宝石といえばダイヤモンド。磨けば価値のある人は「ダイヤの原石」と言われるし、最高のものの比喩としても良く使われるダイヤモンド…
ダイヤモンドってどういう意味?そもそも、ダイヤモンドって何?
今回は「宝石の王」と呼ばれるダイヤモンドの意味や基本と、宝石の王になった理由──ダイヤモンドのカットの歴史や最近の傾向をお届けします。
地球からの奇跡の贈り物・ダイヤモンド
ダイヤモンドは、ギリシャ語の「アダマス(無敵、征服されざる)」が語源です。(何事にも)屈しない、征服されないという強い意味を持つ名前ですね。
その名の通りモース硬度10、実験で確かめられている中では「天然で最も硬い物質」です。和名では金剛石(こんごうせき)。4月の誕生石です。
石墨(グラファイト)などと同じ炭素の元素鉱物ですが、150㎞以上の地下深く高温高圧な環境の中で生まれるため緻密な原子配列を持ちます。
ダイヤモンドはマントル起源の火成岩キンバーライトなどに含まれており、マグマが短時間で地表に噴出した際にとてつもないスピードで一気に押し上げられたため、グラファイトにならずダイヤモンドになったそうです。
同じ炭素でも、鉛筆になるか宝石の王になるか、その後の人生(石生?)が大きく違いますね。
ダイヤモンドを王座につけたのは「ブリリアント・カット」
「ブリリアント・カット」の発明がダイヤモンドの地位を高めた
ダイヤモンドは古来から優れた硬さは認められていたものの、宝飾品としては硬さゆえに研磨が難しいのが課題でした。実は昔はルビーやサファイアといった貴石の方が宝石としては評価されていたのです。
14世紀になって三角のファセットをつけた「ローズ・カット」が生まれ、その後18世紀初めに「ブリリアント・カット」が発明されました。
クラウン32面・パビリオン24面・テーブル・キュレット、計58面体のカットです。ダイヤモンドから分散光を引き出し、最大限の輝きを生み出す画期的なカットでした。
この当時のブリリアント・カットは「クッションシェイプ・ダイヤモンド」と呼ばれています。
このブリリアンカットが洗練され、20世紀に反射や屈折率を数学的に計算して最適化されたのが現在最も人気の高い「ラウンド・ブリリアント・カット」です。上から入射した光が底面ですべて反射するようになっています。
ダイヤモンドのカットの種類については、下記の記事により詳しく書かれていますよ。
参考:ダイヤモンドの輝きを決める「カット」!ブリリアント・カット&カットの種類は?
逆に天然の結晶を楽しむ「アンカットダイヤモンド」
素晴らしい輝きをもたらすブリリアント・カットの研磨技術がダイヤモンドを宝石の王にしたわけですが、もともとダイヤモンドの屈折率は2.42と高く、最近では美しい原石を研磨せずにそのままのダイヤモンドを楽しむ方も増えています。
採掘された自然の形、正八面体や不定形の「アンカットダイヤモンド」は、結晶の美しさを味わうことができます。
またダイヤモンドは無色透明なイメージがあり、無色の方が価値が高いといった等級づけ(4C)も有名ですが、元々黄色みを帯びたり褐色のダイヤも多く、イエロー、グレー、ブラウン、ピンク、ブルーなども存在します。ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれています。
内包するグラファイトなどによって黒色となったブラック・ダイヤモンドも近年では評価されています。
POINT
- ダイヤモンドは最も硬い(モース硬度10)「宝石の王」
- 「ブリリアント・カット」の発明により輝きを引き出せるように
- 無色透明なイメージだがカラーダイヤモンドも存在
Revised Edition 2019 03©hikarimonogatari.com
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