日本を代表する宝石であり、6月の誕生石でもある真珠(パール)。
真珠の魅力を学んでいきましょう!今回は真珠の基礎知識と代表的な種類を紹介します。
そもそも、真珠とは何?
真珠(しんじゅ、パール Pearl)とは貝の体内で形成される物質であり、主成分は炭酸カルシウムです。生物の営みによって生まれた有機宝石です。
参考:宝石とは何?宝石と鉱物との違いとは?宝石の基本、定義と種類
貝から取り出した時点で輝きを放つ真珠は、人間が初めて出会った宝石だといわれています。
真珠は古代ギリシャ時代から最高の宝石として人々を魅了し、権力、富の象徴、交易品として重要な役割がありました。
天然真珠はあくまでも偶発的にできたものですが、後に真珠の養殖研究が世界で盛んに行われ、明治時代に日本で真円真珠の養殖技術が発明されました。
後に御木本幸吉氏が世界に広めたことで、日本は「養殖真珠の国」として世界的に地位を確立していきます。
写真:鳥羽湾のミキモト真珠島
アコヤ真珠:日本を代表する美しい海の宝石
アコヤ真珠の特長
真珠の代表、アコヤ真珠。アコヤ真珠は、美しさを形成する真珠層が薄く細かく、非常に繊細である為により奥深い色の輝きがあります。
きめ細やかな素肌は輝いている女性のお肌と同じです。
貝殻の内側を見て頂くと、虹色に輝いています。
真珠もこのようにいくつかの色の重なりがあり、単色ではなく、白い珠にピンク、イエロー、ブルー、グリーンなどが混ざり合いさらに奥深く色を作り出します。
中には、強めにイエローやブルーが自然に出たものもあり、これらもまた魅力あるものです。
サイズは直径3ミリ位から9ミリ位までで、7ミリ前後のものが主流です。
アコヤ真珠のアコヤって何?
アコヤとは貝の名前です。
ホタテ、アワビなどはとても美味しく、よく聞く名前の貝ですが、アコヤは美しい真珠を生み出す能力にすぐれた貝なのです。アコヤ貝から生まれたアコヤ真珠は、和珠とも呼ばれます。
現在 三重、愛媛、長崎、熊本、大分の5県がアコヤ真珠の生産地になっています。
南洋真珠:大ぶりな魅力のある真珠
南洋真珠とは?
南洋(日本の南方)でとれる真珠を総称して南洋真珠と言います。サウスシーパールや南洋珠と呼ばれることもあります。
代表的なのは下記の真珠。母貝は熱帯、亜熱帯の地域に生息する大型真珠貝で、手のひらぐらいの大きさがあります。
シロチョウ貝から採れる、シロチョウ真珠
オーストラリア、インドネシア、ミャンマーが生産地。
大きい真珠が多く、10ミリ以下のものは小さい部類に入ります(アコヤ真珠では10ミリは希少)。
アコヤ真珠とは同じ白の色も違い、少しまろやか色合いをしています。
今大人気のゴールデンパールもこのシロチョウ真珠から採れます。
クロチョウ貝から採れる、クロチョウ真珠
タヒチ、フィジーなどが生産地。
珠のサイズは大きく、色は真っ黒からグレーまであり、中でもグリーンの色味が入った輝きのあるもの(ピーコックグリーン)は黒の中でもひときわ華やかです。
淡水真珠:淡水産の貝から採れる真珠
先ほどまで登場したのは全て海の貝でしたが、淡水真珠とは川、湖で生息する貝から採れる真珠です。
数は減りましたが日本では琵琶湖でもつくられていて、海外ではBIWAという名前で呼ばれます。
昔はデコボコやシワ、細長い真珠も多かったのですが、中国で綺麗な丸、ぷっくりとしたドロップ型が作られるようになり、色もオレンジ、ピンク、パープルなどがありおしゃれのバリエーションが楽しめます。
その他の天然真珠
コンクパール(不透明なピンク色)
メロパール(不透明なオレンジ色)
アバロンパール
などがあります。これらは数も少なく希少性が高いです。
POINT
- 真珠は貝から生まれる有機宝石。日本は養殖真珠の国として世界的に有名
- 代表的な真珠の種類として、アコヤ貝から生まれるアコヤ真珠と、南洋真珠(シロチョウ真珠、クロチョウ真珠)がある
- 海の貝ではなく川や湖の貝からとれるのが淡水真珠
Text by h×H + officenovel
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