもそも異なり、品位が高いほどゴールド本来の色である黄みを増し、品位が下がると黄みが薄くなるのです。
つまり、K10のピンクゴールドはK18に比べて赤みが強く出やすいということ。
これは他のカラーゴールドも同じで、品位が低くなると割金の色の影響をより強く受けるのです。
じつはシルバーやプラチナもジュエリーとして加工するためには割金は欠かせません。
しかし、割金でカラーバリエーションを増すのはゴールドならではの魅力。
イエローやピンクのほかにも、レッドやブラック、パープルゴールドも存在するのです。
一見好みでなくとも、意外な色があなたの魅力を引き立てるかもしれません。
ゴールドジュエリーの購入を検討している際にはぜひご試着を。
POINT
- 割金は強度を高めることに加え、色味を変えることも可能
- 割金の配合率や品位によって、同じカラーゴールドでも色に差が生じる
- カラーゴールドを購入する際には、試着を行い新しい魅力を発見してみよう
【あわせて読みたい】プラチナやホワイトゴールドの割金にはどの金属が使われているのか知りたい方へ
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。