ジュエリーの基礎知識

宝石の形の名前とは?宝石カットの種類と名称2:ラウンドやファンシーシェイプ

好みのジュエリーを探したいとき、あの形は何という名称だろう…と考えることがありませんか。また「マーキス」「ペアシェイプ」ってよく聞くけれどどんな形状?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はよく見かける宝石の形(シェイプ)の種類と呼び方をお届けします。

丸、四角、ハート型…さまざまな形状の呼び方とは?

宝石のカットは、原石の形、またどのような色や輝きを求められるのかによって選ばれます。
宝石を真上から見た時の形をシェイプと呼びます。

写真上:オーバル

写真中段:エメラルド ハート ペアシェイプ

写真下段:ラウンド マーキス スクエア

丸い宝石の名前

ラウンド(円形)

婚約指輪のダイヤモンドなどでよく見る丸い形。1919年に発明されたラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドの代表的な形です。

オーバル(楕円形)

楕円形。原石の形状や光の効果を考えてカットされるので楕円の形や高さはさまざまです。

なお友達や恋人に「丸い宝石が好き」と言われた時は、多数の面を持つファセットカットの場合と丸く半球型に仕上げるカボションカットの場合があるので注意しましょう。2つの違いについては下記をご参考に。
【参考記事】
宝石の形の名前とは?宝石カットの種類と名称1:ファセットとカボション

四角い宝石の名前

色の美しさを際立たせるステップカットの方法を使った形です。

スクエア

正方形。婚約指輪のダイヤモンドにも用いられます。

バゲット

長方形の小さいステップカット。スクエアに近いものからから細長い長方形まで。先細りになった形はテーパードバゲットと言います。

エメラルド

長方形の四角を落としたシェイプをエメラルドと呼びます。

ファンシーカット

多種多様な輪郭を持つ形を総称してファンシーカット、ファンシーシェイプと呼ぶことがあります。(ラウンド以外のカットをファンシーシェイプと総称することもあります。)

マーキス

オーバル(楕円形)の両端を尖らせた、小舟のような形。木の葉形とも。
マーキス(Marquise)とは侯爵夫人の意味。18世紀、ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人が侯爵夫人の称号を受けた時にパリで流行していた形なのだそうです。マーキースとも書かれます。

ペアシェイプ

洋梨形。ペアーシェイプとも。ラウンドとマーキスを組み合わせたようなしずくの形で、ティアドロップと呼ばれることも多い形です。

ハートシェイプ

ハート形。文字通りハート(心臓)の形のカットで、人気があります。

美しい色を引き出す「ステップカット」とは?

宝石のカットの方法として、石の輝きを最大限に引き出すのが有名な「ブリリアントカット」ですが、色の美しさを引き出すには「ステップカット」が向いています。

踏み段(ステップ)状の長方形の広い平面があるのが特徴です。

もっとも一般的なステップカットが、四角い宝石の名前でご紹介した「エメラルドカット」。
たいへん貴重な宝石であるエメラルドを極力削らないで済ますためにはどうすればいいのか?と考えられて生まれたカットです。
角が落としてあるため欠けに強いカットですが、中の傷や内包物もよく目立つので石の持つ美しさや透明度がポイントになります。

カットの方法には、さらにブリリアントカットとステップカットを組み合わせたミックスカットなど様々なバリエーションがあります。
今回はわかりやすい輪郭の形状からお届けしましたが、原石に美しさと大きな価値をもたらすカットはとても奥深い世界です。

POINT

  • 原石の形と求められる色や輝きから形(シェイプ)が決まる
  • 丸や四角、さまざまな輪郭の形状と名称がある
  • 輝きを引き出す「ブリリアントカット」、色の美しさを引き出す「ステップカット」

ブリリアントカットやダイヤモンドのカットの種類についてはこちらの記事をどうぞ。
【参考記事】
ダイヤモンドの輝きを決める「カット」!ブリリアント・カット&カットの種類は?

Revised Edition 2019 02©hikarimonogatari.com